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みんなの言葉が自信に変わる

連載:『Step and a Step』500gで生まれた赤ちゃん みんなの言葉が自信に変わる

先月、読売新聞の朝刊の「子育てノート」というコーナーで取材をして頂きました。
発売当日の朝は土曜日だったので、奏ちゃんと一緒に新聞を買いに行き、私たちの写真が載った誌面を見せてあげました。
奏ちゃんはわかっているような、わかっていないような、興味津々の面持ちで新聞を覗きこんでいました。

そして、数日後、保育園の連絡帳に、
「お友達から『奏ちゃん、新聞に載っていてかっこいいね』と言われて照れていました」
と書かれていたので、奏ちゃんに「そんなこと言ってもらったんだね」と聞くと、
不思議そうな顔をして、
「ぼくは しんぶんに のってない!」
と言いました。
私はもう忘れてしまったのか……と思って、もう一度新聞を広げて見せると、
奏ちゃんは新聞の上に正座して座り、
「のるってこう?」
と言いました。
『載る』と『乗る』がわかっていなかったのです。

そりゃそうだ、『新聞に載る』という表現は難しいことを私は忘れていました。
「新聞に載るっていうのは、新聞に書いてあるとか写真があることだよ」
と教えると、笑いながら「そうか!」と納得してくれました。
そして、嬉しそうに、
「ほいくえんに しんぶん もっていって、クラスの おともだちと きりんぐみさん(年中さん)と せんせいにもみせてあげる!」
とはりきっていました。そして翌朝、何度もリュックに新聞が入っているかを確認して登園し、先生と奏ちゃんが相談して、みんなに見せて一日貼り出してもらいました。

これには、先生も私もとても驚きました。
なぜなら、奏ちゃんは目立つのが嫌いだからです。
運動会や発表会は、年少さんの時は号泣して、体育館にも入れなくて逃げ出しました。
年長さんになって泣かなくはなったものの、先生にしがみついて離れなくて、自分の足で立つこともできません。
お誕生日会も、みんなのお誕生日を祝うのは好きでも、自分がみんなの前に出て祝われるのは嫌い。
年少さんの時は主役なのに、みんなの前で先生の膝の上で号泣している写真が残っています。

それなのに、今回は初めて自分からみんなに発表したいと言ったので、本当に驚きました。
保育園から帰って来た奏ちゃんに、みんなに見せてどうだったか聞いたところ、
「みんなかっこいいって いってくれた」
と、どこか誇らしげでした。
保育園でのお友達との時間は、奏ちゃんを少しずつ強くしてくれているようです。

田尾沙織

田尾沙織写真家

東京都出身。写真家。2001年第18回『ひとつぼ展』グランプリ受賞。写真集『通学路 東京都 田尾沙織』『ビルに泳ぐ』PLANCTON刊行。雑誌、広告、CMの撮影などでも活動。500gで生まれた息子のNICU.GCUを退院するまでの256日間を写真とともにつづった書籍「大丈夫。今日も生きている」(赤ちゃんとママ社)が好評発売中。

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