連載:オーガニック子育て@ベルリン ベルリンオーガニックスーパーのエコなシステム
ベルリン歩けばビオショップに当たる、というくらいどこにでもオーガニックスーパーマーケットが街の中に存在するベルリン。特に中心部はオーガニックではないスーパーの方が少ないのではないか? と思うほどです。
普通のスーパーにもオーガニックコーナーがあるのはもちろんですが、かなり大規模なスーパーマーケットが食品から日用品、コスメに衣類など丸ごとオーガニック製品で成り立っている、というのはなかなか圧巻です。それが日常なベルリンライフ。これはまさに快適。そんな日常があるのも、生産者とそれを買い支える消費者が多いからで、やはり我々買い手が意識的であれば、自分たちの暮らしが豊かになるという良い循環があるのだなぁと思う今日この頃。消費は投票という言葉もあるように、実際何を買うか、どう買うか、ということにシビアなのがベルリーナなのです。
さて。こちらのスーパー(オーガニック以外でも)では当たり前なのがPfand(プファンド)という仕組み。ペットボトルなどの商品はリサイクルするために回収するので、消費者が捨てないように、買う時に25セント(約30円)を徴収するシステムです。買った時にお金を余分に払い、飲み終わって店の自動返還機に返したら、そのお金が戻ってくる仕組みになっています。多くの人はそれで返金するけど、観光客などは公園に捨てていったり、道端に捨てたりします。そうなるとどうなるかというと。ホームレスの人たちがそれを集めて周り、まとめてスーパーで換金して収入にしているというのがメジャーな流れ。どちらにせよ、うまいこと循環しております。これっていいアイデアですよね。街もきれいになるし、リサイクルはするし。
オーガニックスーパーだと、基本リサイクル率が悪いペットボトルの商品は売っていないことが多いです。代わりにちょっと強めのプラスチックで、洗浄して繰り返して使えるボトルか瓶入りの飲み物があります。とにかくリサイクルできないものは店に置かない。便利と引き換えに地球を汚さない、が徹底しているベルリンのビオショップ。
野菜はどれも量り売り、パックは再生紙。紙袋かとうもろこしの繊維でできた土に還るビニール袋を使う、はどこも当たり前。
ローカルの生産者は消費者にわかりやすく表示してあり、生産者を支えやすいシステムに。どうしてこのビオ、エコシステムがベルリンはこんなに定着しているのだろう。南ドイツに比べたら決して裕福な人が多いという場所でもない、けれど需要がある、消費者が選択しているからなのかな。政治でも緑の党が強いベルリン。今やオーガニックは裕福な人の趣味ではない。生き方の現れのように思う。
オーガニック、地産地消、地球環境を意識した買い物。これは自分の健康のためだけでなく、地球全体の健康のためのチョイス。地球環境が危機的な今、消費者の私たちが毎日の買い物や暮らしで選ぶものを少し意識していくだけでもきっと何かが変わる。そういう積み重ねをあきらめず、小さな一歩、毎日の選択を続けて行きたいな、と思います。