連載:山本祐布子の「子どものいる風景」 山本祐布子の「子どものいる風景」 偶然にも可愛い緑の豆になる。姉妹の名前のひみつ
vol.14 名前
冷たい風にまだまだ首をすくめる日々が続きますが、気づけばそこここには梅の花が満開になり、もうすぐ春になる、そんな希望を与えてくれます。
我が家の子どもたちも、この春に小学一年生、保育園の年少さんになります。
長女の入園の時はまだまだ感覚がつかめないままどうにか準備などに追いついていきましたが、今回はダブルでやってくる二度目の入園。そして入学。ちょっと気合が入ります。
それに加えて引っ越しもありますから、もう今から頭は毎日ぐるぐる、段取りを整えるだけで必死。
学校から用具を配られ、必要なもののリストも配られ、ミシンにもむかい各種袋物の制作。早速手始めに作ったコップ袋にラベルをアイロンではって、さあ名前を入れましょう。この瞬間、とたんにそのものは「子どものために作った」という感じになって、母の仕事をしているなあなんて、妙な充実感に満足してしまうのです。
が。
そうです、入園入学の用具には、すべて、当たり前ですが、名前を書きます。袋はもちろん、着替えにも、お弁当にも、箸箱にも、下敷きにも、粘土の箱にも、そして、クレヨンの箱にも、さらに、クレヨン一本、一本にまで。。。。。!!
配られたピカピカの用具に、ひたすら、名前を書きます。もう、母の充実感も通り越し、もう、写経のレベル。これから配られる算数の計算用のコマにも一つ一つ名前を書くというからぞっとします。
名前。名前。名前。名前。はあー!
姉妹の名前を合わせると?
名前。
我が家の子どもの名前はみと、さやと申しますが、ある日、二人の名前を妙に噛み砕いて思考する1人の友人。
「みと、さや、、もしかして、実と、莢、ってこと!? それは二人合わせると、豆?!ってこと?!」
私達には考えも及ばなかった事実。お姉ちゃんが実、妹が莢、二人合わさると、偶然にも可愛い緑の豆になる。
嬉しい発見でもありました。ちなみに、さらに偶然にも長女のみとは、2010年10月10日生まれ。3つの十が重なって、み、と?! これも正真正銘の偶然です。
この親があって、この子あり。こんなダジャレみたいなエピソードを、はからずも持って生まれた彼女たち。
そして、この、「実と莢」。我らのパパがこれから始める新事業の屋号にもなってしまいました。
この話をし始めるとさらに長くなりますのでこの辺にいたしますが、これからもずっと、私たちはこの二人の名前を、あらゆる場所で、記し続けることとなってしまったというわけです。
もうすぐ春です。