河西ケイトが教えます!子どもが「甘える」本当の理由
皆さんこんにちは。子育てアドバイザーの河西ケイトです。
皆さんはお子さんの突然の「甘え」に困ったことはありませんか? 「だっこしてー!」「ママがいいのー!」など、子どもたちは日々の生活の中でママやパパを求めることが多くあるのではないでしょうか? 今回は、この「甘え」をテーマにお話したいと思います。
子どもは何故甘える?
では、皆さんは子どもがどうして甘えると思いますか? 機嫌が悪くて? ママやパパを困らせたくてでしょうか? 答えは、違います。子どもは日々の生活の中で色々なことにチャレンジしています。私達大人は経験・体験を積んできているのでチャレンジすることはそう多くはありませんよね。
しかし、子どもにとって生きることは常に新しいチャレンジ。見えないものに立ち向かうとき不安を感じてどうしたら良いのかがわからなくなる…。そんな感情が「甘え」と言われるものです。甘えとは子どもの育ちに必要不可欠なものなのです。
私達は安全基地と考える
皆さんは「人見知り」や「8ヶ月不安」という言葉を知っているでしょうか? 人見知りというのは、特定の人には心を許しますが、他の人が自分の視界に入ってくると、怖くなって泣き出すという行動です。
安心できる人が再び抱っこしたりあやすとどうなりますか? 途端に泣き止んで安心したような表情を見せますよね。安心する人=安全基地と子どもは認識します。
基地となる人が、同じ空間にいることで、情緒の安定を図ることができ、同時に「自立」をしてみようと、言う気持ちが芽生えてきます。ですから、この人見知り時期には、子どもが安心安全を感じている人といることが、子どもの情緒の安定図り、人見知りを早く終えるきっかけとなると言われています。
新しいチャレンジに大切なもの
大人も新しい場所に移動したり、新しいことにチャレンジし不安を感じた時に、どこに帰りたいと思いますか?
自分が安全基地だと思っているところに帰ると、気持ちが落ち着くのではないでしょうか? 子どももそれは同じことが言えます。
安全基地があることで様々なことに「チャレンジしてみよう!」という気持ちが芽生え、挑戦し、不安になったらまた安全基地に戻り安らぎを求め、再び挑戦していく。この繰り返しをすることで、少しずつ自分の経験・体験として習得をしていきます。甘えとはすなわち=アタッチメント(愛着行動)なのです。愛着行動は子どもの自立を促します。
親に甘えてくっつく行動は、自立と健康を支えることに繋がるので、「お子さんが不安になって甘えてくるときは、チャレンジを恐れて安全基地に戻りたいというシグナルです。「べたべたしないで!」「甘えないで!」と言うのはどうでしょうか? 子どもにとって「だめ!」と言われ、安全基地に入れてもらえないことは、とてもつらいことだと思います。
甘えとわがままの違いはどのように見極める?
では、皆さんは「甘える」と「わがまま」の違いは説明できますか? 実は、どちらも同じ意味だと思ってもらっても構いません。大切なのは、否定的な言葉で受け止めないということです。
「何かを買ってもらいたい!」という訴えに対しては、「また今度ね」という曖昧な言葉で返事するのではなく、子どもに考えさせ、折り合いをつけさせることは小さいうちから大切なことですが、「だっこしてほしい」「そばにいてほしい」というような愛着を求めるような訴えには、極力付き合うようにしてください。受け止めれば受け止めるほどに、子どもは色々なことにチャレンジをし、自立を促していくことができます。
今回は、「甘え」をテーマにお話させていただきました。
「このままだと将来が心配…」と思う方多くいると思いますが、甘えこそが将来を左右する大切な分岐点となります。私達が子どもの安全基地代わりとなり、健やかな成長を支えられるようにしていきたいですね。