連載:オーガニック子育て@ベルリン 双子が十六歳に。節目に子育てで思うこと。
一卵性双子の息子たちが十六歳になりました。ドイツでは十六歳からビールとワインが解禁。ちょっとした子育ての節目です。
一卵性双生児だったけど自然分娩で生まれた双子、でも片方は生まれてすぐに呼吸器に問題があって新生児治療室に。そんな風にして始まった双子の子育て。既に上には4歳、2歳の娘たちを抱えて、猫の手も借りたい、尻尾でも生やしたいと本気で思うほど、てんやわんやの日々を送っていたあの頃。
全国の双子のお母さん。そしておちび育児真っ只中の皆様。本当にお疲れ様です! 一体どうやってお風呂にいれていたのだろう。一体どうやって食べさせて寝かせていたのだろう。今や思い出せません。あの頃は「今が一番いい時よ~」なんていってる先輩お母さんに、「マジか!」と思っていた私ですが、今なら言える。本当にいい時ですよ! みなさま~。(笑)
そして子育てに必死のお母さん、大丈夫です。ちょっとくらい歯を磨くのを忘れても、家が散らかりまくっていても子供はちゃんと大きくなります。インスタ映えなんてどうでもいいし、落ちたお菓子を食べても目くじらなんか立てないで。子供がちょっといたずらしてもカッとしないで見ないフリしちゃってください。それくらい抜けている方が子供ものびのび育ちます。
私も思い返せば、目が行き届かず周りの方に申し訳なかったなぁと思うようなことがたくさんありました。周りに迷惑をかけないで、っていう風潮が特に日本ではありますが、実はドイツにいるとそんな風潮はありません。広い世界に出てみれば、常識なんて変わるんですから、迷惑なんて掛け合っていいんじゃないかと思うんです。(わざとかける必要ないんですけどね) 子供が増えていくと自分ができないことってたくさんあって、人は一人で生きることができないっていうことをあらゆる面で気がつかされます。だからこそ、人への感謝を忘れないし、自分が助けてもらったからこそ、いつか自分もその恩をどこかに返していこう、ってそう思えるのだと思います。
迷惑かけないで、自分でなんとかしなくちゃって完璧にがんばって、人を許せなくなるより、迷惑かけながら必死に生きる自分を許してお互い様って言いながら、他人に感謝して恩を忘れないでいる方が優しく生きれるんじゃないかなと思ったりします。子供が生きにくい社会はきっと大人も生きにくいのだろうなぁ。
子育ては家族だけのものでなく、やはり社会のあり方も大きな影響があると思う今日この頃。社会が子供に優しいだけでなく、親にも優しくあってほしいな、とそう思うのです。