連載:オーガニック子育て@ベルリン 教科書、文具、授業の進め方も。日本の小学校との違いで考えること
この連載は……
モデルの日登美(ひとみ)さんは、ドイツ人数学者の夫とともにベルリン在住、2歳から17歳まで、6人の子どもを持つお母さん。いっぽうで、マクロビオティック料理教室や日本の伝統食を手作りするワークショップを開催するなど、マクロビオティックインストラクターとしても活躍。この連載では、ベルリンでのオーガニックライフを、食、子育て、そして暮らしを通して、綴っていきます。
新学年が始まりました!
夏休み明けには新学期ではなく新学年が始まるドイツ。我が家の大きい子どもたちは、このタイミングでみんなが同じ学校に入学しました。
我が子たちはドイツ語とポルトガル語で授業を行う「ヨーロッパ学校」というところに通っていて、科目によって言語がわかれています。例えばドイツ語では数学や倫理、物理など。ポルトガル語では歴史や地理を学ぶと言った具合です。それもまた年によって違ったり、学年やクラスに寄って違ったりとフレキシブルなようです。
また特徴的なのはモンテッソーリ教育の要素を取り入れているので「フリーアルバイト」という時間があり、その時間には自分は好きな科目を自分で好きな様に学ぶことができ、先生も常時15人ほど待機しているので必要なときに自分で赴き課題を仕上げることができます。
このように自主学習の時間が設けられていたり、授業の鐘もならないので最初は戸惑うようですが、次第に自分で時間のめどを立てたり、計画を立てて自分のやりたいことに向かって動くことができるようになるようで、なにより。ぜひ頑張っていただきたい!(笑)
また、日本でのカウセリングの先生のようなものですが、こちらでは言葉の問題や宗教上の問題、人種の問題などもあるので、差別などの問題に対する特別な先生もいらっしゃいます。そういう違いのせいで学校生活が難しそうな時にはその先生がサポートしてくれる、相談に乗ってくれるというのは外国人の私達からするととてもありがたいもの。今のところはその心配もなく、どの子も楽しく通っているので安心ではありますが。
そしてこの学校はもちろん公立。特別にお金を払う必要もないので給食費だけの負担。それも収入に応じた額でよいという制度もあり、本当にドイツの教育システムは基本的に親の負担が少なく、教育のバリエーションが豊富だなと感じています。
さて、学校が始まるにあたり新学期のお買い物があるのはどこでも同じだと思いますが、そこで必ず買う物があります。それがブックカバー。
なぜならドイツでは教科書が図書の貸し出しシステムになっていて、借りた教科書を次の人も使えるように汚さず、壊さずに使う為にカバーをかけるのです。このシステムは本当にいいなぁとおもいます。だいたい1冊の教科書に5〜7名くらいのリストがあって、毎年借りた人が名前を書いて親がサインする。もし教科書を壊したら弁償するシステムになっています。だから無駄がない。もちろん、ブックカバーも昨年のものがあればそれを使えばよいのです。
文具に関していえば、デザインがシンプルでかっこよくドイツ文具は人気ではありますが、こちらでは紙やノートなど消費するものは意外と高価です。日本の様に100円均一という感じではありません。ですから子どもたちは紙を無駄遣いしないですし、消しゴムや鉛筆も高価なので(といっても一つ2〜3ユーロですが)無駄に買いません。(もしかしたら我が家だけかもしれませんが(笑))
そしてドイツでは小学生になると、基本万年筆を使うのでそれもあまり買い替える必要がない。そして基本字は消さなくていいように書く、というやり方で学んでいきますから、書いては消す、次々と新しい物を買いかえる、という作業になれているわたしたちとは文化が違う、コンセプトがちがうのだと文具一つとっても感じるものがあります。そんな色々を思いながら、今年は子どもたちみんなが新しい万年筆を購入。我が家のお気に入りはLAMMYの万年筆。手頃で書きやすく、字の太さも選べて使いやすいですね。
と、こんな様子で新学期が始まっているベルリンです。