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【プロが教える!】外貨建て保険って、メリットがないって本当ですか?
2020.09.03 by 川口 幸子 川口 幸子

連載:プロが教える!ママのためのお金のつくり方 【プロが教える!】外貨建て保険って、メリットがないって本当ですか?

ファイナンシャルプランナーとして25年のキャリアを持つ“お金のプロ”が、ママたちからよく相談されお金の悩みを取り上げ、わかりやすく解説します!


第9回 外貨建て保険って、メリットがないって本当ですか?

ママからのお悩み

年一回払いで外貨建ての保険に入っていますが、コロナによる減給もあって、支払が困難に。解約しようと思うのですが…。また、外貨建て保険ってあまりメリットがないと聞きましたが本当ですか?

お答え

商品をお金の雑誌や書籍、SNS、YouTubeなどで“デメリット”の言葉を目にすると動揺する方も多いかと思います。

全ての商品にはパンフレットや設計書、約款、契約前説明事項などが公開されています。どんな側面からその商品に加入したのかを振り返ってみましょう。何か理由があるはずです。例えば教育資金代わりや老後資金代わりなど。その理由によっては、「解約」しない方が良い場合があります。「解約」によってどんな影響があるかもみていきましょう。

支払いが困難な場合の策としては

① 「減額」お金を減らすことが可能です。
② 「払い済み」お金の支払いを止める。
③ 「解約」保険を全て辞めてしまう。

外貨建ての保険を「解約しようと思う」とのことですが、加入目的は何でしたか?

例えば、目的が「教育資金替わり」であれば、保険料を支払終えて初めて100%以上の解約返戻金になります。その後にも「積立予定利率」にて少しずつ増え続けていきます。

10年間の保険料支払いであれば、10年後に保険料を払い終えて、100%以上の積立金となります。その後も払い戻しをせず置いておけば、積立利率は通常増えていきます。溜まったお金を教育費に使うという目的が達成できます。

この場合、他に固定支出の見直しで良い方法が無いのか検討されてみて、それでも難しい場合には、①と②も検討してみましょう。

保険料支払い終わりまでの期間に「解約」は可能ですが、解約をすると元本を割ることになり損が生じますから要注意です!

現在、銀行の普通預金や定期預金などでは、ゼロ金利です。お金を貯めようと思っても、利息がほとんどつきません。ゼロ金利の場合、この先10年後も20年後もほぼお金は増えません。また、インフレになった場合には、お金の価値が目減りしている可能性もあります。

外貨建て保険は、積立利率の高さで選ばれた方が多いです。

ただし、ひとことで「外貨建て保険」といっても形としては、終身保険と養老保険などがあります。終身保険は、解約しなければ終身保険が続き、それと同時に解約返戻金も増えていく仕組みです。

養老保険とは、老後の資金として保障期間を決めます。
保障期間が満期になると、満期保険金を一括若しくは年金として受け取れます。

終身保険の中にも、①低解約払戻型と、②通常の終身保険があります。

① 低解約払戻金型の場合

保険料を払い終わるまでの解約金は低いです。支払い後の返礼率は高くなります。

② 通常の終身保険の場合

保険料支払い終えるまでの間は、低解約払戻金型よりも解約金は高いですが、支払い後の返礼率は低解約払戻金型より低いです。

解約や払い済みのタイミングは、この形によっても「いつ」が良いのかを図ることは可能です。

●外貨建て保険のメリットについて

「目的」と「期間」があっているのであれば、メリットはあります。
まず一つ目に現在の日本の金利はゼロ金利です。金利を味方につける時代ではありません。

円建ての商品は、日本の債券利回り自体が低下している影響を受けて、金利が低いのです。外貨建て保険の「積立予定利率」は高いですが、それは米国債券利回りを基準として保険会社は積立利率を決めているため円建てより積立予定利率が高めになります。

生命保険料は3つの予定率(予定死亡率・予定利率・予定事業費率)をもとに計算されていますが、この中の予定利率が外貨建ての場合高めとなります。

また、外貨建て商品は、保険会社や商品により、強み、弱み、得意分野、不得意分野が違います。その商品により、返礼率(解約した際の積立利率)も違ってきます。 積立利率が高めの会社でも、保険に回るお金や経費に回るお金が多いと、返礼率が低くなりますので、受取るお金にも影響してきます。

外貨建て保険のメリットを整理すると

① 予定積立利率が高ければ高いほど、お金の増え方が大きくなります。
② 終身保険の場合、払い終えた後も解約しなければ、お金が増えていきます。
③ ゼロ金利の世の中では、金利確定している商品で外貨建て以上の金利は少ないです。
④ 一部引き出しや、契約者貸し付けも可能です。
⑤ 円と米ドルの通貨の分散が図れます。円が暴落しても米ドル(基軸通貨)を持つことでリスクを軽減できます。
⑥ 死亡した場合、受取人は、500万円×法定相続人数=無税で受け取れます。

各社、8月から数社が予定利率を下げてきました。10月から下がることが決定している会社や商品もあります。現在加入しているものより“下がる”ので、現在お持ちの外貨建て保険があるなら、解約せずに持っておくほうが賢明だと思います。

●外貨建て保険のデメリットについて

① 保険としての役目があるために、保障に回るお金がかかります。
② 円建てであれば円で計算可能ですが、ドル建てなので米国ドル(豪ドルなど)の為替の影響をよくも悪くも受けます。
③ 払い終えるまでは、解約した場合に、通常元本を割ります。

以上の事から、外貨建て保険がメリットないのは、
“途中解約する場合”と、“解約時の為替の変化”によっては損を生じる事です。

メリットなのか、デメリットなのかは
情報に流されず、様々な側面から検討する必要がありますね。

川口 幸子

川口 幸子ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

銀行窓口・イベント会社経営、不動産売買・不動産賃貸管理等を経験しながら、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士の資格を取得。将来に向けての貯蓄をいかに殖やすか等、具体的な資産運用・保険のコンサルティングで好評を得ている。また、健康経営、相続等のセミナーや不動産セミナーなど、セミナー講師として年間約60回以上登壇し活動中。お客様は独身、主婦からスポーツ選手等、毎月約50世帯の個別相談を行っている。南カリフォルニア大学ジェロントロジー学科修了。経済学、社会学、医学、老齢学、心理学の多面的な見解から「老い」に対してアクティブ観点のアドバイスも可能。cloudconsulting.co.jp

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