連載:オーガニック子育て@ベルリン ドイツに来て気づいた日本の教育のありがたみ
海外で暮らしてみると、今まで当たり前だった暮らしを違う角度から眺めるようになるので、あらゆる面で新しい発見がいろいろとあります。特に教育は、国によっていろいろ違う、というのは子供がたくさんいるのでよく目に付きます。今日は私の主観で、日本とドイツの教育の違いについて書いてみたいと思います。
1番の違いと感じたのは、日本で基本誰でも一度は習ってできるはずだよね、っていう暮らしに役立ちそうな授業がドイツにはないことです。
勉強やディスカッションや政治についてなどの学びは深いと感じますが、料理とか裁縫とか家庭科的な授業はありません。時々みんなで料理することはあるにはありますが、献立や料理の基礎を学んだりしませんし、部活みたいなところでは裁縫などもできますが、私の知る限り普通の学校の授業では学びません。ドイツでは学びイコール学問という感じ。生活の技術というのは学びの中に入っていないという印象を受けます。
また、学校の時間も昼までと短いです。学校でお昼をたべることは基本ありません。学童に入っていないなら帰宅して食べます。つまりそれ以外の時間は、習い事などを各自で手配しなければなりません。学校外でサッカーチームに入っている子や、楽器を習う子などそれぞれ親が考えているようです。学童内で習い事ができることもありますが、部活を通して学校でなんでもできちゃうってこともありません。
また学校にプールも設置されていないのが普通。泳ぎを習うというのはある学年になったら、 課外授業でプールに出かけてやる。だから1年生から6年生までみんなが夏の体育でプールで泳ぐってことがないのです。学校のプールで毎年泳げるわけじゃないので泳げない大人も結構いるようです。
音楽の授業でもみんながとりあえず楽譜を読めるようにとか、ピアノくらいちょっと弾けるように、笛はみんな吹けるとか、日本だととりあえずみんなある程度できるよう小学校のカリキュラムに入っていると思うのですが、それもありません。
ドイツというと楽器を習っている子が多い という印象をうけますが、学校でやらないからこそ習い事でしている子が多い。ということかもしれません。
これはドイツだけでなくブラジルでもそうだったのですが、日本のように公立小学校のプログラムでも基本的な運動や音楽、料理から裁縫まで勉強だけでなく暮らしに役立つ学びを一通り学べること、そのような施設が整っていることって当たり前ではないのですね。
なので海外にきて、日本の公立の教育水準はある意味で高いのだと気が付いたのと同時に、日本の公立校に数年通っていた我が子らは、日本では当たり前すぎて褒められないようなことも称賛され鼻が高かった時期がありました。
ただ逆に学校にないからこそ泳ぎたい。楽器をやりたい。やるとなったらとことんやる。そういう「ないからこそ」というハングリー精神は海外で大きいような気がしています。