学習障害は親のせい?子供のためにできることと避けたいことも解説
読み書きや計算に対して問題を抱える発達障害を「学習障害」といいます。学習障害は親の遺伝が原因なのか、また、学習障害だと診断されたときには、親はどんなサポートができるのかについて見ていきましょう。
学習障害は親の遺伝?
学習障害が遺伝するかどうかは明らかではありません。しかし、学習面において親の行動などの影響を受けることもあるので、遺伝ではないとは言い切れない点にも注意が必要です。
例えば、親が根気よく学ぶ姿勢や読書に親しむ姿勢を見せていないと、子供も文字を読まず複雑そうな物事に対しては取り組まないようになることがあります。また、日常生活の中で算数につながるものを見つけて子供と共有する習慣がある家庭と、算数的な興味をまったく持たない家庭では、子供の興味の範囲や能力にもある程度の違いが生じることがあるでしょう。
学習障害の子供にできる親の対応
学習障害は先天的な要素が強く、子供の努力不足によるものではありません。子供に学習障害があると思われるときは、親はできるだけ迅速に対応することが大切です。
子供の観察と病院での診断
読むことや書くこと、数などに興味を持っているか子供の様子を観察しましょう。例えば、就学前になっても自分で本を読もうとしないなど、著しく興味を示さない場合は、早めに医療機関で相談することもできます。早めの発見で子供に適したサポートが得られるようになり、学校生活にも適応しやすくなります。
親が認めないのは逆効果!障害を受容しよう
「うちの子に限って学習障害のはずがない」と親が認めないのは、子供の将来を損なうことになりかねません。学習障害があっても適切なサポートを受けられると、学習に大きな遅れが生じないケースもあります。子供のあるがままの状態を受容し、その中で最善の選択をするためにも、早めに学習障害に気付くことが大切です。
子供の心のケア
読めないことや書けないこと、計算できないことで、子供の心は傷ついています。「どうしてこんなことも分からないの!」と叱るのではなく、子供の傷ついた心に寄り添って学習をサポートしていきましょう。
学校とも連携を取り学び方を工夫する
学習障害の子供は学校との連携が不可欠です。例えば、読むことが苦手な場合には、先生の協力を得て、音読を多めにするなどの対応ができます。学校側と頻繁に連絡を取り合い、子供が学びやすい環境をつくっていきましょう。
医療との連携
医療機関との連携も不可欠です。例えば、学習障害と注意欠陥多動性障害のどちらも抱えている場合には、多動性や衝動性を抑える薬物を処方することで学びやすくなることがあります。
常に愛情ある態度で学習障害の子供を導こう
学習障害自体は治療ができないため、根気よく子供に合う学習方法を探していくことが大切です。手はかかりますが、決して子供を責めるのではなく、常に愛情ある態度で接するように心がけていきましょう。
監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得