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分裂している細胞と老化している細胞

連載:『Step and a Step』500gで生まれた赤ちゃん 分裂している細胞と老化している細胞

5歳になった奏ちゃんに記憶力がついてきた一方で、40歳になった私の記憶力は確実に衰えていっています(40前から思い出せないことが多かったけど・・・)。

先日、近所のドラッグストアに買い物に行く前に「洗剤、シャンプー、ゴミ袋、牛乳と、のり(文房具)買わないとね」と奏ちゃんに話しかけるように言いながら家を出ました。

そして買い物中、必要な物は全部カゴに入れ終わり、レジへ並ぼうとした時に奏ちゃんが「のりは?」と聞いてきたのです。私は「海苔は今日はいらないよ。お家にあるから」と、何を急に言い出したんだろうという感じで答えました。でも奏ちゃんが「ちがうよ、のりだよ、のり!」と何回も言うので「?」と思って、少し経ってようやく思い出しました。工作に使うのりが欲しかったことを・・・。

赤ちゃん扱いしていた奏ちゃんの方が、私よりもよっぽど記憶力が良いことに絶句しました。

最近は、忘れそうな買い物があると前もって奏ちゃんに伝えておきます。

例えば「明日は療育の帰りに奏ちゃんの保育園用の靴買いに行くよ」と伝えておくと、朝起きた時、保育園に行く前、療育の前、何度も「きょうは りょういくのあと くつ かいにいくんだよね」と、奏ちゃんが言ってくれます。私の頼れるリマインダーです。

また別の日「あ~疲れた」と私が言うと、奏ちゃんが「なんでつかれるの?」と聞いてきたので、なんで疲れるのか、疲れるってどういうことなのか、言葉で教えるのは難しいと思いつつ「子供より大人の方が疲れやすいんだよ」と答えました。

それでも「なんで?」と何回も聞き返されたので「箱から出したばかりの新いトミカはさ、ピカピカで壊れてなくてよく走れるでしょ? でも古くなったトミカはドアが取れたりタイヤが取れたりして、うまく走れなくなってくるでしょ? 新いトミカが子どもで古いトミカが大人なんだよ」と教えてみました。

「わかった!」と爆笑しながら理解を示してくれました。

そう、私は古いトミカみたいなもの。新いトミカにどんどん追い越されていくだろうけど、まだなんとか走れるかな。

田尾沙織

田尾沙織写真家

東京都出身。写真家。2001年第18回『ひとつぼ展』グランプリ受賞。写真集『通学路 東京都 田尾沙織』『ビルに泳ぐ』PLANCTON刊行。雑誌、広告、CMの撮影などでも活動。500gで生まれた息子のNICU.GCUを退院するまでの256日間を写真とともにつづった書籍「大丈夫。今日も生きている」(赤ちゃんとママ社)が好評発売中。

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