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#8 ぴぴ、5歳になる。母、いよいよワクチンを打つ。

連載:カラフル&凸凹ハッピー家族ダイアリー #8 ぴぴ、5歳になる。母、いよいよワクチンを打つ。

みなさまこんにちは。ようやく梅雨らしい長雨の毎日。ぴぴはハードボイルドにポケットに手を突っ込み、水溜りを選んで歩いて水しぶきを堪能しつつ。びしょ濡れの衣類や靴に気づいては、不機嫌極まりなくなる、という不条理な日々を過ごしています。

繊細児あるあるだと思いますが、濡れた服、嫌いなんですよね……。

そんなぴぴも、あっという間に今週末で5歳。

去年に引き続き、お友達とのパーティもお出かけもジジババとのご飯もできず。相変わらずケーキもクリームもフルーツも食べないので、今年はもうフォトジェニックな映えケーキはやめて某アイスショップのポケモンケーキと、ポケモンゲーム祭りでいいかと思っていた矢先。パパの会社のワクチン接種のお知らせが舞い込んだ。

平素はインフルエンザのワクチンも打たない我が家。パパはコロナもスルーかと思っていたのですが、予想に反した反応。毎日オフィス出勤なので、お休みする人が出るたび、じわじわと迫ってくる見えない敵と闘うストレスに疲弊したのかも。あるいは身動き取れず、友達とも遊べない子どもの寂しさを思ったのか、後期高齢者の両親たちと子どもたちが触れ合うことができないまま、時が過ぎていくことへの懸念なのか。おそらくはその全てであろうけれど、ワクチンを打つことに、あまり迷いはなかったようだ。

打つと決めたら早い。未婚家族の私も摂取できるよう会社に掛け合い、2人同時に迎え打つことになったXデーはなんと、ぴぴの誕生日前日。誕生日の週末に両親2人揃って動けなくなるかもしれない不安を抱える私を尻目に、「せっかく注射を打つのだから、緊急事態も終わったし、ちょっと出かけてみる?」と2年ぶりにホテルを予約していた。(彼としては副反応で動けなくてもホテルで寝込み作戦らしいのだが、発熱したらどうするんだろう?)

この原稿を書いているのは注射前、誕生日は一体どうなっているのやら。

遠い地でホテルから出られず、ルームサービスと携帯ゲームで終わるかもしれないし、旅先を楽しんでいるかもしれない。また報告いたしますね。

もちろん、1回の注射では免疫もできないし、劇的に何かが変わるわけでは無いのだけれど。この長い戦いに一息つけるかもしれない、と思うと、急に走馬灯のようにコロナの渦中で過ごした2年半を思った。

子どもたちにとっては、キャンプはじめ園の行事は全部中止。プレイデートやバースデーなどもできない2年間。新しい生活はしんどかったけれど、周りの動きや、考えもよく見えてきた。

無理して2年前と同じ生活、お出かけや会合をしようとせず、家族でゆっくり過ごす時間を堪能した。もともとぴぴとパパは遠出が好きじゃないので、歩いて行かれる範囲内で日々冒険を楽しんだ。緊急事態下での判断や選択によって、感覚が似ているお友達も判別できた。思春期の兄姉たちとも、普段ならずっと会えない長期休暇に何度も会えたり。悪いことばかりではなかったと思う。

ワクチンを摂取するか否か、さんざん迷ったし躊躇もある。普段からほぼ通院せず、注射や予防接種の類もミニマムな我が家なので、正直今でもちょっと怖い。私たちは集団免疫の選択を取ったけれど、ぴぴもパパも集団生活の毎日を送る環境がいちばんの要素。先生や他の保護者との接触もある。

ずっと家から出ず在宅勤務のご家庭、子どものいない、あるいは子どもをこれから迎えたいと思う人、病人や老人との接点が多い人、みんなそれぞれ選択肢は違うはず。ミームや圧に惑わされず、ご自身で納得のいく情報を調べ、質問し、周りに流されずに決めた選択は、それぞれ自由で尊重したいと思う。

先日、ぴぴの担任の先生のおひとりが園を去った。

理由は詳らかになっていないけれど、もともとバッグパッカーで世界を回って来られ、国内外の企業で仕事をされた経験のある異色の先生。最後に直接1on1でお話しすることができたのですが、もう先生という仕事はされないとのこと。

信頼していた先生が去ることを寂しく思いつつも、かつて2年前、キャンプの夜に飲みながら、熱い思いや日本の教育界全体へのミッションなど、何時間もお話ししたことが忘れられず。なんでかなあ? と考えてみた。

この2年間、親や世間が先生に求めることが、とても多くなりすぎたと思う。親も見えない敵との闘い、子を守ることに必死だったけれど、その思いが先生方に圧をかけていたと、反省余儀なくされた。毎日朝から晩まで、誰かが園の中を拭いて周っている。園で感染や濃厚接触が出れば緊急閉鎖となり、働く親しかいない環境ではパニック必至。先生たちは外食もされず、長い休みに帰省することもなく、結婚式もしないし参列もしない。ワクチンだってきっと、「任意」と言われつつ受けなきゃならない圧のようなものはあるに違いない。そんな中でも、うちのように「手洗いしたー」と平気で嘘をつき水洗いしかしない子、裸足で外に出てしまう子、コントロールは効かない。さらには平素混んでいて容易に行けない場所訪れることを楽しみにしているご家庭もあり、そのお世話をし報告を聞く側は何ひとつ思うように行動できない環境が続いたら、やっぱり新しい景色を見て深呼吸したくなるだろう。旅行の嫌いな我が家でさえも、注射を機に出かけようとするくらいなのだから。

自分と違う立場の人、選択をする人、それぞれでいいけれど。自分に必死すぎるあまり、立場の違う相手を攻撃しようとしたり、リスクを背負った人への感謝を忘れがちになっていた。他人の判断も、生活も、誰にも口出しはできないし変えられない。そんな当たり前のことを忘れていた気がして、ひとり反省した。

自分たちにできることはなんだろう? ってベッドに寝そべってぴぴと考えてみた。

まずは、石鹸で手を洗おう! そして、マスクをかじるのをやめよう! お尻は自分で拭こう! 去っていく先生、残った先生みなさんに、拙いながらもお礼とお別れの手紙を書き、なんだか方向性が違う気がしたけれど、母も子も少しだけ、誰かのことを考えた誕生日前夜。

どんな5歳の日々が待っているのかな。

Katsura

KatsuraSocial activist / Bespoke jeweler

認可保育園に通う4歳児「ぴぴ」と個性豊かな異母兄妹が時折入り混じる、カラフル家族の未婚の母。独自のレッジョエミリアアプローチと探求型子育て実践中。国際NPOや児童養護施設等のサポート活動から、草の根活動「すべての子どもを大人みんなで育てたい」とInstagramやClubHouseでのお悩み相談展開中。職業は宝飾作家。「消費しない、紡ぐ、日本の手仕事、Sustainable」をテーマに、世界にひとつのジュエリーを制作中。qq82.stores.jp

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