
連載:オーガニック子育て@ベルリン 特技を活かして稼ぐ。早いうちからリアルに仕事を体験する、ドイツの子どもたち
この連載は……
モデルの日登美(ひとみ)さんは、ドイツ人数学者の夫とともにベルリン在住、2歳から17歳まで、6人の子どもを持つお母さん。いっぽうで、マクロビオティック料理教室や日本の伝統食を手作りするワークショップを開催するなど、マクロビオティックインストラクターとしても活躍。この連載では、ベルリンでのオーガニックライフを、食、子育て、そして暮らしを通して、綴っていきます。
夏の到来とオーガニックマーケット
春が来たと思うやいなや、夏の到来を思わせるベルリンの今日この頃。
待ちに待った、一年で最高な季節がとうとうやってきました!

この時期のベルリンは日が長いので夜は9時過ぎまで明るく、晴れが続き、気温は30℃越えと暑い日もありますが、からっとして湿気がない。
ビールがおいしく、散歩も楽しい、誰もが外に出て芝生に座り、木陰に寄り添い、お日様を存分に浴びながらくつろいでいる風景がそこここで見られて、その様子を見ているだけでも幸せな気持ちになるのです!
この時期にお勧めなのはなんといっても野外のマーケット。特に日曜日は基本全てのお店がお休みなドイツでは、週末の買い出しの為に土曜日のマーケットは大にぎわいになります。



マーケットにはオーガニックのお店も多く、地元のオーガニック農家のものも買えます。マーケットはだいたい公園の側でやっているので子ども連れの家族にもフレンドリー。
ベルリンの街中は5分も歩けば公園に当たるというくらい、街の中に公園や緑、大きな樹が残され、無料で座っていられるベンチもたくさん設置されているので、大きな街なのにとてもリラックスした感じがあります。


公園では芝生に寝転がったり、水着で日焼けをしている人、本を読む人、バーベキューをする人など、みんな思い思いに過ごしていますが、音楽を演奏している人が多いのもドイツらしいなと思います。大人だけでなく、子どももコーラスをしたり、楽器を弾いてチップを稼いだり、時にはプロも顔負けなほど素晴らしい演奏を路上で演奏しているお子さんもいて、さすがドイツの音楽レベルの高さを感じます。
フリーマーケットを開いたり、ケーキを焼いて学園祭のように売り歩いたりと、商売と遊びを一緒にしている様子もみかけます。学校のプロジェクトでやっている場合もあるようですが、自分の特技を活かして人前で発表して、それでお金を稼ぐ、というふうに、早いうちから仕事の体験をリアルにやっているのだそう。

中学生以降になると学校の授業の中でも職業体験という時間があって、一週間から二週間、授業に出るかわりに自分で見つけた仕事場で働かなくてはならない、というプロジェクトもあります。自分で仕事場に申請をしてお金をもらわずに職業をリアルに体験するのです。娘は以前保育園で一週間の仕事体験をしていました。この職業体験プロジェクトは国が決めているシステムのようです。
若いうちに自分の興味がある仕事の現場をリアルに体験し、その後の進路の参考にする。早いうちから勉強だけでなく、具体的な社会勉強や社会と自分がコミットする術を学校の大事な授業として取り入れているのはドイツの教育の面白い所かなと思います。
オーガニックマーケットから随分話がそれましたが、週末の日常風景からもそんなドイツの教育の考え方が伺えるのです。