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「うんこー!」と叫ぶお年頃です。

連載:『Step and a Step』500gで生まれた赤ちゃん 「うんこー!」と叫ぶお年頃です。

最近奏ちゃんが急に、「ちょーすごい」「めっちゃすごい」とか「ぶっこわす」と言う様になって、どうしたのか聞いたら、

「〇〇くんがいってた」と、保育園で仲のいいお友達から学んだことを教えてくれた。

そして治っていたのに、また「うんち」「うんこ」「おしっこ」と叫んだり、語尾につけたりするのも再発。時と場合は考えて欲しいけれど、これも成長で、お友達から学んでくることをうれしく思っている……という話をInstagramに書いたところ、幼稚園の先生をしていらっしゃるという方から「それを成長と感じてくれる親御さんがあまりいないから、なんだかうれしい」とコメントをいただきました。

もちろん、私も道端で「うんこー! うんこー!」って叫ばれれば「そんなこと言わないの!」と言いますし、「”ブッ壊す”っていう言い方はよくないから”壊す”だけでいいんだよ」と教えています。

それでも、お友達とコミュニケーションをとって、言葉を覚えてくることは成長を感じられてうれしいなと思っています。

卑語や言葉遣いが悪いとされる言葉も成長の過程で知る事になるだろうし、それも日本語なのだからいつかは知って当たり前。むしろ知らなかったら、大人になった時に映画を観たり小説を読んでも理解に苦しむこともあるでしょう。

問題は、どう使うかということだと思います。今は幼くて使い方も分からずに、新しい言葉を覚えたことの楽しさと、周りの反応が面白いから連呼しているだけで、いつかは節度がつく。そう信じています。

私は、大人になってからNYの語学学校に1年間語通って、英語を勉強したことがありました。

その頃アメリカで始まったばかりのNetflixで「ブレイキングバッド」という話題のドラマがやっていて、夜な夜な友達と観るのにハマっていました。そのストーリーを簡単に説明すると、数学教師と元生徒がドラッグを作って売りさばく話で、悪い言葉がたくさん出てくるわけです。私の知らないスラングがたくさん使われていると、英語がネイティブな友達が一時停止をしては「今の意味わかった?」と言ってスラングの意味を教えてくれたりしました。

日常的に使えそうな言葉から、ドラッグのディーラーじゃないので使わないな……という言葉まで。

それと思い出深いのは、ルームメイトのゲイの友達が家のリビングにしばらく居候していた時のこと。

その友達は外見はジョニー・デップ似のイケメン南米系アメリカ人で、とにかく場を盛り上げようとする人でした。ルームメイトがいない時に「Tao、面白いことしようよ!」と言って、私にスラングを教えたことがありました。「Taoは日本人だからジャップって言われるのは馬鹿にされている事になる。ルームメイトはエジプト系だからエジプト系には〇〇って言ったらいけないんだ。で、俺は南米系だから××って言われたら怒る。だから彼女(ルームメイト)が帰って来たら、その言葉で俺を罵って! 俺も言い返すから! で、喧嘩を止めにかかった彼女も罵ろう!」と、喧嘩の演技をするようの提案されて指導されました。

そして、友達が帰宅して部屋のドアを開けた瞬間にふたりで喧嘩の演技をしたものの、私の演技が下手すぎる上に、一瞬で「さおりに変な言葉教えたでしょ!」と見抜かれ、彼は怒られ、3人で爆笑しました。

そしてルームメイトがお母さんみたいに「他の人に使ったら絶対ダメだからね!」と私に言いました。

だけどその後、3人でふざけている時の呼び名やメールはDear(愛する)~と口には出せない単語が続きました。

この彼が泊まっていたのはたった10日くらいでしたが、その間に東日本大震災がありました。

家にこもってニュースばかり追って無気力になっていた私を、ある夜、彼らがボーリングに連れ出してくれました。

その時この彼が書いたボーリングレーンの名前も、一人一人ここには書けないひどい名前でした。

そして私の名前が「TSUNAMI SULT」(直訳すると”津波 尻軽女”)となっていたのは忘れられません。(笑)

そして、それを見て苦笑いの他のレーンの人たちと、大笑いしながらボーリングを楽しむ私たち。なんとか私を笑わせようとふざけてくれていた彼ら。

それ以来、せっかく覚えた悪い英単語を使う機会は未だにないけれど、時々映画で耳に入る言葉から私の優しい悪友たちが教えてくれた単語を聞きとれるとうれしくなります。

奏ちゃんも、いい言葉も悪い言葉も友達から学んできてもらいたい。

使い方は間違えない様に。

田尾沙織

田尾沙織写真家

東京都出身。写真家。2001年第18回『ひとつぼ展』グランプリ受賞。写真集『通学路 東京都 田尾沙織』『ビルに泳ぐ』PLANCTON刊行。雑誌、広告、CMの撮影などでも活動。500gで生まれた息子のNICU.GCUを退院するまでの256日間を写真とともにつづった書籍「大丈夫。今日も生きている」(赤ちゃんとママ社)が好評発売中。

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