クリスマスシーズン到来! 夢いっぱいのクリスマスを過ごすために(後編)
サンタさん体験で、よりリアルに存在を感じよう
前回は、サンタさんのさまざまな謎に迫ってみました。今回は、サンタさんを身近に感じることができる体験のあれこれを紹介しましょう。
サンタさんに会いに行こう
サンタクロースの姿を見たことがある子どもは、長くサンタさんを信じる傾向にあるそうです。クリスマスシーズンになるとあちこちの施設でサンタクロースに会うことができますが、よりリアルなサンタクロース体験で盛り上げていくのもおすすめです。
フィンランド北部、北極圏への入り口にあるロヴァニエミという町にあるサンタクロースオフィスに行くと、年を通じてサンタさんに会え、お話をすることができます。また、オフィスにある郵便局には世界中の子どもたちから届いたお手紙が展示してあり、逆に、ここから自宅へはがきなどを出すこともできます。郵便ポストは2種類あって、ひとつはクリスマスシーズンに時期を指定して届けてもらえるもの。コロナ禍の今はなかなか気軽に行くことができませんが、いつか連れて行ってあげたいですね。
サンタクロースからお返事をもらおう
カナダの首都オタワにある中央郵便局にサンタクロース宛の手紙を出すと、サンタさんから返事が届きます。方法は簡単で、下記の住所に手紙を送るだけ。返事はちゃんと日本語で書かれています。カナダ国内からは12月10日までに、日本からならもう少し早めに投函するとその年のクリスマスに間に合います。自分の住所を書き忘れないようにしましょう。
郵便コード「H0H 0H0」は、サンタさんの笑い声「ホ~、ホ~、ホ~」と読めるというおもしろ仕掛けも気が利いていていいですね。こちらのページに、お手紙のテンプレートなどもあるので、参考にしましょう。テンプレートのダウンロードはもちろん、送付の際の国際郵便切手代金以外はすべて無料です。
Santa Claus
North Pole
H0H 0H0
Canada
当日に盛り上がるサンタクロース体験
いよいよクリスマス。イブの夜からそわそわしてしまいます。北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は毎年12月24日になると、サンタクロース追跡動画を公表しており、サンタさんが現在どこを飛んでいるのかを知ることができます。
サンタクロースが北極点から出発すると、世界地図の上をすべるように駆け抜けていくサンタさんのアニメーションとともに、配ったプレゼントの数が表示されます。出発を今か今かと待つ時間、そして自分のいる場所の上空をいつ通るのか見守るのも、最高にわくわくしますよ。
毎年少しずつ趣向が違いますが、ニュース画面に切り替わり「ただいま東京の上空でサンタクロースが目撃されました」といったビデオが流れた年もあり、リアルに楽しめます。
これ、元はアメリカのデパートが子ども向けに開設したサンタクロースホットラインの電話番号が、間違ってNORADの番号になっており、子どもからの電話を受けた当時の司令官が「サンタが北極を出発したことをレーダーで確認しました」と大人な対応をしてくれたことがきっかけで恒例行事となったのだそう。
カナダでは空軍がサンタの護衛をすると毎年発表しますし、この大人たちの“本気ぶり”が子どもたちに夢を与えているのは間違いありません。
サンタクロースに差し入れをする
サンタクロースがプレゼントを置きに来るとき、子どもは眠っていないといけないといいますから、せめて、とサンタさんに差し入れをしてみましょう。クッキーやミルクなどを子ども部屋に置いておきます。翌朝、お皿が空になっていたら「サンタさんが来てくれた!」と、またちょっと楽しい気持ちになります。
こんな演出をしても、いつかは子どももサンタクロースは物語に過ぎないということに気づくでしょう。でも、自分たちに夢を与えるために大人がしてくれたことそのものが、大人になってもウキウキとした多幸感を持ち続けていられる源泉となっているはず。
著名な児童文学者で翻訳家の松岡享子さんの著書『サンタクロースの部屋-子どもと本をめぐって』(こぐま社)にも、サンタクロースにかぎらず、妖精などのファンタジーを心から信じられることは、子どもだけが得ることのできる貴重な時間であると記されています。これは文学に関する著述ではありますが、豊かな心を育むのに、クリスマスは私たち大人が簡単に手助けできる格好のチャンスかなと思います。
コロナ禍の今年は特に、旅行やパーティなどをセーブしてきました。だからこそ、クリスマスは思う存分、家族で夢いっぱいに盛り上がりたいものですね。
撮影:岩佐史絵