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Column オーガニック子育て@ベルリン

子どもたちの自立力が身につく!ドイツ学校の移動教室【日登美のオーガニック子育て@ベルリン】

2019.09.10

この連載は……

モデルの日登美(ひとみ)さんは、ドイツ人数学者の夫とともにベルリン在住、2歳から17歳まで、6人の子どもを持つお母さん。いっぽうで、マクロビオティック料理教室や日本の伝統食を手作りするワークショップを開催するなど、マクロビオティックインストラクターとしても活躍。この連載では、ベルリンでのオーガニックライフを、食、子育て、そして暮らしを通して、綴っていきます。


大きな子供たちの移動教室

先日八年生、十年生の大きな子供たちが学校の移動教室に行ってきました。3人の子供が1週間いなかったので我が家の子供はチビ二人だけ。つかの間の静けさを楽しんだものの子供たちが帰ってくるなり移動教室での話を始めてそれはそれは大爆笑したのです。

というのも、まずだいたい旅行に出発する前から笑えます。
持ち物とか親の力量を試しているかと思うほどアバウトな設定。肝心なのは集合場所と時間という感じで、万一遅れた場合置いていかれることも本当にある、というほど以外にもスパルタ。ちなみに我が夫は中学生の時に5分集合時間に遅れて置いていかれた経験あり(笑)夫いわく、「ほ んとに置いていかれるんだから、なめたらあかん、ドイツの学校」だそうで。それが功を奏してか、子供らの緊張ぶりも半端なく、目覚ましできっちり起きてくるし、やっぱり置いていかれるのはいやだよね、ってことでドイツの心理作戦は教育の現場でも活きているのだと実感したのでありました。

また知らないとびっくりする意外なマストアイテムがベッドカバーにシーツ、もしくは寝袋の類。
日本のお宿の人がふっかふかのお布団を敷いてくださっている修学旅行しかしらない私たちには驚きの事実ですが、宿泊先もやはりエコ大国ドイツですから、シーツは自分で持っていくのです。洗濯物少なくてすむもんね。持っていかないときはお金払う。で、それは意外と安くて4ユーロとかだけど、やっぱり払いたくないからみんなだいたい持ってきます。その辺かなり堅実なドイツの家庭。

今回はその上にさらに驚くべきことが。十年生の子供らのご飯は夕飯しかなく、昼と朝は自分らで調達しなさいってことだったそうです。このだったそうですってあたり、私が父母会できちんと話を聞いていない証拠かと思われますが、それくらいアバウトでも子供達はその場で危機をしのいで行きますから大丈夫です。場数を踏むほど子供は臨機応変に活きていく力がつくものですね、なんていうと子供に叱られそうですが!ちなみに何を食べたのか、作ったのかと聞いたら、その辺でパスタを買ってトマトソースをあっためて激まずいパスタを食べたりしたそうで。いいダイエットになったと娘は喜んでいました。ナイスポジティブシンキング!けどそういう経験から料理に目覚めてくれたらいいな、なんて思ったりもしますね。そう思うと、オーガナイズ不足の旅行自体が実はドイツ政府の教育における策略ではないかと思えたりもします。足りないなら自分でなんとかしなさい的な。自立力をつけるにはもってこいかもしれません。

台所
八年生のクラス旅行の部屋にはまるで独身寮の様に台所が。ここで自分らでご飯用意したらしい。

さて、そんなはちゃめちゃなオーガナイズの旅行から帰ってきた子供たち、話を聞けば4時間カヌーで漕ぎまくりとか、自転車20キロの旅とか、毎日のアクティビティが修行のよう。もちろん夜は寝ないから朝まで生トークで1週間。全身筋肉痛と寝不足で帰宅した子供達は即爆睡でした。しかも十年生ともなると、この国では16歳からタバコもお酒(ビールとワイン)は解禁ですから、一応持ってきちゃダメよってことになっているけど、その辺にワインの瓶が転がっているわけで。宿を抜け出してビーチで夜更かしして先生が警察に呼び出されたりなんてこともあったよう。

爆睡
クラス旅行の帰りの電車、疲れ切って寝てる子供ら。

こんな話をするとどれだけやばい学校なんだ?と思ってしまいますが、こちらではこんなの結構普通。(ですよね?ドイツ在住のみなさん?)お酒とかタバコとか年齢制限が低いから学校の休み時間でもタバコを吸っている子供もいますし、実は金八先生とはちょっと雰囲気が違うのです。
その辺は自由にさせておきながら、時間に来なかったら置いていかれたり、ドイツの教育は日本のそれとは随分違うのだなぁと今回改めて実感。

基本的には子供たちがラグジュアリーな環境に置かれることはなく、むしろシャワー三日くらい入らずにパンをかじりながら山ぐらい登れる子供が育ちそうなシステムで教育されているのがドイツの学校。自己責任のプレッシャーは高いが、個人の自由は尊重する。
まぁ、それも悪くないな、と思っている在ドイツ四年目の私です。

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日登美(ひとみ)

10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後4人の子供を授かり自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍を多数出版。食についてもクシマクロビオティックアドバイザー修了後よりマクロビオティック料理を教え始め、オーガニックな家庭料理を提案したレシピ本を出版する。2013年ドイツ人数学者と再婚しブラジルを経てドイツ、ベルリンに移住。ベルリンではドイツ発祥の自然療法である国際ヒルデガルト協会認定ホリスティック医療コース修了しヒルデガルドヘルスケアドバイザーを取得。現在はオーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに台所からの食と暮らしと子育てのWSなど行っている。三男三女6児の母でもある。


instagram:https://www.instagram.com/hitomiskuche/

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