働くママのウェブマガジン

Column あの人に聞きました

保育園義務教育化・番外編古市憲寿さんの連載に、大きな反響がありました【保育園義務教育化】

2016.11.21

社会学者・古市憲寿さんの著書『保育園義務教育化』の本文を少しずつ公開していく連載企画。

これまで9回にわたり、書籍冒頭の「はじめに」から「1章『お母さん』を大事にしない国で赤ちゃんが増えるわけない」までをご紹介してきました。

連載当初から、編集部にはたくさんの声が寄せられています。あらためて、「保育園義務教育化」というテーマや「日本のお母さんたちが置かれている状況」に関心を持つ読者が多いことを感じています。

今回は、編集部に寄せられた声のなかからいくつかをご紹介します。

心の引っかかりをとってくれた、古市さんの言葉

Mother carrying her little baby girl in her arms.

―――電車にベビーカーで乗れば白い目で見られる。新幹線や飛行機で子どもが泣くと嫌がられる。仕事を頑張ると「子どもがかわいそう」と言われる。小さな子どもを預けて旅行にでも行ったものなら鬼畜扱いを受ける。「電車に乗る」ことも、「仕事を頑張る」ことも、「旅行をする」ことも、多くの人が権利だと意識することもなく、当たり前にしていることだ。それなのに、「お母さん」が同じことをすると社会の反応はまるで変わる。(書籍『保育園義務教育化』「はじめに」より)

 第一回目の記事のこの箇所を読むたびに、泣きそうになります。仕方がないと思いながら、でもずーっとモヤモヤしていた気持ちの正体がわかった気がしました。
 だれもが普通にしていることを「お母さん」がすると、とたんに後ろ指をさされるのって、やっぱりおかしい。それを古市さんに代弁してもらったようで、気持ちがラクになりました。(Mさん 2歳男児のママ)

モヤモヤしていた気持ちを、古市さんに説明されてすっきりした、という意見はとても多かったです。ある日「お母さん」になった瞬間から始まる息苦しさ。そして、お母さん自身もさまざまな思い込みから、知らず知らずのうちに自分を苦しめてしまいます。

 産後、夫は激務、親も遠方のため、かなり長い期間をひとりで娘と向き合っていました。
 完全母乳だったので、一時預かりだなんてもってのほか、そもそも(実親であろうと)子を預けるなんて「鬼畜な!」と思っていたくらい(笑)。今思えば“母乳信仰”と、「母親がそばにいなくては」という “三歳児神話”が私を息苦しくさせていたのかな、とこの連載を読んでひしひしと感じました。
 これまでの子育ては総じて楽しく、今もその気持ちは変わりません。でも反面、特に産後の一年くらいは孤独との戦いでもありました。この本を、もっと早くに読んでいたら、もう少し肩の力を抜いて子育てができていたのかな~、と思えてなりません。(Fさん 4歳女児のママ)

ウェブで少しずつ記事として読むことで、書籍とは違う良さを感じてくださったかたもいました。

 子どもは7歳。何とか無事にここまで育った、さあ誰か一人だけを表彰して感謝状を贈ってよいと言われたら。夫でもなく(ごめん)、実家の母でもなく(ほんとごめん)、ましてや自分でもなく(ちょっとは褒めたい)、断然保育園!
 子どもにとってはもちろん、初めて母になった私自身が保育園に育ててもらった。“子どもにまつわるさまざまな問題”とくくらず、ひとつずつていねいに、何が問題で、なぜ問題なのか、そして解決に向けての提案がある古市さんのこの本は、子どもが小一になって、保育園問題の渦中も火中も少し過ぎた私に、もう一度考えるきっかけをくれました。
 いろんな人に読んでもらいたいと思います。こうやって少しずつ連載をしてもらえるのはすごくうれしい! 自分自身が読むのはもちろん、身近な人に「これ読んでみて!」と送り付けています。送りつけやすいのもウェブのいいところ‼
 注釈を読んだら、ほかの出版社の本なのに? 作者のご厚意で? 掲載できることになった? すごいことです!(Tさん 7歳男児のママ)

「ママ」たちの声が多い中、男性からのコメントもありました。

 ニュースサイトからこちらにたどり着きました。本の存在は知っていましたが、古市さんと保育園の関連性がピンとこなかったので、手に取ることはありませんでした。
 記事は毎回読んでいます。日本の母親たちの状況をデータや具体例を挙げてわかりやすく解説しており、妻のイライラの原因がわかったような気がします。
 自分では育児に参加しているつもりでいましたが、そもそも周囲からの評価基準が違う、となれば、夫に対して不満を抱くのも無理はありません。早く「義務教育化」の部分が読みたくなり、思わずアマゾンで購入してしまいました。(NIさん 1歳、4歳女児のパパ)

なぜ、社会学者の古市さんが保育園についての本を書いたのか、ということも、気になる方が多いようです。
その理由は、ぜひインタビュー記事を読んでみてください。

さて、次回からは2章にはいります。なぜ古市さんは「保育園義務教育化」がいいと考えるのか、その理由がさまざまなデータをもとに語られます。

これまで以上にじっくり読んでいただくために、更新頻度は週1回とします。

連載は、まだまだ続きます。どうぞご期待ください。

[次回につづく]

連載第1回目「女性が「お母さん」になった途端に、できなくなること」

こちらも読んで!
【「お母さん」を大事にしない国で赤ちゃんが増えるわけない】
【産後の身体はガタガタなのに。お母さんを気にかけてくれない社会】
【「子どもがかわいいと思えない」。理想と現実のギャップ】
【虐待をしてしまう親に共通すること】
【将来の平均年収をUPさせる、子ども時代の4つのルール】

「保育園義務教育化」連載一覧

古市憲寿(ふるいち・のりとし)

1985年東京都生まれ。社会学者。若者の生態を的確に描出し、クールに擁護した著書『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)などで注目される。日本学術振興会「育志賞」受賞。著書『保育園義務教育化』(小学館)では、女性が置かれた理不尽な状況を描き、その解決策を示す。共著に『国家がよみがえるとき』(マガジンハウス)などがある。

この連載について
こちらの連載は、古市憲寿さんのご厚意により、書籍『保育園義務教育化』(小学館)の本文より、約8割ほどの内容を、順次Hanakoママウェブに公開していく、という企画です。古市さんの「この問題をできるだけ多くの人に、自分の問題として意識してもらいたい」という強い思いによって実現したものです。第2章からは、週に1回更新します。共感したかたはぜひ、家族や友人とシェアしてくださいね。
古市さんのインタビューはこちらから