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はじめてのカメラ

連載:『Step and a Step』500gで生まれた赤ちゃん はじめてのカメラ

私が携帯で写真を撮ると、奏ちゃんも撮りたがるようになりました。子どもの手にはIphoneは大きくて、右手に携帯を持って左手でボタンを押すのがやっとで、携帯が手からずり落ちていつも画面が曲がってしまうのですが、いつも上手にギリギリ端っこに被写体が写っていました。

20代の時に観たドキュメンタリーで「未来を写した子どもたち」という映画があります。インドの売春宿で育った子どもたちがカメラと出会う話なのですが、子どもたちの日常や初めて見て体験したものを写した写真が真っ直ぐで本当に素晴らしくて、いつか子どもができたらカメラを持たせたいなと思っていました。

奏ちゃんは定型発達の子より少し不器用なところがあるので、ファインダーをなかなか覗くことができなくて、赤ちゃんの時から持っているおもちゃのカメラのがファインダーも目ではなくどうしてもおでこにあててしまっていました。最近になってようやく覗けているような、除けていないような、ですが目にファインダーをあてれるようになったので、写ルンですを買ってあげました。

アナログのフイルムカメラは、一度止まってよく周りを観察して、ファインダーを覗いて、構図をよく見て、シャッターを押して、フイルムを巻き上げるという一連の動作をしなくてはいけないので、多動症の奏ちゃんには落ち着いて動くいい機会になるのではとも思いました。

大喜びでカメラを手にした奏ちゃんですが、1枚目は止まってよく見てシャッターボタンを押している風ですが、2枚目からは覗くより早くシャッターボタンを押したい気持ちが上回ってしまい、もはや覗いているふりだけでは? と思うことも多くて、私の思惑通りにはいっていませんが、時々カメラを持たせて、一緒に写真を撮りたいなと思っています。

フイルムカメラのいい点としては、デジタルカメラや携帯だと、何枚でも撮れてしまうし、その場で確認したくなってしまうのですが、その場では見れないぶん、撮ることに集中して楽しめると思っています。出来上がりを待つのも楽しいです。

写真屋さんでフイルムを現像に出した際に、今は現像と同時にプリントの他にデータにできるので、迷いましたがとりあえずデータにしてもらいました。データの方が少し安かったのと、ほとんど写っていないかもしれないので、まずは一緒にデータを見て、本人が気に入った写真があればプリントしてあげようと思っています。

田尾沙織

田尾沙織写真家

東京都出身。写真家。2001年第18回『ひとつぼ展』グランプリ受賞。写真集『通学路 東京都 田尾沙織』『ビルに泳ぐ』PLANCTON刊行。雑誌、広告、CMの撮影などでも活動。500gで生まれた息子のNICU.GCUを退院するまでの256日間を写真とともにつづった書籍「大丈夫。今日も生きている」(赤ちゃんとママ社)が好評発売中。

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