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Column イラストエッセイ

山本祐布子の「子どものいる風景」さやちゃんには、勝てないんだなあ

2017.10.17

この連載は……
イラストレーター・山本祐布子さんのエッセイ。ふたりのお子さんと暮らす、家族の日々を綴ります。

vol.21 さやちゃん

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ある日の車の中での長女との会話。

アリとキリギリスの物語に自分たち家族をなぞらえて、誰がアリで、誰がキリギリスか。という、どうでも良い話。

「パパは、いつも楽しいことを優先するからキリギリス、だよね~」
「みっちゃんとおかあさんは、絶対にアリ。特におかあさんは、完全にアリ(強調)」
「じゃあ、さやちゃんは?」

うーん。なんだかどっちでもないような気がする。。。アリではないけど、キリギリスでもない。。。

そうそう、さやちゃんは、

チョウチョ!

ひらひらと、可愛くて美味しいものにめがなくて、楽しいことにしか興味がない。

いつもリズムに合わせて踊りだし、鼻歌を歌いながらお絵描きのうさぎには必ず♡のマーク。アイドルの塗り絵、ビーズやクリスタルの積み木などに興じる。

そうなのです。我が家ナンバーワンのラブリーガールは、紛れもなく4歳になる、次女のさやちゃんです。

はっきり言って、さやちゃんの髪はまだ薄く、赤ちゃんの頃はつるつるのタイプでした。

ようやく生えてきたひよひよの髪の毛を愛おしく触りながら、

「髪、結んで!」

無理やり小さな輪ゴムで結んでやると、大喜び。それはそれはネズミの尻尾のようなホッソイ、ほっそい2つ結びです。それに飽き足らず、最近は三つ編みをして欲しいとせがむので大変です。

「◯◯ちゃんは、一回頭の上で三つ編みして、それを2つに三つ編みしてたよ?」
。。。無理です。

大好きなキャラクターやアイドル系の塗り絵。引っ越しのごたごたで色鉛筆などが霧散してしまい、なぜか活用している油性のマッキーで塗りたくります。

肌がどピンクになったマカロンちゃんを見て、「うーん、可愛くて、あこがれちゃうーーー!!」
と満足げ。

コピー用紙を蛇腹に折って、真ん中でギュッと縛り、輪ゴムをつけ、それを頭に巻き付けたら、
「りぼん」
まるで鉢巻のようにおでこにくっついた大きな大きなリボン。目にかかる程垂れ下がるも本人は全く気にすることなく、プチプチで作ったエプロンをつけてお家ごっこ。

ふわふわもちもちのさやちゃんの体。美味しそうだなあ、、、と触ると
「さやちゃんの体の中は、わたあめで出来てるから。」ときっぱり。

さらに「パカっ!はいどうぞ」と、体の中身をおしげもなく、人に差し出すさやちゃん。

とまあ、上げるときりがないくらいで、大笑いの連続です。

笑えるどころか、最近は笑わせるほうにも才能を持ち始め、変な顔をしたり、歌ったり踊ったり、さやちゃんがいるだけで、毎日がぱっと花が咲いたみたいに、明るくなります。

シールのシートを床に貼り付けてしまい、怒られて「もう、こんなことする子にはシールは買ってあげないよ!」おかあさんの叱咤に火が付くように泣くさやちゃん。

もうしない?と怖い顔で抱きしめると、その胸のすき間から、もう、変顔をしているさやちゃんがいるではないですか!

思わず吹き出して、二人で大笑い。これで、おしまい。

さやちゃんには、勝てないんだなあ。

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山本 祐布子(やまもと・ゆうこ)

イラストレーター。切り絵作品、ドローイング作品を中心に、雑誌、装丁はもちろん広告・エディトリアル・プロダクトと、ジャンルを超えた活動を行う。ブログやインスタグラムでは、2人の娘たちの姿や、日々の小さな出来事等を綴っている。夫の蒸留家修行を見守るため、2015年にドイツ滞在。現在は千葉在住。

yukoyamamoto.jp instagram.com/funnnyup


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