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Column オーガニック子育て@ベルリン

自粛緩和後に7号食断食やりました。 ~体験レポート後編~【日登美のオーガニック子育て@ベルリン】

2020.06.20

この連載は……

モデルの日登美(ひとみ)さんは、ドイツ人数学者の夫とともにベルリン在住、4歳から19歳まで、6人の子どもを持つお母さん。いっぽうで、マクロビオティック料理教室や日本の伝統食を手作りするワークショップを開催するなど、マクロビオティックインストラクターとしても活躍。この連載では、ベルリンでのオーガニックライフを、食、子育て、そして暮らしを通して、綴っていきます。


前回のレポートでは、7号食断食のやり方と10日間の間の体の変化についてお話しました。 今回は7号食の特徴でもある「200回噛む」を通しての発見と、回復食を含めた全行程についてお話ししようと思います。

噛むことがこの断食の肝と言いましたが、それにはわけがあります。私の個人的な意見もありますが、体と心の面からご紹介します。

まずは体の面。よく噛むことで内臓の消化負担が軽減されるので、消化に使っていたエネルギーを別のことに使えるようになります。消化が楽になると内臓も元気になるのでしょう。体が軽くなったり、排泄がスムーズになったり、睡眠の質が上がったりします。体温が上がるなどの報告もあるようです。

次に心の面。噛むということは意外と私たちが無意識にやっています。これは呼吸と同じです。必要ではあるけれど、普段意識していることはあまりないのではないでしょうか。ヨガが、呼吸を動作と連動させてコントロールすることで心身の浄化を促し、特には感情の波を傍観する術となることは知られています。呼吸と感情にはつながりがあるからです。

この断食において、噛む回数を決めて飲み込むことで、コントロールしているのは食欲を通した自分の中の欲ではないかと感じるようになりました。

口いれたものを食べたい、飲み込みたいという欲求を噛む回数を定め、飲み込むタイミングをコントロールする。そのとき自分の食欲や衝動を自分がコントロールすることになります。暴走しようとする欲求をまるで数珠を数えながらお経を読むように、噛むことに集中するやり方はほ ぼ瞑想の域では?! と感じました。

噛む、噛む、かむ、神(かむ)?! 勝手に私が思ったことですが、噛むことを通して神とつながる。神聖さに触れたような気すらします。日本語の言霊を意識してのことですが、あながち嘘ではないかもしれません。

欲と言うと悪い意味で捉えがちですが、生きる上で必要不可欠な欲求もあります。けれどその節度が問題です。節度を守ることは、自他共に心地よく生きるためにとても大切なことです。

ヨーロッパ薬草楽の祖、ヒルデガルトもその独自の断食メソッドの中で健康の為に繰り返し唱えているのが、「適切な度合いを保つこと」。どんなことも過激にならず中庸を目指すとも取れるそのメソッドは、日本で生まれたマクロビオティックのメソッドにも当てはまります。その節度を自分なりに見つける。足るを知るという感覚を大切にする。神というと語弊があるかもしれませんが、一人一人の持つ神聖さというものに欲を通して触れる。それは言わば、誰もが本来備え持っている生きる上での調和、バランスという感覚を思い出すということではないかと思うのです。そのことを私は噛むことを通して学んだように思っています。

子供の頃に親から「よく噛んで食べなさいね」と言われた人は多いのではないでしょうか?  それは単に消化だけの話だったのか、それとももっと深い意味があったのか。昔から広く言われ続けていることには何か特別な意味があるようにも思えてなりません。

無意識であった部分が意識化される。それは一つの発見です。新しい自分の中にある扉を一つ開けた瞬間でもあります。きっとまだまだそんなことはたくさんあるのでしょう。欲と足るについて気がついたのは私の結果ですが、また違った感覚の扉を見つける人もきっといるでしょう。そうやって自分についてよく知ることが健康への道なのではないかしら、とも思います。自分の内側にある欲や感情との共存こそが健康であるための自分の課題ではないかと。そう言う思いに至りました。これもまた、実はヒルデガルトが提唱する健康であるための6つの生活規則の内容の一つに合致します。自分の内にある善悪について思考することにより免疫が高まると言われているのです。

そんな10日間を終え、大事な回復食が4日続きました。最初は味噌汁の汁だけ。翌日は野菜入り味噌汁。そして3日目に野菜のおかず付き、4日目は動物性食品が入っても良いおかず、味噌汁、玄米というほぼ普通食。これを持って14日間の断食の旅が終わります。

回復食1日目。汁のみの味噌汁。けれど感激の美味しさ!
回復食二日目。野菜入り味噌汁。根菜を中心とした甘味ある野菜が身に染みいるようでした。
回復食二日目の夕飯。夜は玄米粥が気に入り、大根入り粥にトマトマリネをトッピングしちゃいました。
回復食三日目。野菜のおかずを食べてよかったのですが、野菜たくさんスープに。やはりビーツなど根菜中心。

意外にも私はこの断食後の回復食で、体のデトックスが一番顕著でした。まぶたが腫れぼったくなり、目やにがでて、排泄が多くなったり、おでこがぶつぶつしたり。

これは私の陰陽という理論を基にした考察ですが、10日間の玄米と黒胡麻塩で体はぎゅーっとしまっていく感じになっていきます。そこで排毒が多いとしたら、取りすぎて溜まっていた砂糖や甘いもの、脂肪などの柔らかい不要物の排泄だったのではないかぁと想像します。私はそこはあまり多くなかったのですが、体が閉まり続けた10日間を経て、お味噌汁や、野菜など体を緩めるものが体に入ってきたときに固まっていた不要なもの(特には多すぎた動物性食品など)が溶け出した、ということではないかと。

イメージするなら、前者は水を含んだ雑巾を絞る感じ。後者はかちかちの氷が溶ける感じ。そういうことが私の体で起こったのではないかしら? と思っております。

ともあれ、回復食4日の間にそんなことが起こって、最後まで気が抜けませんでした。やはり長い期間やるには意味があったのだなぁと思った次第。

回復食を終えて。マーケットに行き元気な野菜や果物を好きなだけ食べる喜び!

そしてこの回復食で10日ぶりに口にしたお味噌汁の素晴らしく美味しかったこと。美味しいは味だけでなく命が喜んでいるという感覚を通しての美味しさでした。そのことについてはわたしの インスタグラムの5月29日の投稿に記載してありますのでよろしければご覧ください。

たかが、食。されど食。食で体がリセットされる素晴らしさ。同時に心を開いて出会うこと、新しく見えた景色や感覚を素直に受け取る。そういうことも断食の醍醐味のように思います。断食後には世界が変わる。これはやはり本当だと私は思います。これからもこうして体や心を更新、 メンテナンスしながら年をとっていけたらいいなぁ。

ただ断食にはそれぞれの体質や体調がありますから、実践はどうぞ慎重にご検討なさってください。ご自分の感覚と責任で是非素晴らしい出会いがありますように。

長いレポートになりましたが、ご参考になれば幸いです。

日登美

日登美 (ひとみ)

10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後4人の子供を授かり自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍を多数出版。食についてもクシマクロビオティックアドバイザー修了後よりマクロビオティック料理を教え始め、オーガニックな家庭料理を提案したレシピ本を出版する。2013年ドイツ人数学者と再婚しブラジルを経てドイツ、ベルリンに移住。ベルリンではドイツ発祥の自然療法である国際ヒルデガルト協会認定ホリスティック医療コース修了しヒルデガルドヘルスケアドバイザーを取得。現在はオーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに台所からの食と暮らしと子育てのWSなど行っている。三男三女6児の母でもある。instagram.com/hitomiskuche

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