連載:オーガニック子育て@ベルリン 保育園を転園。本場ドイツのヴァルドルフキータとは?
この連載は……
モデルの日登美(ひとみ)さんは、ドイツ人数学者の夫とともにベルリン在住、2歳から17歳まで、6人の子どもを持つお母さん。いっぽうで、マクロビオティック料理教室や日本の伝統食を手作りするワークショップを開催するなど、マクロビオティックインストラクターとしても活躍。この連載では、ベルリンでのオーガニックライフを、食、子育て、そして暮らしを通して、綴っていきます。
ご縁あってヴァルドルフキータに入園
実は最近、我が家の5歳と3歳のおちびさん達が保育園を転園しました。というのもドイツに来て三年。ご縁あってヴァルドルフキータ(シュタイナー教育の幼稚園)に入る事になったのです。シュタイナー教育といえばドイツが本場。一体どんな感じかしら?と日本、ブラジルでヴァルドルフ幼稚園、学校に上の子供たちを通わせていた私はとても興味があったのですが、今までどこにも空きがなく入るチャンスがなかったのです。ところがひょんなことから入園が決まり、やっぱりなんでもご縁なんだなぁと思っている今日この頃。
ドイツでは1歳以上の子供は日中に親が働いていなくても保育園に通えるシステムがあり、「Kita(キータ)」と呼ばれていて、日本の保育園と幼稚園を足して二で割ったような感じです。朝登園し、おやつ、昼ご飯、お昼寝をして午後から夕方までの保育という流れ。子供たちの通うヴァルドルフキータは小さいグループ、大きいグループと別れていて、保育形態はほぼ保育園のような感じです。
先ほど書いたように今ヴァルドルフ幼稚園はベルリンでとても人気。それ以外に森の幼稚園という自然育児園やモンテッソーリ教育や多言語保育園など公立でも沢山のキータの選択肢があるのもベルリンという街での育児の魅力ですが、今は子供の数が増えていて希望の園に入れない、人気の幼稚園は長いウェイティングリストが当たり前と狭き門になっています。
さて、いざヴァルドルフキータに入ってみると、建物の感じや内装、雰囲気が日本、ブラジルどこでも同じようなので「あぁ懐かしいなぁ」とほっとした気持ちになりました。国によってやや違う部分はあるものの、その場のエネルギーが同じようだ、というのは面白い発見です。それは外観からもたらされるものだけではないのだと思います。不思議ですね。さすが見えない部分を育てる教育の場、という感じがします。
また意外と違ったのは、日本でヴァルドルフ幼稚園に入るというとちょっと覚悟がいるという雰囲気ですが、ベルリンではもっと気楽で敷居が低い感じだということです。ヴァルドルフ教育は自然な子育てや芸術感覚を伸ばすという風に理解されているようで特にアーティストや自然な子育てを望む若い親御さんたちにも人気だとか。ルールに厳しいドイツなはずなのに、格式張ってない、ゆるーい感じなのには嬉しい驚き。とはいえ、それもまたそれぞれの園や学校や先生などその場を作り上げる人によって変わってくるのかもしれませんが。
我が家ではこの水彩が皆大好き。
ベルリンという場所柄、集まる家族がインターナショナルで世代や国籍が様々であるのもヴァルドルフに限らず教育の特徴だと言えるでしょう。多様性の中でいろいろと衝突はありますが、緩やかに認めあい解決していくというのはこちらにきて私が学んだ事の一つ。シュタイナー教育のような個性的な思想を持っている場ほどそのような多様性が求められる。だからこそ特殊な教育なのに敷居が低く感じるほど普通でオープンなのかもしれませんね。
さて、まだ始まったばかりのベルリンでのヴァルドルフ保育園ライフ。また別の機会に幼稚園の様子や内容もこちらでお伝えしますね。