連載:オーガニック子育て@ベルリン 怒鳴らないドイツ式子育て
ドイツに住んでからみたことがないこと。それは街中で子どもを叱りつける親をみたことがないのです。もちろん例外もあるでしょう。けれどドイツ在住6年にして一度も、お母さんがヒステリックに子どもを怒鳴る場面、叱る場面をみたことがありません。
と言っても、ベルリンには私も含め様々な国籍の人が住んでいるので、怒鳴っている人もいますが、よく聞くとそれはドイツの人じゃないのですよね。なぜだろう。そう思ってお母さんたちをちょっと観察してみました。
一つには、言語の表現の仕方の問題もあると思います。例えば日本語だと「だめでしょ!」とびっくりマークがついて叱ってしまいますが。よく聞くお母さんたちの言い方は「Ich möchte … nicht」(私はーしてほしくないとか、ーがほしくない、とかそういう否定語)を使います。
子どもが言うこと聞かない時、禁止の言葉よりもまず、この言い方が多いようです。しかも冷静にさらっという。ふむ。勉強になるけど、日本語だと言い回しがちょっと難しいかもですよね。咄嗟の時には「コラ!」の方がてっとり早くて(笑)。逆に言うと、そういう手っ取り早い言い方をしない、そういう言い方がドイツ語にない、というのもあるかもしれません(あくまで私の個人的意見と、私のレベルのドイツ語なんで間違いがあるかもしれませんが)。
そして二つ目は、ともかく説明をするから。ドイツのお母さんて叱らない、怒鳴らない。でも、すんごい説明するんですよ。時には赤ちゃんに切々と説いているお母さんとかいて笑えます、本気? って(笑)。
靴紐を結ぶときも、やり方を見せるというより、口でかなり説明する。先生の方もわからないことはどんどん口にだして赤ちゃんに質問している(笑)。その答えはどう返ってくるのだろう、といつも思うのだけど。この間1歳の赤ちゃんに「私はそれをやって欲しくないの、もう三回も言ったよね。また同じことしたら明日はおやつあげないよ」的なことを話してる。
「いや、てか。明日には絶対赤ちゃん覚えてないよね?」てか、明日のおやつは無しって意味わかんない。とか突っ込みたくなりましたが、とにかく怒鳴っていません。
感情的にならず、論理的に説明する。一見おかしく見えるところもあるのだけど、悪くはないとも思います。そういうことが子育ての中で繰り返されるうちに、子どもも怒鳴ったりしなくても気持ちを伝える方法を覚えていくのかもしれません。そう思うと、なぜ大人は怒鳴っているんだろう? ってちょっと不思議ですよね。その爆発した感情は一体どこから来ているんでしょうね。おかげで? 確かに、ドイツの大きな子どもたちはしっかり意見を言いまくります。そして自己主張かなり強いです。
幼い子に口で分からせるって、日本ではあまり意味ないように思われているし、実際そう言う部分もあると思うのだけど、感情的にならないでものを伝える方法を学ぶ、というのは勉強になりますね。