子どもの指しゃぶりはなぜ起こる?子どもの発達を学んで正しい声掛けを学んでいこう!
みなさんこんにちは。子育てアドバイザーの河西ケイトです。
今回は、色々な家庭で質問されることの多い「おしゃぶり」についてです。子どもがおしゃぶりをする理由を知っていますか?
子どもの心の背景を知り対応していけば、もしかしたら頻度を抑えることができるかもしれません。
口唇期を知っていますか?
以前噛みつきの記事でも少し触れたことのある口唇期。生後18ヶ月(1歳6ヶ月)ぐらいまでの時期の事を総称して言い、口唇領域に快感を得て充足感を味わう体験をする期間のことを指します。
赤ちゃんが、初めて世界と接触して「心地よい快の刺激と安心感」を感じる部位が口唇で、母親の乳房や哺乳瓶からミルクを取り入れる事によって生存を維持し、保護者への愛着を生じさせ、愛を感じるように欲動(エネルギー)が広がると言われています。
口が満足する=依存できている、甘えられている、ということになって、ここから安心感や、信頼も学びます。
離乳食が始まると、子どもが指しゃぶりをしたり、おしゃぶりをしゃぶったりしているのは、今まで「吸う」ということで食事をしていたことから、離乳食は口や舌をつかって食事をするようになりますよね? これは、子どもにとって大きなストレスになります。その反動でストレスを解消するためにおしゃぶりをして情緒を安定させていると言われています。
通常、この指しゃぶりや、おしゃぶりは3歳くらいになると自然に子ども自らやめていきます。(自然消滅)これは、3歳くらいで、基本的な脳の発育が完成し、運動能力も高まり、知的能力も高まることにより、手足が器用になって、周囲の刺激に対し興味を持つようになるからです。
つまり、頭脳の発達によりほかのことに気を取られ、指しゃぶりをするチャンスが無くなっていくわけです。
幼児になっても「おしゃぶり」をやめることができなかったら、子どもの背景を観察しましょう
4歳をすぎても指しゃぶりやおしゃぶりを止めないお子さんをよく見かけます。発達的には自然消滅によって消えるものですが、やめられない子どもの背景にはどのようなことがあるのでしょうか?
原因として、何らかの欲求不満や、情緒不安が考えられますので、その原因となっていることを考え、精神的なケアやスキンシップが大切になります。
具体的には、両親、兄弟などの家族構成による変化(出産とか。弟や妹がいるとか。)や、対立、葛藤、引っ越しによる環境の変化等に対するストレスや欲求不満などの心理的要因が原因です。
対策として、子どもとのふれあいのチャンスを多く作りスキンシップを図ってください。自分からやめたいと思わせる雰囲気を家族で作り、盛り上げていき、なるべく手足を使う遊び(体操・パズルなど)を一緒に行っていきましょう。寝るときは、手をつないで寝てあげるのも効果的です。(習慣が取れるまで)
もし、しゃぶっているのを見つけたら「叱る」「怒る」のではなく、注意する。やっていない時に「おしゃぶり止められたね。偉かったね!」と具体的に誉めてあげましょう。そうすることで、子どもは「おしゃぶり=よくないこと=止めよう」と結びつけることができます。
4歳を過ぎてのおしゃぶりや、指しゃぶりの悪影響についてですが、昔の人は、乳歯が抜けて永久歯になるから大丈夫! という人もいましたが、この時期は、乳歯列が完成し、あごの発達時期になります。
おしゃぶりや、指しゃぶりは、口腔内を陰圧にしたり、指で、外力が加わるために、前歯部が前方に出てしまうような歯並びになり、それに伴って上下のかみ合わせのバランスを失い、前歯で、物を噛み切ることが出来なくなります。更に、口の中の天井部分(口蓋)も変形するために、サ行、タ行、チャ行、シャ行が言いにくい、あるいは、聞き取りにくい発音障害を招くと言われています。
今回は、「おしゃぶり」についてお話させていただきました。大人でも「癖」になってしまうと抜け出すのがなかなか難しいものです。
子どもはそれ以上に難しいでしょう。子どもの気持ちに立って発達を理解し、子どもが無理なくやめられる環境を作っていきたいですね。