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怒りよ怒りよ飛んでいけ。

連載:『Step and a Step』500gで生まれた赤ちゃん 怒りよ怒りよ飛んでいけ。

私はもともと声も大きくないし、怒鳴ったりしない方だと思っていたけれど、子どもが大きくなるにつれて怒鳴ったり、威圧的な態度をとってしまうようになった。その度に、自分でもこんなに声が出るんだと驚き、ダメだなとひとり反省会になる。

赤ちゃんの時は、植木鉢の土をひっくり返されても、食事を投げられても、注意はしても怒鳴ることはなかったし、ため息はつきたくなるものの、正直怒ってはいませんでした。相手は言葉が通じない赤ちゃんですし、全く怒る気にはなれませんでした。

それがここ最近、奏ちゃんが話せる様になってからイライラすることが増えました。言葉が通じる様になって理解しているのに、やらない、言い訳をする、蹴る、叩く、ものを投げる、してはいけないことを繰り返す、などをされると、つい本気で怒ってしまう。

奏ちゃんのキックとパンチと寝ているところをジャンプで乗られるのなんて、わざとじゃなくても本当に痛い。

頭突きされた時には、自分の歯が折れたんじゃないかと思って確認するくらい痛い。

多動症のせいなのか、例えば私が「ものを投げない!」と言ったそばから、奏ちゃんは「はーい!」と返事をしながら手に持っていたものをポーンと高く投げる。たいてい、ノールックで背後に投げる。そしてまた私は怒ってしまうの繰り返し。

何かが癇にさわると、お友達を叩いたりぶったりしてしまう。その度に私は相手の子と親御さんに謝り、奏ちゃんを叱る。おもちゃはいくら言っても片付けてくれない。保育園ではお片付け上手なのに……。

ママ友、パパ友と話しても、みんな「怒っちゃいけないのはわかってる、でもやってしまう」と言っている。ひとり反省会仲間。その気持ちを聞くたびに、私も「うんうん、そうなのよ……」と共感しかない。自分だけじゃなく、みんな大人なんだから、どういう叱り方がいいとか悪いとかよく理解している。冷静にやってはいけない事をただ伝えたいだけなのに、どうしてもそうなれない時も多い。

些細なことで強く怒りすぎてしまったなと思ったり、自分がパンク寸前だったりすると「もう一人にして!」と奏ちゃんに言って、私はとりあえずベッドに倒れこんで15分でも30分でも休む。申し訳ないけれど、怒りの原因は子どもだけじゃなく、自分の体調が悪いとか、寝不足とか、将来が不安で少し気分がブルーだったり他の要素も含まれていたりすると思う。

横になって少し身体を休めたら心も安らぐ。

少し経つと、奏ちゃんはリビングから私が起きたか様子を見にやって来てくれる。

そうしたら奏ちゃんをギューっとハグして、「ごめんね」と謝るようにしている。

奏ちゃんはいつも「なんでごめんねなの?」と不思議そうに私の顔を見る。そしていつも「ママ大好きだよ」と言ってくれる。

もしくは夜寝る時にギューっとハグをして「大好きだよ」と伝えるようにしている。

これで私が怒ったことがチャラになるわけではないけれど、どうか大目に見て欲しいといつも思っている。

田尾沙織

田尾沙織写真家

東京都出身。写真家。2001年第18回『ひとつぼ展』グランプリ受賞。写真集『通学路 東京都 田尾沙織』『ビルに泳ぐ』PLANCTON刊行。雑誌、広告、CMの撮影などでも活動。500gで生まれた息子のNICU.GCUを退院するまでの256日間を写真とともにつづった書籍「大丈夫。今日も生きている」(赤ちゃんとママ社)が好評発売中。

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