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Column オーガニック子育て@ベルリン

子育てママにやさしいベルリンライフ【日登美のオーガニック子育て@ベルリン】

2019.11.10

この連載は……

モデルの日登美(ひとみ)さんは、ドイツ人数学者の夫とともにベルリン在住、2歳から17歳まで、6人の子どもを持つお母さん。いっぽうで、マクロビオティック料理教室や日本の伝統食を手作りするワークショップを開催するなど、マクロビオティックインストラクターとしても活躍。この連載では、ベルリンでのオーガニックライフを、食、子育て、そして暮らしを通して、綴っていきます。


東京とは違ったベルリンの子育て

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子供がのびのび育つには親ものびのびできる社会が大事だなと感じる今日この頃!

ベルリンに住んで四年。年々人口も増え、以前よりは犯罪も増えたとか長く住む方に教えていただきますけれど、それでも私の知る限り、子連れにはとっても優しい街だと思います。そういえば以前住んでいたブラジルもそうだったかもしれません。異国に住んでの不便さというのはそれでもやはりあるのですが、子沢山の私には子連れに優しい街、というだけでその不便さも吹き飛ばされるほどほっとしたものです。

例えばブラジルでは銀行やスーパーでも優先という場所が必ずあって、小さな子供、妊婦、赤ちゃん連れの人はどんなに混んでいても先にやってもらえる列があります。とにかくどこでも長蛇の列ができているブラジル社会において、この優先はほんとに助かった。しかも赤ちゃんがいたり、子連れをみると周りから声をかけてくれて「あっちにいって早くやってもらいなよ」とか言ってくれます。こういう些細なことでどれだけ日常生活が安らいだことか。ここベルリンでは、ほんと毎朝のように「ありがたいなぁ。。」と思う日々。いや、マジで。とにかくベビーカーが重くて大きいドイツ。双子用とかもがんがん走っています。こんな大きなのどうするのかなぁってきた当初は思っていたのです。大体はエスカレーターとかついているから自分でなんとかするのかなと。私はなんでも自分でなんとかしないといけないと子育てを自分の責任で背負う習慣があったのでとても気になっていたのです。ところが、困った時に!ではなくて、困ってなくても必ず誰かが救いの手を差し伸べてくれる、それがベルリンでの子育てなのです。

ベビーカーを持っているときはドアが開けば「助けましょうか?」と9割方言ってくれます。何も言わなくても一緒に持ち上げてくれたりもします。また、混んでる電車にベビーカーで乗り込まなくてはならない時に申し訳ないなぁという気持ちで挑んでいたところ、「ベビーカーが乗るんだから場所をあけてよ!」とか言ってくれます。みんながみんな子供の味方、子供のいる人の味方という感じなのです。犬が吠えてるとどうした?って怪訝な顔をするのに(というのもドイツの犬はとても躾が行き届いていて、公共の場で吠えたり暴れていることが皆無なのです、これまたドイツ七不思議なのですが!)、子供が泣いててぐずってても基本的にだれも怪訝な顔をしない(笑)そういうのってほんと子供のいる親にはすごい精神的なサポートになりますね。私のように外人でもそういう風に接してくれるのは異国にいてさらにありがたい。以前別のところでもシェアしたことがあるのですが、まだ末娘が生まれたばかりの時に、子供3人くらい連れて赤ちゃんと一緒にスーパーで買い物をしていて、なぜかカードが使えず困ったことがありました。後ろには長蛇の列。すでにレジ打ちしたものは自分の買い物袋に収めてしまっている。子供は買ったものを食べたがる。でもお金ないし返品しますって言った時のことでした。私の後ろにいた紳士が「君には子供がいる。この子たちに必要なんだから僕が払うよ。」といってほんとに私の分の支払いも一緒にしてくださったことがあったのです。これはベルリンが子育てに優しいというだけでなくこの方のお人柄も大いにあると思うのですが、とにかく大変だ、困った、と言った時にまるで天使のようにどこからともなく救いの手がやってくる(笑)。それが 私の中でベルリン子育てなのです。そして私の見る限り、私の周りにいるママ友も助け合い、助けられ電車の中で、街の中で、たくさんのママが当たり前に子供がいる暮らしを助けてもらいながら子育てをしています。

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オーガニックスーパーで。10歳以下の子はりんごをどうぞ。と。買い物中に助かるお母さんも多いはず!

もちろん家庭 の責任、親の責任というのは大事でしょう。けれど子は社会の未来。子は社会全体で育てるものという意識をベルリンにいると感じるのです。

また 我が家はス テップファミリーでもあり、上の4人の子供は夫の子供ではありません。それで以前夫の両親や夫と子供について話したことがあるのですが、みんなの意見は「誰の子供とか、日本人の子供とかそういうことを考えたことはない。子供は子供だからみんな大切に守られて育つべきだから。みんな僕たちの大事な子供なんだよ。」ということでした。もちろん、そんな風に言葉にしなくても、今までずっと本当にそのように接してくれて態度 をみていれば何を思っているのかわかりますが、はっきりと言葉してくれたことで新たな 発見があったように思います。

これもドイツ人だからとかそういう話ではないかもしれませんが、それでもどこかドイツという国にはこういう大事にすべきものを大事にできる精神があるように思えてならないのです。そして親の責任を問うよりも、子供という存在 に注目 して、そのために人として何をすべきか何ができるか、というあり方は私には新鮮 で、若者もそのような態度の人が多いのに特に驚きます。

私の主観ではありますが、ベルリンに住んでいると子育てもしかり、難民問題もしかりですが弱きものを守る精神があると感じます。それは人間としての権利 、尊厳を尊重するということにも通じます。そしてそれによる感謝の循環がよりよい方向へ繋がって行っているように思えてなりません。

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日登美(ひとみ)

10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後4人の子供を授かり自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍を多数出版。食についてもクシマクロビオティックアドバイザー修了後よりマクロビオティック料理を教え始め、オーガニックな家庭料理を提案したレシピ本を出版する。2013年ドイツ人数学者と再婚しブラジルを経てドイツ、ベルリンに移住。ベルリンではドイツ発祥の自然療法である国際ヒルデガルト協会認定ホリスティック医療コース修了しヒルデガルドヘルスケアドバイザーを取得。現在はオーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに台所からの食と暮らしと子育てのWSなど行っている。三男三女6児の母でもある。


instagram:https://www.instagram.com/hitomiskuche/

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