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やさしいきもちが育ちますように

連載:『Step and a Step』500gで生まれた赤ちゃん やさしいきもちが育ちますように

先月約2年ぶりに実家に帰省しました。

おじいちゃんとひさしぶりにお風呂に入った奏ちゃん。おじいちゃんが半分冗談で「一緒に寝るか?」と奏ちゃんに聞くと、ふたつ返事で「ねる!」と言いました。

私はしめしめゆっくり眠れるぞと、心の中でガッツポーズ。おじいちゃんと奏ちゃんが「おやすみ」と言って、2階のベッドに行って20分後、

「おじいちゃんにはおばあちゃんがいるけど、ママはひとりでかわいそうだから」

と、優しい言い訳をしながら奏ちゃんは私の布団に戻って来ました。その時は、ただのかわいい言い訳だな、と思っていました。

そして帰省後、私の父は手術をしたのですが奏ちゃんに「今おじいちゃんは手術してしばらく入院しているよ」と話したところ、「おじいちゃんとおばあちゃんにでんわしないと!」と奏ちゃんが言うので、病院は電話出れないと教えたら、「おばあちゃんにでんわして。おばあちゃんおうちで ひとりでさみしいとおもう」と言ったのです。

奏ちゃんは何度も手術をしたことがあるので、手術が何なのか、手術が大変なことを理解しているので、おじいちゃんを労わるのは分かるのですが、おじいちゃんを待っているおばあちゃんのことまで労わえるとは私は思っていませんでした。

実家での夜、私の布団に戻って来た理由はあながち嘘ではなかったのかもしれません。

人の辛さが分かる、寄り添ってあげられる優しい子に育ってくれているんだな、と嬉しくなりました。

そんな風に思っているのですが、保育園に行けばやっぱり少々問題児。

奏ちゃんは年長さんなのですが、年中さんともよく遊んでいます。先日登園すると園の前で偶然会った年中さんに「奏ちゃんはおままごとしているとよく壊す。わざとやってる」と訴えられました。

「ごめんね。ごめんね」と謝る私と、横で機嫌を悪くしてグズグズしだす奏ちゃん。

壊しちゃうのは怒っているからだけではなく、楽しくてテンションが上がってもやってしまいます。本人も「どうしてやってしまうのか分からない」と以前話していたことがあって、まだ療育の先生も解決策が見つからないのです。

本当はやさしい子だと、お友達にも伝わってくれるといいなと思っています。

まだまだ問題が山積みだけれど、これからも少しずつやさしい気持ちを積み重ねていってほしいものです。

田尾沙織

田尾沙織写真家

東京都出身。写真家。2001年第18回『ひとつぼ展』グランプリ受賞。写真集『通学路 東京都 田尾沙織』『ビルに泳ぐ』PLANCTON刊行。雑誌、広告、CMの撮影などでも活動。500gで生まれた息子のNICU.GCUを退院するまでの256日間を写真とともにつづった書籍「大丈夫。今日も生きている」(赤ちゃんとママ社)が好評発売中。

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