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Column イラストエッセイ

山本祐布子の「子どものいる風景」「もう、なんでもいい!!」わーん。ふたりで描く「さんたさんへの手紙」

2017.11.20

この連載は……
イラストレーター・山本祐布子さんのエッセイ。ふたりのお子さんと暮らす、家族の日々を綴ります。

vol.22 さんたさんへの手紙

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だんだんと木枯らしが冷たく肌をさすような季節になってきました。

寒くなると、子どもたちはにわかにあのことが、気になり始めます。

「あー今年はクリスマスに、なにもらおうかなー!」

オレンジと黒、つまりハロウィンであちこちが彩られはじめると、条件反射のように、次にきたるお楽しみのことを考えずにはいられなくなるのです。。。
これ、年々早まっていませんか?

今のところ、毎年滞りなく、枕元にプレゼントは届いていました。
でも、子どもたちの今年の懸念事項は、こうです。

「こんなところにも、サンタさん、来てくれるの?」

こんなところとは失礼な。来ますよ、来ます。引っ越してお家が変わろうとも、仮住まいの家で、どう見ても家に見えなくても、サンタさんは、やってきます。

半信半疑の子どもたち。

じゃあ、手紙を書けば? どちらからともなく出た提案。文字を書くのが楽しいこの頃、張り切って、手紙を書くことに賛成です。

さあ、これからが大変。

主導権を握るお姉ちゃんがお手本の手紙を書きます。妹は、それにまねて一生懸命同じように手紙を書き、欲しいプレゼントのところは自分の希望を書きます。

内容はこうです。

さんたさんへ
わたしは、〇〇くんのおうちでみた〇〇げーむ(〇〇きっちん)がほしいです。
じゅうしょをいいます。
ちばけん~~~~~
きょねんはぷれぜんとありがとうございました
くっきーおいときます

みと(さや)

きょねんのお礼をわすれない、この礼儀正しさよ。誰も教えもしないのに。

挿絵にも凝って、きれいに色をぬったサンタさんとトナカイなんかをあしらいます。

妹のさやちゃんもそれにまねて、同じような絵を描きます。

しかし、、欲しいものは日々変わります。

主導権を握るのがお姉ちゃんだから、なにかとお姉ちゃんの都合のいいようにコントロールされそうになっている妹ですが、主張の強い妹でもあるので毎日毎日、あーでもない、こーでもない、これをみーちゃんがもらって、さーちゃんがこれをもらえば、とりかえっこしても、いいな。でもさーちゃんはこれがほしい。

よし、明日は作戦会議だ!!などと言って子供部屋に閉じこもり、雑誌の付録をみては、あれが欲しい、これが欲しい。

どーちーらーにしーよーかーなー

しかもその都度手紙を書くものだから、いったい何通の、同じような手紙が増えていくことか。

ある朝。また同じような話題が浮上。そろそろ決めなよ。いい加減。今日の手紙を最後にしようよ。よーし、書こう、とお姉ちゃん。

さやちゃんは?と家族の目線がなにげなくさやちゃんに。

すると、

「さやちゃんね、
もういっぱいてがみかくのめんどくさいから(ここらへんから涙があふれてきます)
もう、なんでもいい!!!」

わーん。

今までの絶え間ない努力に疲れてしまったのか、さやちゃんはもう自暴自棄になってしまいました。

手紙書きを諦めた妹の代わりに姉が手紙を書き、それを見るとなんと自分のほしいクレーン車のおもちゃと明記しているではないか!!

これはないよー。さやちゃんぜったいクレーン車なんてほしくないと思う、って私が言うと、お姉ちゃんももうたまらずわーん。

クリスマス合戦、まだまだ先は長いです。

平和な日が、家族に訪れますように。。。。。

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山本 祐布子(やまもと・ゆうこ)

イラストレーター。切り絵作品、ドローイング作品を中心に、雑誌、装丁はもちろん広告・エディトリアル・プロダクトと、ジャンルを超えた活動を行う。ブログやインスタグラムでは、2人の娘たちの姿や、日々の小さな出来事等を綴っている。夫の蒸留家修行を見守るため、2015年にドイツ滞在。現在は千葉在住。

yukoyamamoto.jp instagram.com/funnnyup


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