働くママのウェブマガジン

Column パパFPの「子どもとお金」

絶対に知っておこう!夢のマイホーム 住宅ローンの組み方 その4【パパFPの「子どもとお金」】

2019.05.10

この連載は……

ファイナンシャルプランナーで3人の男の子パパ、福本眞也さんが、子育てしていくうえで避けて通れない「お金の話」をわかりやすくご紹介。子育てに役立つお金の専門知識を、福本さんが子育てしていくなかで感じるリアルなエピソードを交えながら綴ります。


vol.11 住宅ローンの組み方 その4

こんにちは。3人の息子の子育てが生きがいのパパFPです。

vol.8から始まった、住宅ローンについての最終話です。
これを知ると住宅ローンも怖くなくなります!

住宅

住宅ローンを借りる時に考えるべきことが5つあります。
①誰が借りるか
②いくら借りるか(本当に返せるか)
vol.8はここまで
③住宅ローン金利の種類をどうするのか
vol.9はここまで
④住宅ローン控除を有効利用できるか
vol.10ではここまでのお話をしました。

今回は
⑤資金援助者はいるか

基本的にはご両親かご祖父母を指しています。
 パパとママだけで家を買う方々には関係ないと思われがちですが、ご自身らのお考えとは裏腹に、もしご両親やご祖父母が相続や贈与を考えている場合には、これからお話しする非課税の特例を利用しないのは勿体ないです。

少しだけ金融経済のお話をします。
日本の個人金融資産は約1,860兆円もあり、ご両親やご祖父母の世代60才以上の方々が全体の約2/3を保有しています。(財務省発表資料より)このうち約半分弱は年金・保険・証券投資等で、残り半分強は預貯金です。(日銀資金循環より)
日本政府は現在借金が約1,088兆円(2018.5財務省発表より)もあります(国民1人当たり859万円の借金)が、国が倒れないのは国民がお金持ちだからです。
日本政府は今、この莫大な個人金融資産から税金をとろうとしています。
相続の際に控除される額(相続税がかからなくて済む額)は、平成27年1月から基礎控除額5,000万円⇒3,000万円に、ここに加算する法定相続人(配偶者・子など)の人数×1,000万円⇒600万円に引き下げられました。

つまり、ある程度のお金持ちからは相続税を沢山とろうという計画です。

しかしながら、一方的なルール改正では国民は納得しないので、一定の人たちに税金を課さないことになっています。その中の一つに住宅を買う人に一定金額の非課税の贈与(お金をあげること)を認めているのです。

「直系尊属からの住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」と言います。ちょっと難しいですね。(以下、「非課税の特例」と言います。)

現在のルール(平成27年1月1日から令和3年12月31日まで)では、ご両親もしくはご祖父母からもらったお金を住宅購入にあてるのであれば、住宅の性能によりますが700万円か1,200万円が非課税です。しかも、この非課税の特例以外に、110万円(贈与の基礎控除)を併せて810万円か1,310万円が非課税となります。
今年の10月に消費増税が予定されていますが、実行された後は上述の700万円が2,500万円に、1,200万円が3,000万円に非課税枠が増額される予定です。
勿論、従来通り110万円贈与の基礎控除も加算可能です。

消費税8%の場合
住宅
消費税10%の場合
住宅
国税庁HPより出典

受贈者(もらえる人)の要件
ア.直系卑属(子か孫)であること(ご両親・ご祖父母などを直系尊属と言います。)
イ.贈与を受けた年の1月1日に20才以上
ウ.贈与を受けた年の合計所得が2,000万円以下
エ.平成21年から平成26年にこの非課税の特例を受けたことがない
などがありますが、詳細は国税庁HPをご参照下さい。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm

この非課税の特例を利用できれば住宅ローンの借入額は減らせますし、ご両親やご祖父母からの愛情もいただけて、ご家族みんながハッピーです。日頃の業務でもパパ・ママだけでなく、お孫さんのためにも贈与されるケースをお見受けしています。ただ単に資金支援をする・されるだけではなく、コミュニケーションが増え家族愛も一層高まります。

あまり大きな声では言えませんが、ご両親やご祖父母が何も対策を講じなければ、天寿を全うされた時に、国に相続税を沢山とられてしまいます。ご両親やご祖父母にマイホームを購入すると軽く告げられてみてはいかがでしょうか? 
もし、この非課税の特例の内容を説明するのは難しい、お金をくれと催促するみたいでいやだなぁと思われたら、このコラムを見せてみて下さい!非課税限度額までの贈与にならずとも、少しは工面してもらえるかも知れませんよ!(笑)

私にも3人の息子がいますが、将来、彼らが家を買うなんて話になった時は、その時の税制にもよりますが、少しは支援できる準備をしておこうと思っています。この考えには賛否両論あるとは思いますが、子供をただ甘やかすのではなく、税制優遇の権利を有効活用したいと思っています。

(注)この非課税の特例を受けた場合には、翌年の2月1から3月15日までに税務署へ届出が必要です。

お伝えしたいことはまだまだ沢山ありますが、vol.8からvol.11の4回に渡って、住宅ローンの組み方について基礎編をまとめました。

読者のみなさまが家を買われる時に、このコラムを読み返していただき、「住宅ローンも怖くない!」と少しでも感じていただけたら幸いです。
夢のマイホームで、みなさまが楽しく・明るいご家庭を築けてもらえたら・・・
そんな気持ちで一杯です。

次回はご両親やご祖父母から非課税でもらえる教育資金のお話をします。

FP福本眞也さんプロフィール写真

福本 眞也(ふくもと・しんや)

息子3人のパパFP。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP®認定者(日本FP協会)
日系・外資系大手金融機関勤務を経て独立。
金融の幅広い知識を持ち、現役パパ目線で家計相談など個人を中心に、楽しく、わかりやすい金融コンサルティングを行っています。
Twitter https://twitter.com/FP_Fukumoto(子育て事情とお得な情報をつぶやき中)
HP https://www.fpconcier.com(金融・経済の基礎ブログを掲載中)



第十回 住宅ローンの組み方 その3
第九回 住宅ローンの組み方 その2
第八回 住宅ローンの組み方 その1
第七回 お手伝いの報酬とお金の価値
第六回 貯蓄性を高め、万が一にも備えるには
第五回 子どもができたら学資保険。本当に必要なの?
第四回 大学にかかるお金のこと。準備してますか?
第三回 子どもがもらったお年玉。親はどうするべき?
第二回 お小遣いは何歳からあげるべき?
第一回 ディズニーランドで、子どもの自立性や経済観念をつけさせるには?

この連載を読む

photo by Adobe Stock