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Column オーガニック子育て@ベルリン

人前で自分の意見をはっきり述べることが大切!ドイツでの教育方法【日登美のオーガニック子育て@ベルリン】

2019.07.10

この連載は……

モデルの日登美(ひとみ)さんは、ドイツ人数学者の夫とともにベルリン在住、2歳から17歳まで、6人の子どもを持つお母さん。いっぽうで、マクロビオティック料理教室や日本の伝統食を手作りするワークショップを開催するなど、マクロビオティックインストラクターとしても活躍。この連載では、ベルリンでのオーガニックライフを、食、子育て、そして暮らしを通して、綴っていきます。


ドイツの教育

ベルリンはすっかり夏休みになりました。ドイツでは夏休みの前までが学年末。夏休み明けにはみんな大きくなって一学年上のクラスになるのです。
学年末と言えばやはり成績表。我が家の子供たちも貰ってきましたよ。
よく海外では成績がテストの点だけで決まらないとか申しますが、ほんとにその通り。子供たちの成績は大きなテスト、小テストだけでなく、日々の発表、そしてなによりもプレゼンテーションのできばえに重点を置かれているようです。

人前で自分の意見をはっきりと述べる事。自分で調べて、疑問点や興味の有る点を深め発表出来る形にまとめていくこと。そういうことがどの教科でも課題として出されている様に思います。中でもそのプレゼン力を発揮するのが「プラカート」と呼ばれるポスターでの発表。日本でいうところの新聞のような、チラシのようなものでしょうか。例えば英語の授業では一つのテーマに沿って調べて書く、デザインや絵も盛り込んで評価の対象になる。それを最後にみんなの前で英語で発表し質疑応答を受ける。と中学1年生でもなかなか難しいことをやっていました。我が子達は公立の普通の学校ですから英語に特化しているわけではありません。ですが調べた内容を英語で発表しなければならないって大変ですよね。そんな感じで母国語でなくても、人前で話すということ、意見を述べることが重要視されています。

プラカート
上の子が小学生のときのプラカート。自分で調べて発表します。
自主学習
我が子の通うモンテッソーリ教育ベースの中学校。自主学習の時間が普通より多いようです。

では幼稚園や保育園はどうか、というと。先日3年ほど通った保育園を転園したばかりの我が家の5歳と3歳のおちびさん。以前通っていた保育園ではたびたび先生と子供の育ちについて面談がありました。そのときに印象的だったのは「いやだ」とはっきり言える様になること、「自分の気持ちを相手にはっきり言えるようになる」ということが一つの成長の目標になっているようだ、ということでした。なので他の子と喧嘩をしたり、物をとったりとられたり、というような子供の間で起こる些細な出来事でも、「人の物をとる」とか「喧嘩をする」ということを問題視するよりも、やられてばかりで「嫌だ」といえないことの方が問題だ、という感じなのです。そしてそういう細々したことをとにかく子供にも説明してる。それがすごく印象的でした。

転園
転園する前にいただいた保育の記録。大事な思い出写真と共に成長の記録をしてくださっていました。

またドイツの保育園では何かを教える時に「まだ子供だから」という雰囲気が感じられません。小さい子にも切々と言葉で説明している。そういう積み重ねでしょうか、確かに子供たちは思っていることをどんどん人に伝えます。良い事でも悪い事でも(笑)周りの大人をみてみても、言われて黙っているような人はあまりみかけません。日本ではむやみに気持ちを発言しないことが美徳とされている所もありますが、ドイツではそれは通用しないというのを日々の暮らしでも良く感じます。

記録
ベルリンから出すよう推奨されている保育記録には、思い出だけでなく、言語の発達段階、社交性、知能技術など成長に必要な記録もしっかりと記載。

そしてそういうベースは既に保育園の教育からも培われているようで、その延長戦上に小学校、中学校などの学科でのプレゼンテーションという部分にもつながっていくのかもしれないな、と思います。また誰もが自分の意見を言う事が当たり前なので、どんな発言も取りあえず受け入れてもらえるという土台がもともと文化の中にあるのも、発言しやすさのひとつかもしれません。そういう環境の中で自分の意見を伝えるという能力も身に付いていくのかな、と思うと学ぶということは子供一人の努力だけでなく、文化や教育制度、社会の雰囲気全てが関わっているんじゃないかなと思う今日この頃です。

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日登美(ひとみ)

10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後4人の子供を授かり自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍を多数出版。食についてもクシマクロビオティックアドバイザー修了後よりマクロビオティック料理を教え始め、オーガニックな家庭料理を提案したレシピ本を出版する。2013年ドイツ人数学者と再婚しブラジルを経てドイツ、ベルリンに移住。ベルリンではドイツ発祥の自然療法である国際ヒルデガルト協会認定ホリスティック医療コース修了しヒルデガルドヘルスケアドバイザーを取得。現在はオーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに台所からの食と暮らしと子育てのWSなど行っている。三男三女6児の母でもある。


instagram:https://www.instagram.com/hitomiskuche/

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