連載:山本祐布子の「子どものいる風景」 山本祐布子の「子どものいる風景」 「片付けなさい」。娘の発言に、思わずドキリ!?
Vol.3 CHILDREN AS MY MIRROR
最近、娘にエプロンを作ってあげました。
お手伝いをさほどするわけではないのですが、エプロンをすればもしかして気分も盛り上がってお料理にも興味がわくかななんて、親のささやかな期待もあります。
出来上がったエプロンを喜々としてそっとつける娘。首にまずひっかけて、腰を後ろで結んで……?!
……私にそっくりじゃない!!
腰のふんわりとした感じとか、後ろ姿など、まるで自分のミニチュアのようで思わず大笑い。
陽気さも映せば、ダメな瞬間も映す鏡
最近、娘の発する言葉やすることが、ときどき私に似ていてドキッとすることがあります。
語尾に「ね」を強調する私の話しグセや、「片付けなさい」「ーーしなさい!」と諭すような言い方。「あーいらいらするーー!」「もーやだー」……、いやですねえ。
まったくもって、いけませんねえ。
ずっと大声で歌っている陽気さを映すのと同じように、こういう自分のだめな瞬間というのも、子どもはしっかりと映し出してくるのです。
子どもは私の「鏡」なのですね。
それは子どもだけではないのかもしれません。私のとりまくすべての環境が鏡になっていて、うまくいかなくて、全てが意地悪に見える時は、まわりが自分の心境を、映し出しているだけなのかもしれない。
人間関係、絵、住環境。私をとりまく全てのものが私自身を映す鏡。だからそれは、磨けば磨くほど、きっと輝いていき、さらに自分を輝かせてくれるのかもしれない。
そう思うと、背筋がぐっと正されるような気分です。身近にいる子どもたちが、気づかせてくれました。
子どもにとって、今は親が世界の全て。少なからずそう言えますね。
大きくなるにつれ、それが学校に広がり、社会に広がり、今の自分が感じたように社会そのものが「鏡」となっていくのでしょうが、今の小さな娘たちには私のすること、考えることを全て、全身で受け止めている最中。
だからこそ子どもに、きらきらとした光をたくさんむけてあげなくてはいけない。
気持ちも新たに、この一年を過ごしたいものです。
ちなみに、エプロンはいま、食べこぼし防止に役立っています(笑)