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卵はごちそう【親子ではじめる、エシカル暮らし・16】
2020.09.11 by 中村 暁野 中村 暁野

卵はごちそう【親子ではじめる、エシカル暮らし・16】

卵は毎週6個だけ。大切に食べたいその理由

毎週水曜日は、卵の日。

近所にあるパン屋さんの一角におかれたボックス。そこには、わたしの住む藤野にある、一家で自然農を営む傘松ファームさんの卵が入っています。数種類の鶏たちが産んだ卵は、殻の色も大きさも様々なので、ボックスに並んだ卵の中から好きなのを6個、自分で選んで持ち帰ります。

持参の卵のケースは、陶器でできた海外製。家庭内エシカルを意識し始めた一年半前ほど前に「これいいでしょ」と夫が買ってきてくれたものです。当時は、卵って通常パックに入って売っているし、あまり意味をなさなそう…と思ったのですが、傘松ファームさんの卵に出会い、以降大活躍!持っていると「そのケースいいね」と、いろんな人に声をかけてもらってうれしいのです。

 

今週の卵。もう1個は食べちゃいました。

おいしい卵は、どうやって食卓にやってきた?

小さい頃から卵料理全般が大好きだったわたし。大人になってからは、卵は日々のお弁当作りの頼れる存在でもありました。調理が簡単で栄養価は高く美味い。しかも安い。最高…。

ですが、日本で売られている卵のほとんどが、生産性を高めるためのバタリーゲージという狭い狭いゲージに鶏を閉じ込め、産ませていると知って、卵を手に取るのを躊躇うようになりました。鶏の習性や本能を無視したipad一枚分ほどのゲージの中に閉じ込められ、生まれて一度も日の光にあたることもなく、卵を産まなくなったらつぶされてしまう鶏。

卵や、卵を産む鶏を、知らない間にまるで命の宿っていない「モノ」のように扱ってしまっていること。そんな食のシステムの中にいること。「食べ物に感謝して食べよう」なんて言葉がありますが、感謝すればいいって問題じゃないよね…と思ったのです。開放型鶏舎や平飼いの卵など、少しでも鶏に負担がない方法で育てられた卵を選ぶようになりましたが、卵に対するモヤモヤはずっと抱えてもいました。

藤野に来て出会った傘松ファームの卵。もともと通っていたパン屋さんに売られていたのをふと買ってみたところ、その美味しさにびっくりしました。卵嫌いの息子が、卵かけごはんをペロリと食べたほど、臭みがなくてまろやか。後から娘と同じ学校に子どもを通わせているご家族が、愛情をかけて自由にのびのびと育てている鶏たちが産んだ有精卵だと知り、毎週買わせてもらっています。値段は一般的な卵よりも高いけれど、身近な人が育てた、鶏にも環境にも負担のないもの買わせてもらえるのは、本当にうれしいのです。

なので、今では卵は週に6個だけ!の高級品です。買ってきた日は子どもたちには卵かけごはんをせがまれるし、お弁当にゆで卵を入れた日は「とくべつだよ!」なんて気持ちになるし、卵を大胆に3つも使ったオムレツが日曜朝のご馳走に。毎週6個をどう使うか熟考しながら、ありがたく食べています。

そして、食べるたび「〇〇ちゃん家の卵、(同じ学校なので)やっぱり美味しい〜!」と子どもたちが言う姿を見ながら、きっと今、ごく当たり前に子どもたちは食べ物に感謝をしているんじゃないかな、と感じています。

中村 暁野

中村 暁野編集者、エッセイスト。

一年をかけてひとつの家族を取材する、家族と一年誌「家族」編集長。家族にまつわるエッセイやコラムの執筆も手がける。夫と9歳女子、2歳男子、たれ耳うさぎのバターと一緒に、2017年から、山梨と神奈川の県境にある藤野へ移住。古い一軒家を少しずつ自分たちで改装しながら暮らしている。kazoku-magazine.com

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