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【フランスからの報告】子どもの誕生会事情

【フランスからの報告】子どもの誕生会事情

第15回 「もてなし過ぎない」が暗黙の了解? フランスのお誕生会

当の子ども達は楽しんでいるけれど、親にとっては、実は招ぶ方も招ばれる方も面倒で余計な悩みも生じるのが「子どもの誕生会」。フランスもそれは同様。

ただフランスの親達の「割り切り」は、シンプルでわかりやすく、かなり爽快。

日本での参考になるかは「はてな?」ですが、ちょっと覗いてみてください♬

準備・その1 ご招待リスト

誕生会を開く主流は4歳から9歳。(我が村の場合、10歳以上になるとスキー競技などでフリータイムなしの子どもが増えるので)

どの親子も揉めるのは「何人招くか」「誰を招くか」。子ども達にも「付き合い」があるので、任せておくと数はどんどん増える。しかし多ければ多いほど大騒ぎになることも間違いない。

というわけで最多で10人。できれば6人前後が理想と多くの親は考える。

水曜日か土曜日(フランスの幼稚園&小学校は水曜が休みのため)の14時から18時に設定されることが多く、そのため水曜や土曜は村のあちこちに「誕生会の家への道順を示す風船」が登場する。

準備・その2 バースデーケーキ

14時から18時ということは、おやつタイム。用意されるのはケーキとボンボン(飴)とジュース。ほぼ、それだけ。

しかも雑な手作りのチョコレートケーキなことがほとんど。

「どうせ子どもが食べるのだから」と気負わずに作られているのが明白で、ここで料理上手の腕を見せようとする親は滅多におらず、こちらの肩の力も抜ける。

ただ近年は食物アレルギーの子どもが増えているので注意が必要。また健康のためにジュースやボンボンを禁じられている子もいるので、それらがひと昔前にはなかった新たな悩みの種にもなっているのだそう。

お金を出して買うケーキや凝った手作りケーキは家族で楽しみ味わうもの・・・という実に合理的考えもあって、これにも肩の力を抜いてもらえる
©️Skiparadise_meribel

準備するもの・3 アクティビティ

14時から続々と子ども達がやってきて、まずはケーキで祝い、持ってきてくれたプレゼントを開け、それでなんとか1時間はもつ。

しかし15時から2〜3時間をどうするか? これが親にとっては大問題。家を荒らされたくないし、怪我をされても困るから庭など外にも放置できない。 

というわけで、絵を描いたり、粘土など工作をしたり、アクティビティも何かしら企画。

17時過ぎに早めに迎えにきてくれる親がいると拝みたくなるし、逆になかなか来ない親のことは恨みたくもなるのが正直な心情。

大工好きのパパがベニア板を切って工作の準備。クリスマスの飾り作り。これで1時間以上はじっと座らせておける作戦 
©️Skiparadise_meribel

招待された方のプレゼント予算事情

一方、招かれた方の親も、子どもが嬉々として招待状を持ち帰ると「プレゼント調達」を考え、顔が曇る。

渡仏当初、私は「えっ? そんな安い小物でいいの?」と驚いたけれど、月に何度も招ばれるようになり、さらに子どもが3人になると、かなりの出費。頭を悩ましたものだった。

他の親達も同様らしく、日程に余裕がある時には「共同して買わない?」と持ちかけられたり、なかには「ポケモンやハローキティの小物をネットでまとめ買いすると安く済む」と賢いヤリクリをしている親もいた。

4〜9歳の誕生会参加へのプレゼント予算は最高10ユーロ。できれば5〜6ユーロに抑えたいのが親心(1ユーロ125円前後)。

しかしユーロになって以来、10ユーロ以内の小物はネット以外では見つからず、ネットの場合、送料がかかるし、日本と違って配達が確実ではないところも問題。

(左)プレゼント玩具に男女の違いがなくなっているのも特徴で、この人気のコマもそのひとつ。(右上)レゴを集めてる子へのプレゼントは小物を手軽な値段で買えるし種類も豊富。スーパーでも買えるので楽。そういう意味でもレゴは成功した商品と言われている。 ©️Skiparadise_meribel  (右下)意外に貰った後も長く愛用されるのが、こういうスケートボードやスノーボードの人形やミニカー類。ポケットに入れて持ち歩き、校庭や公園、家の塀などでも這わせて遊ぶ子が多く、想像力も育める優れた玩具かもしれない。

イギリス流・誕生会による「加熱」をフレンチママがバッサリ、一刀両断?!

村にはイギリスからの移民も多く、幼稚園&小学校の各クラスにも英国人が数名いる。

アフタヌーン・ティーの国だからなのだろうか? イギリスっ子達の誕生会は少し日本風で、サンドイッチや時には肉料理まで出て、フランス流より「手厚いもてなし」。

そして、ある時期はじまったのが「手土産ブーム」。可愛い消しゴムやシールなどを詰めた小袋が帰りしなに渡され、子ども達は大喜び。子どもが賞賛するので、それに倣う家が増えはじめ、そうするとフランス人の親達が次第に困惑。ある時、

「そんな費用的にも手間的にも負担が増えること、勘弁して。ここはフランス。英国ではないのだから!」

ひとりのフレンチママがハッキリと言い、あっという間にそのブームは鎮火した。

誕生会の後夜祭? 迎えにきた親達とアペリティフ

そんな風に「子ども向けのもてなし」には反対するのに、夕方、迎えにきた親達にはシャンペンやワインなどアペリティフが用意されている家も多く、これには一切ストップはかからない。

やはりフランスは大人が勝手で愉快だ。

主催した親にとっても「このまま子ども達の世話だけで1日が終わるなんて、精神的にやってられない!」「最後は大人の会で締めくくらなければ」になるらしい。

コロナ・ベビーブームは来るか?!

ところで「誕生」といえば、昨春のロックダウン(外出禁止令)の影響で「コロナ・ベビーブームが起こるかも?」という説があったが、蓋を開けてみると今年1月の出産はむしろ減少。

「出会いの機会が減った」「さまざまなことを懸念し子作りを先延ばしにしたカップルが増えた」などの理由が挙げられている。

ただし昨年4月の妊娠検査薬の売り上げは37%も伸びているため「まだ2月以降への期待も残っている」とも言われている。

さて、どんな結果が出るでしょうか♬

祐天寺りえ

祐天寺りえライター

1994年フランスのスキー場(メリベル)に移住。小学校勤務(給食、教室清掃、スクールバス添乗など)、執筆業、鍼灸&指圧&アロママッサージなどを生業とする3子(20&21&26歳)のシングルマザー。著書「フランスの田舎暮らしとおいしい子育て(小学館)」「食いしん坊の旅(パラダイム出版)」「フランスだったら産めると思った(原書房)」facebook.com/rie.yutenjiosaki

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