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Column オーガニック子育て@ベルリン

親が白熱している?ベルリンの学校教育【日登美のオーガニック子育て@ベルリン】

2019.10.10

この連載は……

モデルの日登美(ひとみ)さんは、ドイツ人数学者の夫とともにベルリン在住、2歳から17歳まで、6人の子どもを持つお母さん。いっぽうで、マクロビオティック料理教室や日本の伝統食を手作りするワークショップを開催するなど、マクロビオティックインストラクターとしても活躍。この連載では、ベルリンでのオーガニックライフを、食、子育て、そして暮らしを通して、綴っていきます。


ベルリンの学校

どうしよう!どうなるの?来年度小学校一年生になる息子の学校の申し込み、ベルリンの新入学戦線真っ只中で格闘しておりました。

すでに願書は出しているのだけど、我が子的に多分、地元の学校でもいいし、プライベートでもいい。どれでもいいならいいじゃん?って思うところだけど、それがまた悩ましい。何が子供にとっていいのか、っていうのが上の子供の頃よりもうんと複雑になってきているからかもしれないなぁと思いつつ、もちろん変わらない我が家、私の教育方針てのはあるのだけど、それをどこまで守るかってのも今までとは違ってきてる。いやはや子育て歴ほぼ二十年なくせにまだまだ悩ましいことだらけです。

しかもね、ベルリンの学校。公立も場所によっては競争率が高くてですね、ほんとにお受験戦争みたくなってるんです。まさかここにきて自分がお受験ママになるとは!いや、お受験してるわけでもないですけど、雰囲気はそんな感じ。学校選びってやつが白熱してるんです。公立一つとっても、地域によってそのレベルがすごく違って、私のエリアはとても良いエリアではあるのだけど、(地域によってはドイツなのに90パーセント以上が母国語がドイツ語でないという学校もあるのだとか)やはり学校によってかなりカラーが違う。私は指定されているところから変更願いを出してはいるのだけど、これがまた、めちゃくちゃな競争率でどの学校に変えてもらえるか、もしくは変えてもらえないのかもわからない。受験なら点数とか手応えとかなんかあるけど、何を基準に選ばれたり落とされるのか役場しかわからないからなんか受験よりタチ悪いような気が(笑)

そんなわけでここ最近、希望校提出期限の10月頭にかけてはどの学校もオープンデーをやっていて、たくさんの親が訪れていました。どの学校も色々な特徴をアピールして面白いけど、魅力的なところは立ち見御免って感じですごい賑わい。英語に力を入れてるとか、数学です!とか、コンピューターだ!とかアートですとか。学童も無料で、部活も色々あるよとか、もう何が本当にいいのやら。まるで深夜の通販みたいになんだかいいことを並べてくるもんで、困ってしまう。その上親も真剣で説明会は質問ぜめ。希望者の多い学校などはもう大変な熱気なのです。そんななか一生懸命資料に目を通し、亀の歩みでドイツ語説明に必死でついて行く私。。。我が家はずっとシュタイナー教育で育てているけれど、逆にずっとシュタイナー教育で育ててきたので、その良い点もそうでない点も見えている分以前とはまた違う角度から子育てを見ている部分もあるし、一言にシュタイナーといっても、シュタイナーならオールオッケーってわけではないのは当たり前だけど、以前と比べて検討したい点がたくさんでている。それでももちろんシュタイナー教育の良いところは相変わらずで、だからこそ悩む。また子供によって向いている、向いていないというのもあるのでその辺の見極めが以前よりもうんと難しくなっているのも悩ましい原因の一つです。

学校
こちら、そこまで人気ではない学校ですがのどかでよい雰囲気。
それでも説明会開始すると教室は人で溢れてました。

というわけでプライベートといっても教育法はモンテッソーリからシュタイナー、学力に力を入れるところ、フリースクールのようなところ、バイリンガルなどなど、選ぶ幅も広い。

またベルリンに住んでいると、とにかくインターナショナルなので、母国語以外に別の言葉を話す子も少なくない。我が家のようにハーフの子供も多いからというのもあるかもしれないけれど、英語を一年生から強化していますっていうところも公立でも多くなってる。あまりに悩んで上の子供たちに「ねぇ、ユニオの学校どうしようか悩んでるんだけど、やっぱシュタイナーにしようかなぁ、それとも公立でもいいと思う?」とか聞いてみたりして。すると意外にも子供らが、「えーユニオは日本語とドイツ語しか話さないんだから英語の学校に入れたら?」とか言われる始末!日本語、ドイツ語、ポルトガル語と3ヶ国語で暮らしてる上の子供たちは今や学校では英語もできないといけないんで、英語を早い時期から学んでる友達のスムーズさが羨ましいらしい。だから弟には早いうちに英語もやらせたいと(笑)君たちは教育ママか!って突っ込みたくなりましたが、なるほど、そういう考え方もあるのだな、と。それでまた悩むわけです。うーん。。。

教育って何が一体大事でしょうね?て根本的な問題に突っ込みたくなったりもして。確かにシュタイナー教育のような見えない世界からも人間を捉えていく教育も大事だし、一般社会での知識量ってのも必要になる。どの時期に何をどれくらい勉強する必要があるのかってのは時代の欲求でも変わってしまうし、子供によっても違う。家族のあり方や環境でも必要な教育って違ってくるしねぇ。で、最終的に学校選びって親のこだわりなのか、それとも子供にとっていいことを見つけるのは親の仕事なのか、とかね。そういうことも考えたりして。

ともあれ、ベルリンでの様子を見る限りでは多くの親御さんは我が子に人よりも抜きん出た才能を身につけさせたい、学力を身につけさせたい、という期待が大きいように感じました。何か特別にさせたい。特別な環境で育てたいというか。だからこそ親が白熱してる。きっとそうでないとこの社会で生き残れない、そういう不安もあるのかな、って気もしたのです。

結局わたしも散々説明会に行き、悩み、まだまだどうなるかわからないんだけど、どれだけ計画したってなるようになる、無理が通れば通りが引っ込む、なんだから自然な流れにまかせよう!という心境に辿りつきました。

それにしたって知らなかったなぁ、ベルリンの学校事情。子供の学校教育に対する期待と競争。
こんなに激しかったとは!のほほんととりあえず学校に通ってればいいよね、なんて時代は過ぎてしまったようですね。と激動のベルリンで思うのでありました。

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日登美(ひとみ)

10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後4人の子供を授かり自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍を多数出版。食についてもクシマクロビオティックアドバイザー修了後よりマクロビオティック料理を教え始め、オーガニックな家庭料理を提案したレシピ本を出版する。2013年ドイツ人数学者と再婚しブラジルを経てドイツ、ベルリンに移住。ベルリンではドイツ発祥の自然療法である国際ヒルデガルト協会認定ホリスティック医療コース修了しヒルデガルドヘルスケアドバイザーを取得。現在はオーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに台所からの食と暮らしと子育てのWSなど行っている。三男三女6児の母でもある。


instagram:https://www.instagram.com/hitomiskuche/

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