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【フランスからの報告】フランス人の睡眠事情

【フランスからの報告】フランス人の睡眠事情

フランスといってもパリから660km以上離れたスイスとイタリアの国境近く、フレンチアルプスのスキー場暮らし。そんな田舎&山から、華やかさはないけれど、ごく普通で一般的なフランスの日常や教育についてご紹介。今回は、フランス人の睡眠事情についてレポート!

第18回 3月末からサマータイム! でもこれも今年で最後かも?

3月の最終日曜日と10月の最終日曜日に夏時間&冬時間への切り替えがあるフランス&欧州諸国。コロナ騒動で延期になっているけれど、その制度もEU会議では既に廃止が決議されている。つまり今年で最後かも? 今回は、今月末から始まるサマータイムにちなんで「フランス人の睡眠事情」についてリポートします。

サマータイムとは・・・

サマータイムへの切り替えは3月の最終週末。今年は3月27日(土)から28日(日)になる深夜2時に、時計の針が3時の位置に進められる。

つまり1時間、睡眠時間が減ることになるので、毎年3月最後の日曜は不機嫌な顔をしたフランス人達がとても多い。

サマータイムが始まったのは1976年からのこと。

「日照時間の有効活用」を目的とした制度で、具体的には夜7時を過ぎても明るいことにより「夜の余暇時間の増加で消費&経済を活性」「交通事故&犯罪発生率の低下」「照明の節約で省エネ」などが狙いだった。

ところが思ったほど省エネ効果は得られず、それよりも「年に2度も生活リズムが変わることによる心身の不調」を訴える人が多く、2019年欧州会議で「2021年からサマータイム廃止」が可決。

コロナ騒動で準備ができず延期とはなっているものの、つまり今回で最後になるだろうと言われている。

「眠らない国」日本?!

2018年に発表された「15歳から64歳男女の平均睡眠時間データ(OECD )」によると、なんと日本の睡眠時間は30ヵ国で最下位!

しかも、高齢者達がしっかり眠ってくれているので辛うじて「平均7時間22分」となっているものの、働き盛りの30代から50代前半に尋ねてみると、女性の多くは「0時前就寝は稀。朝5時には子どもや家族のお弁当作りのために起床」。男性も同様に「郊外在住で通勤時間がかかるため帰宅は遅く、0時前の就寝は稀。朝も6時過ぎには出勤」が多数。

男女ともに平均睡眠時間は「6時間未満」が全体の40%以上を占めている。

フランス女性達がよく嘆く「睡眠」問題

「夫婦やカップルはダブルベッド」が今も常識のフランス。キングサイズが徐々に増えてはいるものの、いまだに160cm幅が主流。

フランス人の13.1%(女性17%・男性9%)が「寝付き」「寝起き」「夜中に起きてしまう」「早寝すると早朝に起床してしまい睡眠不足になるので早寝はできない」「眠りが浅く、睡眠後も疲れがとれていない」などで悩んでいるという。職場でも、同僚達が睡眠への不満や不安を訴えることは多々。

日本人である私にとって面白いのは、「昨夜は満月(新月)だったから、よく眠れなかった」などともよく嘆くこと。また「なかなか眠れなかった」というから「何時にベッドに入ったの?」と訊くと「いつも通り10時」などとも答えてくる。

日本人のように夜遅くまで仕事や家事をし、ヘトヘト状態になり「力尽きて就寝」ではなく、ベッドの中で睡魔がやってくるのをじっと待つから「眠れない」ことに悩む、ある意味「贅沢な悩み」でもあるのかもしれない。

朝についても同様。

「5時過ぎに目が覚めてしまって参ったぁ」という嘆きもよく耳にする。

「暁の仕事は金(キン)をもたらす」や「未来(世界)は早起きする人のもの」など、「早起きは三文の徳」に似たコトワザはフランスにもある。しかし朝早く目覚めてしまった時に、そんな風に考える人は少ないらしい。

他にも「眠りについての異文化」は色々とある。例えば「ベッド」。

フランスでは1人用・シングルベッドは子どものためのもの。「カップルはダブルベッド」が一般的で、高齢であろうと仲が悪かろうと夫婦やカップルはダブルベッドで就寝。相手の寝相やいびきに悩む人も多い。それならばツインベッドにすればいいのに・・・とも思うのだが、なぜかそこは守られ続けている寝室文化? もしかしたら、その不自由な「常識」に縛られての睡眠問題もあるのかもしれない。

常識といえば「就寝時には下着をつけない」も、そのひとつ。

「パンツのゴムですら血行を悪くする」がその理由。日本でも近年その説は広まってきているらしいが、フランスでは中世から。「ネグリジェ」もフランス語で、フランスでは17世紀から女性に限らず男性にもネグリジェは愛用されていた。

安眠におすすめ?「シルク(絹)」

リラクゼーション音楽やラベンダーオイル、ハーブティなど、さまざまな安眠グッズがフランスでも常に紹介されているが、ここ1年ほど前から始まっているのが「シルク」ブーム。

とりわけ「シルク100%の枕&布団カバー」が注目されていて、安眠効果だけではなく「髪や肌に良い」という美容効果も唱えられ、女性に限らず男性達にも注目されている。

コロナで大気汚染が減り、急激に増殖したミツバチが良質の蜂蜜製品を生み出しているのと同様、蚕(カイコ)も良質の絹糸を紡ぐようになっているかも?

日本でも、激減してしまった養蚕業を復活。絹製品で「短時間でも質の高い睡眠!」を目指してみるのも一策かもしれない。しかもシルクの寝具なんて見た目もシックでエレガント。肌触りも心地よさそうですよね。

フランス女性は車内でメイク?!

日本に住むフランス女性から言われたことがある。

「早朝から子どものお弁当を作り、朝シャンも化粧もしっかりしてから出勤する日本女性達には脱帽。スーパーウーマンだと思う」

「しかも駅や会社のトイレで再度メイク直しもするから、朝はどこのトイレも鏡の前には女性がいっぱい。最初、これは何?と、とても驚かされた光景だった」

確かにフランスのトイレで化粧をする女性の数は、日本に比べるとかなり少ない。

代わりによく見かけるのが「車内メイク」。

朝、都心の道で、渋滞中、ふと横に並んだ車を見ると、男性が運転。助手席では女性がせっせとメイク。また信号待ちの間にそそくさと口紅やマスカラを塗っている女性ドライバーも多い。

朝はギリギリまで寝て、大慌てで飛び出してくるのだろう。そんな彼女達に朝食や弁当作りなどする余裕はあるはずもない。

子ども達の朝はシリアル&牛乳。昼は給食。男達は出勤前にパン屋に立ち寄り、昼用のバゲットを購入。その一部をかじりながら仕事に向かう。だから食べかけのパンを小脇に抱えた勤め人が行き交うのも、フランス全土、どこでも見かける朝の光景だ。

祐天寺りえ

祐天寺りえライター

1994年フランスのスキー場(メリベル)に移住。小学校勤務(給食、教室清掃、スクールバス添乗など)、執筆業、鍼灸&指圧&アロママッサージなどを生業とする3子(20&21&26歳)のシングルマザー。著書「フランスの田舎暮らしとおいしい子育て(小学館)」「食いしん坊の旅(パラダイム出版)」「フランスだったら産めると思った(原書房)」facebook.com/rie.yutenjiosaki

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