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子の心、親知らず? ゲーマー英才教育と、未知のダンサー志向

連載:カラフル&凸凹ハッピー家族ダイアリー 子の心、親知らず? ゲーマー英才教育と、未知のダンサー志向

5歳の夏、ぴぴはエネルギーが有り余ってとにかく寝ない。ベッドイン後もひとり延々と喋り続け、空想に没入の日々。YouTube、ポケモン、フォートナイト、そして寝ても覚めてもマインクラフト、担任からも「4年生くらいの中身ですね」と笑われる興味の先。兄やお友達と対戦したり、勝手に自分でやり方を調べては父と毎夜巨大ダンジョンや自動装置製作に熱を上げ、深夜1人起き出してはマイクラをレゴでひたすら再現していたりも。

未就学児はゲーム未解禁のご家庭も多いと思いますが、筋金入りゲーマーの父兄に0歳から英才教育を受けてきた我が家では難しく。割り切って、姿勢や目には配慮しつつ「好きなこと」をリアル世界の興味につなげることに母は必死です。

オンラインで見つけた曲をピアノで弾き語りしたり、家にある幼児用のバイオリンやギターをかき鳴らしたりする様子に、普段は習い事に消極的な私も「親子共通の趣味が楽しめる!」とギターの親子体験レッスンへ。親は夢中で楽しみましたが、当の本人は10分しか持たず……。

その後も家では楽器を触っているので、もしかすると親同席は難しい?  日常でもっと音楽を楽しむ環境をつくってみようと出直し、音の楽しさを広げる方法を模索中。習いごとをためらう理由は、平日朝から夕方まで保育園で時間に追われ、基本週末しか選択肢はない。でも家族でゆっくり過ごしたり、お友達と遊んだりする貴重な「自由時間」を削りたくない。

未就学のうちは一見、「無意味とも思える好きなこと」に浸る時間をできるだけ多く取り、自ら興味や楽しさを紡ぎ広げる展開力、集中力、体力を養って欲しいと思うから。本人が「どうしてもやりたい」とスイッチが入るまでは、親は導線を作らない方針、のはずですが。ついつい先回りして手を出しては失敗することもしばしば。

これまでも「サッカー」「工作」「空手やりたい」とせがまれ体験に行ったものの、全て至らず。繊細児らしさを存分に発揮し、私の衣服か椅子の下に隠れたまま終わる状況は、以前のキッザニアでもお分かりいただけると思う。

そもそも「周りに合わせる」というカルチャーに不慣れなので、途中参入は難易度が高すぎるのだろう。水泳だけは命に関わるので泳ぎ方は覚えてほしかったけれど、一度辞めたらどこも満員。諦めて家族でプールに通ってみたら、1ヶ月もしないうちに潜って浮いて進めるように。楽ではないけれど親も運動不足解消になり、結果オーライだった。

現状進行している習い事ことはじめは、昨年の緊急事態明け。自宅保育の孤独と閉塞感に耐えかね、ものづくりスクールの無料体験に申し込んだ。平素は大人気なのに、新年度開始1ヶ月で生徒はなんとぴぴ1人。全5回の体験すら不安で「嫌だったり休むくらいなら、いつでも辞めていいよ」と通い始めましたが、好相性のお兄さん講師と1on1、ちまちま細かいものを作ることが好きだからか、「ここに通いたい」と自分で起きて用意するほどのハマりよう。数ヶ月後にはお友達も増え、進級後の今も楽しく通っています。

そして3歳誕生日にミュージカル鑑賞にハマったぴぴ。途中で親子席への移動を想定していた3時間半の長丁場もなんのその。飽きることなくひとり座ってかぶりつき。以来、「ららら♪ ラーイオンキーング!」と歌っては各国語やアニメなども見尽くしていた。

そんな様子に母が思いついたのは、ミュージカル劇団主催のスクール。超お気楽に未就学児対象のオーディション会場を訪れて、腰を抜かした。立派なスタジオ、整然と座る子どもたちはゼッケンとバレエシューズを身につけ微動だにしない。みんな、どう見ても準備万端に仕込んでいる。

レッジョな息子はお山座りも、指示行動も、未知の領域。

背後からパパの猛烈な非難の目線とため息を感じつつ、怯えるぴぴの手を取り場内へ。

母がこの日のために仕込んだのは、ピカピカと七色に光る運動靴だけ。これに釣られて、ぴぴはここに来たようなものだった。

親から離れて集団考査が始まり、1人ずつ番号順、手本通りにスキップやステップの指示。ぴぴ、どれもやったことがない、ピンチ!!!

短い足がもつれそうになりつつ、小走りで会場を駆け抜ける姿に胸がギュッとする。続いてはお歌。1人ずつ名前と年齢を告げ、好きな歌を歌ってくれとの指示が飛ぶ。

え?  ここで??  みんな見てるのにアカペラ????

審査員席の金髪青い目の先生から、番号とお名前を1人ずつ呼ばれる緊張しかない時間が訪れた。さっきまで意気揚々とダンスしていた子達も立つのがやっと、お口は貝のように閉じている。3、4、5、6人……。全員歌えぬまま周回飛ばされ、どんどん進んでゆく。見ていられないと父、立ち上がって連れ去りたい衝動を抑える母、緊張感がピークに達した時、「58番、ぴぴさん」審判の時がやってきた。

もじもじとくねくねと立ち上がり、股間を触りつつ3呼吸くらい間が空くと、蚊より小さな早口で名前と年齢を告げた。歓喜する母を尻目に、これまた猛烈な早口小声で、およそ場に合わぬ鬼滅の刃のテーマソングを歌い出した!!!!

顔を見合わせる審査員の面々、我々。おそよ30秒でAメロとサビを歌いきり、拍手喝采! proud of you!! 想定外を超えた息子の勇姿に涙が溢れた。

ほっと恥ずかしそうに座るぴぴ。その後に続くお子たちも含め、1周目で歌えたのは彼だけ。2周目で親が呼ばれて横に立ち、一緒に歌い出せた子がまだ数人。

そこからが真の正念場。ピリピリムードの会場でひとり緊張の糸が切れ、念願の靴を光らせてはもぞもぞ、くすくす。母から鬼の眼力で制されること数回、冷や汗の止まらない時間でした。

その後無事レッスンに通い始めたぴぴ(本人的にはバレエレッスンらしい)。

週末の朝みっちり2時間、途中歌や台詞回しに飽きる様子はあれど、一度もスタジオから出て来ずくねくねクルクル。毎週スタジオ入室やレッスン参加を拒否する子がいて、親が必死にあの手この手のご褒美で鼓舞する中、ぴぴは違った。上手では無いけれど楽しそうに参加しているのは新鮮な発見。初回の成功体験がなせる技なのかしら?

子どもの興味ベクトルって、本当に謎。

子どもの性格も親目に映る姿や予測を大方裏切る。親の目線から遮断されると、想像とはむしろ真逆の姿を見せてくれることも多い。親だからって、つい知っている気になってバイアスをかけたり「この子はこうだから」って決めてかかったりしては、失礼だなあって気づくことの連続です。

ますます子どもの世界が楽しく眩しくなっていくこの先、どんな新しい顔を見せてくれるのか?  親が願う理想の方向とは違うかもしれないけれど、子自身の持つ伸びる力を邪魔しないよう肝に銘じ、母も自分の趣味や世界を広げよう。負けじと楽しいスキルを磨いておかなくっちゃね。

異国の大人と思しき通信対戦相手に、パンイチでブイブイ言わせる頼もしい5歳児。圧倒的先輩ゲーマーの兄と父の株が急上昇の反面、母はダメ出しされがちだけれど。「マミイの好きなダイヤ集めたよ!」と誘われ、母もマイクラデビューの重い腰をあげるところ。大好きな息子と、もうちょっと一緒に遊びたい。好きを共有したい。

夏もあと少し、家遊びは充実しているので、少しはお出かけしたいなあ。 みなさまも健やかで楽しい夏をお過ごしください。

Katsura

KatsuraSocial activist / Bespoke jeweler

認可保育園に通う4歳児「ぴぴ」と個性豊かな異母兄妹が時折入り混じる、カラフル家族の未婚の母。独自のレッジョエミリアアプローチと探求型子育て実践中。国際NPOや児童養護施設等のサポート活動から、草の根活動「すべての子どもを大人みんなで育てたい」とInstagramやClubHouseでのお悩み相談展開中。職業は宝飾作家。「消費しない、紡ぐ、日本の手仕事、Sustainable」をテーマに、世界にひとつのジュエリーを制作中。qq82.stores.jp

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