子どもに指示が伝わりにくい時に試してみたい3つの方法
皆さんこんにちは。子育てアドバイザーの河西ケイトです。
先日「3歳の子どもが指示通り動いてくれないので困っている」というお母さんのお悩みを伺いました。今回は、指示に従い行動に移すことが難しいお子さんへのアプローチの方法を教えたいと思います。
幼児クラスになると3つの支持が通るようになる
3歳児になると大体のお子さんは、3つの指示が通るようになると言われています。「赤いつみきをもってきて」という指示を例に出してみます。
「赤い=1つ目の指示」
「つみきを=2つ目の指示」
「もってきて=3つ目の指示」
となります。子どもにこの声掛けをして、きちんと持ってくることができたら、指示が伝わっているとなります。指示が抜けてしまう子は、違う色のつみきを持ってきたり、赤いものを持ってきたり、つみきだけ掴んで終わってしまったり…の行動を起こすでしょう。
では、この背景にはどのようなことが考えられるでしょうか?
ワーキングメモリという言葉を知っていますか?
この3つの指示が伝わらない子は、もしかしたらワーキングメモリに問題があるのかもしれません。ワーキングメモリとは、「ワーキング(行動を起こす)+メモリ(記憶する)」事を指します。机上では理解ができているのですが、そこに行動が入ると情報の処理ができなくなってしまう状態にあります。
「赤いつみきを持ってきて」をもう一度例に出すと、頭の中で処理はできていますが、「立ち上がって持っていく」という行動を起こした直後に指示を忘れてしまいます。
行動とは、動く事を全般に指し、移動するなどの他には「言葉を発する」や「泣く」などの動作も含まれます。そのような状況になったときは、優しく諭すように声をかけて、1つでもできたら「1つできたね!」と褒めて1つできたことを認めていき、2つ目の指示を教えていくようにしてください。
見通しを立たせていくことも必要になってきます
指示が通りにくく、行動がゆっくりめなお子さんにはどのように対応したら良いのか? という相談を受けることもありますが、そんなときは、時計を使って「長い針が何時までに決めてね」など声をかけ、見通しがもてるようにし、数字が理解できないお子さんには、時計の文字盤に絵やイラストを貼って、声をかけていくと良いかもしれません。
また、全てにおいてじっくり寄り添う必要はなく、処理速度は遅くても少しづつ育っていきますので、なるべく経験で埋めていくようにし、様子を見ていくようにしてください。
今回は、指示やワーキングメモリについてお話させていただきました。
保育園という場所は、子どもが主導の場所なので、小学校のように時間割などは存在しません。それがかえって、このようになかなか行動に移せない子を苦しめてしまうこともあるそうです。(自由時間遊びの自由という意味は理解しているが何をしていいかわからないなど)
小学校へ行けば時間で動くようになりますので、動きやすくなるとも言われています。お子さんの成長に合わせて、焦らず進めていくことが大切なのかもしれませんね。