連載:オーガニック子育て@ベルリン 整列も国歌斉唱もないドイツの卒業式。唯一、ひとりひとりがやったものは……
この連載は……
モデルの日登美(ひとみ)さんは、ドイツ人数学者の夫とともにベルリン在住、2歳から17歳まで、6人の子どもを持つお母さん。いっぽうで、マクロビオティック料理教室や日本の伝統食を手作りするワークショップを開催するなど、マクロビオティックインストラクターとしても活躍。この連載では、ベルリンでのオーガニックライフを、食、子育て、そして暮らしを通して、綴っていきます。
ドイツの小学校の卒業式
暑くなってきました。ベルリンは今年は一足お先に夏休みが始まっています。というのもドイツでは夏休みは毎年県ごとに時期をずらして始まっていて、ベルリンは今年、7月の頭には夏休みが始まったのです。
こうすることで街の混雑を避けるという理由があるとか。なかなか便利なシステムですよね。
そしてもう一つ。この時期は日本と違って特別な時期でもあるのです。というのもドイツは学年の始まりが9月なので夏休み前はすなわち学年終わりなのです。そんなわけで実はこの7月我が家の双子の男の子達は現地の小学校を卒業しました。
先日はその卒業式に列席。列席なんていうと厳粛な感じがしますがこれまたドイツの卒業式はなんとも気軽な感じがいいのです。
もちろん、ドレスコードなどありませんから、みんな好きな服を着て登校。女の子はいつもより少しおしゃれをする子もいますがそれもひとそれぞれ。
息子達の通う学校はヨーロッパ学校といって、ドイツ語の他にもう一つ他の言語を母国語とする子どもたちが通うことのできるバイリンガル学校で、いろんな国籍の子供たちが通っているため、母国の民族衣装を着て来る男の子もいたりしましたが、とにかくその辺はとても自由です。親の方ももちろん普段着。保護者会のような雰囲気で集まってきます。
式が始まっても整列もありませんし、国歌斉唱もありません。
先生が司会をして生徒達が合奏の出し物をし、そのあと一人一人名前を呼ばれて薔薇の花一輪とともに成績表を渡されます。一人一人成績表を渡された生徒はもれなく先生からの熱い抱擁を受ける。誰もが嬉しそうに固く抱き合っていたのは印象的でした。その場面が唯一卒業なんだという雰囲気が漂っていた様に思います。そのあとさらっと先生のスピーチがあって、式は終了。日本の卒業式を思い描いているとこのギャップには驚きます。
礼儀を重んじる日本のよさもあるけれど、真夏の卒業式でもあるので、「ま、卒業式ってこんなもんでいいんじゃないか?」と思ってしまいました。
国によって大事にすることが違うのでしょうが、学校の行事一つの様子をとっても日本とドイツで様々な違いを感じるものです。