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種を蒔いて、はじめての野菜作り【親子ではじめる、エシカル暮らし・15】
2020.08.21 by 中村 暁野 中村 暁野

種を蒔いて、はじめての野菜作り【親子ではじめる、エシカル暮らし・15】

生ゴミを処理するコンポスト

春、庭の一部をに作ったちいさな畑。畑というのは恥ずかしいくらいの、ちいさな畑だけど、楽しいです。

石ごろごろの硬い土を耕して、庭のコンポストでできた土を混ぜ込んでまた耕して…。コンポストはいろいろな種類がありますが、我が家のコンポストはいたってシンプル(というか簡単)で、庭に掘った穴に生ゴミと同量位の土や雑草をぽいぽいいれておくだけ。生ゴミがなくなるとゴミは劇的に減り、匂いなどもなくなり快適。おまけにガーデニングや畑に使える土ができるなんて、いいことずくめ。(段ボールなどにいれてベランダなどでも手軽にできる方法もあるので、みなさまぜひ!)

さて、畑に人参、トマト、きゅうり、バジルにルッコラ、二十日大根、レタス…。いろいろな種を子どもたちと蒔きました。

毎日水をやって、ついに小さな芽が出た日は大興奮。

「かぼちゃの種をまきました、芽が出て、膨らんで、花が咲いてじゃんけんぽん…」

小さい頃歌っていた、誰でも知ってるような、当たり前のこと。でも自分たちが蒔いた種から芽がでたのを見たら、なんだかほんとうに嬉しくなったのです。そして当たり前、と知ったつもりになっていることを自分の手や体を動かしてやってみる大切さを感じました。

野菜ができるって、簡単なようでむずかしい

毎日ちょっとずつ伸びていく苗の豊かな実りに期待を膨らませるものの、そんな簡単にいくわけはなく…。長い梅雨の日照不足か、はたまた別の原因か? 残念ながら育たなかったり実がならなかったりしたものもありました。逆にきゅうりは毎日食べきれないくらい採れ、バジルやルッコラ、トマトもたくさん。

「葉っぱは元気に育ったのになんで実にならないんだろう」「きゅうりがまた大きくなってる」「あのトマトは明日かな」なんて落胆したり考えたり話したりする、ひとつひとつが楽しいのです。

人間のために便利に改良された種?

種は「野口のタネ」という固定種の種苗専門店で購入しました。

固定種(在来種)とは育てた野菜から種をとって、その種を翌年もまた蒔いて…という植物の本来の姿に沿って種を取り、受け継がれてきた伝統的な野菜の種のこと。

え、種ってそういうものじゃないの?と思いますが、流通している種のほとんどは、人為的に交配させ一代で終わる(種をとることはできない)F1種と呼ばれている種。

F1種は人のために作られた種だから、安定して同じ形や味になり育てやすいそう。食べやすく育てやすいなんて、そりゃそりゃ有り難い。でも野菜ってもともと「人のために」存在していたわけじゃないよなあ、とも思うのです。この世界にあった生物(ですよね野菜も)の一部をいただいてる。人は種を採ったり、育てることで食べ物の恵みをもらえるし、野菜にとっては人の力を借りればより種を残しやすい。昔は人と野菜ってフェア(っていい方は変だけど)な関係だったのじゃないかなあ、なんて思います。

知らず知らず、多くのものごとを「人のために」良いか悪いかで決めたり選んだりしている、してきた感覚が、今ほかの生物や環境全体にとんでもない迷惑をかけていると思うと、自分の中にも無自覚にある、そういう感覚のひとつひとつを見直していきたいな、と思うのです。

さてさて、またまたコンポストの土もたまっています。秋にむけ、種から育ちつつある野菜たちをまた植えるのが楽しみです。

中村 暁野

中村 暁野編集者、エッセイスト。

一年をかけてひとつの家族を取材する、家族と一年誌「家族」編集長。家族にまつわるエッセイやコラムの執筆も手がける。夫と9歳女子、2歳男子、たれ耳うさぎのバターと一緒に、2017年から、山梨と神奈川の県境にある藤野へ移住。古い一軒家を少しずつ自分たちで改装しながら暮らしている。kazoku-magazine.com

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