連載:オーガニック子育て@ベルリン プライベートより近所付き合い! ベルリンの暮らし
ベルリンでは近所付き合いがとっても大事。宅配の荷物は在宅でなければ、同じマンションの中の誰かに渡すというのは当たり前。いくつか建物がある住居に住んでいるのですが、どの家もほとんどカーテンをつけていなくて、プライベートは丸出しの傾向があります(笑)。 特に寝室以外、リビングやキッチンはみんなオープンで、微妙に誰が何をしているかがわかる感じで暮らしているんです。ちょっと一昔前の田舎の日本? みたいな感じでしょうか。
最初は核家族、プライベート重視の東京暮らしと比較すると、観察しあっている感じがして苦手な気がしたのですが、良い意味でみるとお互いが気をかけあっている、助け合っているということで。6年以上住んで今感じているのは、この暮らし結構いいなぁってことなんです。
もちろん、めんどくさいってこともあるけど、子供がいると周りにたくさんの目があり、いろんな近所の大人が見るともなく、見ていてくれるのは安心。
また昨年のロックダウンの時なんかは、老人が一人で住んでいる家があって、お隣さんは家族がケアに来れない分、おばあさんの買い物やお食事も手伝ってあげたりもしていました。どこにどんな人が住んでいて、今何が起こっているか微妙に感じながら、人と人とが触れ合って暮らし困ったとあらば、すかさず手を差し出すのがベルリンの近所付き合いなのです。
うちの下の人は犬を飼ってて、うちのように飼いたくても飼えない子供は一緒に遊ばせてもらって、ちょっとした犬の貸し出しもしてくれる。カーシェアならぬ、ドッグシェア(笑)!
子守の お願いだって、近所のお姉さんにちょっとお小遣いをあげて頼めてしまったり、中庭でバーベキューをやっている若者グループがいる時には、子供たちはそこでいろいろご馳走になり帰ってくる。まるで大家族気分。動物や子供に優しいのもドイツの特徴でしょうか。
中でも驚くのは、長期の旅行に行く時には親しい隣人に鍵を預けていくというスタンダード。留守中に花の水やりを頼んだり、何かあった時のために家をお願いするのです。
え? 留守中に家族以外の誰かが入るの? って最初は思ったんだけど、そういう気取らないオープンな関係が通用するのがベルリナーの暮らし。遠くの親戚より近くの他人とはまさにこのこと!
集合住宅がたくさんあるベルリン。また様々な人種や階級の人が同じ集合住宅に住む中で、お互いをいい具合にオープンにして、助け合いながら気にかけながら暮らしていくベルリンの暮らしは、人情味に溢れる日本の下町暮らしを彷彿させるのです。