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Column オーガニック子育て@ベルリン

ドイツの定番のお夕飯・カルトエッセンは、忙しいママの大きな味方!【日登美のオーガニック子育て@ベルリン】

2019.10.27

この連載は……

モデルの日登美(ひとみ)さんは、ドイツ人数学者の夫とともにベルリン在住、2歳から17歳まで、6人の子どもを持つお母さん。いっぽうで、マクロビオティック料理教室や日本の伝統食を手作りするワークショップを開催するなど、マクロビオティックインストラクターとしても活躍。この連載では、ベルリンでのオーガニックライフを、食、子育て、そして暮らしを通して、綴っていきます。


カルトエッセン

カルトエッセンでご存知ですか?ドイツの定番のお夕飯はカルトエッセンと言われています。

一般的に朝ごはんはベッカライ(パン屋さん)で買ってきたパンとジャムなど甘いものかミュースリーなどのシリアルとヨーグルトなどを食べ、暖かいスープやパスタ、ラザニアなど料理されたものが出てくるのは昼ごはん。夜は料理せず、昼の残り物を食べるか、パンにサラミやハム、チーズなどをたべてすませるのがいわゆるカルトエッセン(冷たいご飯)と言われるものです。

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ドイツに来た当初は、冬の寒い家路に家々からおでんの香りやカレーの匂いのする日本の家庭の姿の思い出と照らし合せて、夜ご飯に残り物?しかも料理されてない、買ってきたパンにチーズ?ドイツ人よ可哀想に。とよく思ったものでした。匂いのない風景というのはなんだか殺風景なものだなぁと。

ところがどっこい。ベルリンに来て四年。カルトエッセンをかなり見直しています。それは食事自体のよさもさることながら、私の場合このシステムのよさも見直しているのです。 というのも、特に私の場合子育てに忙しく、日本の一般家庭のように素晴らしいお夕飯を毎日作るというハードルが年々高くなっておりましてですね。基本的に夕飯は一鍋でことが足りるようなメニューが中心なのですが、それすら間に合わない!という時など、このカルトエッセンてのは本当に便利なんです。

しかも日本でいうなら買ってきたお惣菜を食べる、というと添加物も気になるし、ご飯だけは炊くか、ってということになるのかもしれませんが、ドイツでは基本主食のパンは買ってくるもの。お気に入りのパン屋さんを見つけて好きなパンを買っておけばいつでも素敵な我が家の味が楽しめます。そしてチーズやハムなどもオーガニックや、地元で作られた質が良くとても美味しいシンプルで新鮮な食材が揃っている。自宅で料理しなくてもすでにある意味できちんと料理されているものを買うことができるのでカルトエッセンという名前や印象とはうらはらに、意外とイケてる夕飯が成り立ったりします。

日本でいうなら、ご飯と新鮮な刺身的な夕飯になるでしょうか? このカルトエッセン、美味しいパンに美味しいハムとチーズ、それに適当にサラダ、なければピクルスも充実しているから買ってきたらいい。全てオーガニックで簡単に手に入るし、これにワインなんかあったらもう素敵なお家ディナーじゃないかぁ。ってなわけです。

確かに暖かい料理からやってくる湯気と匂いはないけれど、その土地で作られた美味しいものが揃っているのがカルトエッセンでもある。これはドイツに来た当初想像していたのとは随分様子が違って驚いたことの一つでもあり、実際に暮らしてみてわかる良さだなぁという風に思っています。 また、このシステム美味しいだけでなく、とっても便利。

私のように夕飯が間に合わない!という時のピンチヒッターという便利さもありますが、そうでなくても週に一回くらいはカルトエッセンときめておいて最初から料理をしない時間を作ってしまうと、あら不思議。時間に余裕が生まれとても有意義な時間を子供達と過ごすことができるのです。

ご飯を作らない代わりに、子供と一緒にホードゲームしたりね。自分が本を読む時間もできたりして、美味しいご飯を作る代わりに子供といい時間を過ごすことができるのもとってもいいものです。

実際、ドイツのお母さんたちと保育園お迎え後に子供達を公園で遊ばせたりするのですが、その時すでにその場でパンを買って食べさせて夕飯終了~ってことも多々あります。

夏の夕暮れの公園なんて保育園帰りの親でごった返して、みんなパンにサラミやピクルスをつまんでピクニック気分で夕飯を公園で済ませる、なんてのもざら。「え?お夕飯、そんなんで良いの?」と思ってしまうくらい、スナック感覚で夕飯をすませてる。

夕飯イコールメインイベント、という日本の習慣からすると肩透かしにあうくらいさらっとしている。また夕飯作らなきゃ、と時間を気にして家に帰るというストレスがなく、「まぁ帰ってパンでもかじればいいじゃない」という余裕があるように見えるのは私だけかしら(笑)そう、つまりカルトエッセンがもたらす時間的余裕、その恩恵は思った以上なのです。さすが合理的思考ドイツのカルトエッセン。

食べてよし、サボってよし。これは忙しいママの大きな味方ですね。

ご飯を作って食べさせる、はお母さんの仕事の大事な一つであります。けれど時々作らないでいい日を作ってみるとどれだけ自分がそこに時間を費やし、それによって時にはストレスを抱え、焦ったり急いだり見失ったりしていることがあるのだろう、ということに気がつきます。

作ってあげたい、食べさせたい、という気持ちは素敵だけど気がつかないうちにいつものルーティーンの中でアップアップしていることもあるのだと手を休めてみて気がつくこともあるのです。 これは一つの強制リセット。

カルトエッセンというお休みをしてみることで、日頃のルーティーンから抜け出し、自分を見直す。

ふっと湧いてきた時間の余裕の中でいつもと違うことをしたり、気づいたり、思ったり。そういう意味でもカルトエッセンはとても有意義。いまでは我が家の大事な食習慣の一つになっています。

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日登美(ひとみ)

10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後4人の子供を授かり自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍を多数出版。食についてもクシマクロビオティックアドバイザー修了後よりマクロビオティック料理を教え始め、オーガニックな家庭料理を提案したレシピ本を出版する。2013年ドイツ人数学者と再婚しブラジルを経てドイツ、ベルリンに移住。ベルリンではドイツ発祥の自然療法である国際ヒルデガルト協会認定ホリスティック医療コース修了しヒルデガルドヘルスケアドバイザーを取得。現在はオーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに台所からの食と暮らしと子育てのWSなど行っている。三男三女6児の母でもある。


instagram:https://www.instagram.com/hitomiskuche/

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