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【フランスからの報告】ママ友は必要? 不要?

【フランスからの報告】ママ友は必要? 不要?

読者の方からこんな質問をいただきました。
「日本では『子どもが小さいうちは、ママ友は必要不可欠』なんて言われることもあります。でも問題も多く、私は面倒だし持たなければダメ? と内心で思っていますが、断ち切れずに宙ぶらりん。悩みの種になっています。最近では不要派と必須派に分かれてきつつもありますが、フランスではどうですか?」

ということで、調べてみました♬


第26回 フレンチママは「ママ友」を作らない?

子育て中の日本女性の82.8%には「ママ友」がいて、「新しいママ友を欲しい」と考えている女性も7割に及ぶという(2021年(株)Timers)。
フランスでは? と調べてみたが見つけられず、そこでパリの女性誌3社の編集者たちに尋ねたところ、2人からは
「フランスでは『ママ友』なるものを持つ人の割合が低いから、どこもデータを作ろうとはしないのでは?」
という答え。もう1人には
「子どもが小さい頃だけ必要だったり便利だったりする関係。それは、つまり活用し合ったり助け合ったりする『知り合い』に過ぎず、私達は『友』にはカウントしないかも」
と言われた。

それでも少し粘ってネットで探してみたら
「私も子どもの母親達と友達にならなければいけない?」
「幼稚園や小学校への送り迎えで、他のママ達と会う時間すら苦痛な私って非社交的? 異常?」
といった内容のフォーラム記事をいくつか見つけた。(magicmaman,parents,lexpress)
「ママ友」について否定的なものばかりですが、常に率直な分、辛辣なフランス女性達の意見を楽しんでみてください♪

お迎え時間が16時30分ならば、16時29分に着き、16時32分には立ち去る

フランスの初等教育は公立の幼稚園と小学校が併設されていることが大半で、幼稚園までは親の送迎が義務(スクールバス利用の場合もバスの昇降時に親同伴が義務)。小学生になっても親が車で送迎。駐車場での事故を防ぐため、校門まで付き添ったり、下校時もピックアップしに来たりする親が多い。

親は教師の許可なしには敷地内に入れないため(誘拐やテロ防止)、下校時間になると、門の前にはポツリポツリと親が立ち始める。

「ボンジュール」
「サ ヴァ?(元気?)」
「ウイ、サ ヴァ。エ トワ(えぇ、元気よ。あなたは?)」
毎日お決まりの挨拶を交わすのだが、実はこれが「面倒だし苦痛」と感じているママ達も多く、それで送り迎え役にはパパがよく任命されている。

「朝晩は秒刻みの戦争タイム。挨拶の11単語を交わすだけで目一杯。それすら面倒っていうのが本音」(ルーシー・28歳)

「できるだけ会話したくないから、開門の1分前に着くようにして、2分後には立ち去るようにしている」(ナタリー・33歳)

「善良そうで無難な笑みと声。この2つを準備するだけでも結構なエネルギー消耗。早く送り迎えの要らない中学生になって欲しい」(エロディ・36歳)

「他のママとの交流」は自分に罪悪感を与えがち

夕刻の迎えの校門前はパパが立っていることが多いのは、育児分担のためというよりも、挨拶が面倒&苦痛というママが派遣するから?

「子どもが同年齢だと、つい子どもを見比べてしまうように、親の質や能力まで比べてしまう。そして優越感よりも劣等感や罪悪感を抱いたりする。そんな落ち込むことを増やす交流に、自ら足を踏み入れることは避けたい」(シルヴィー・34歳)

「○○ちゃんのママのカップケーキは最高に美味しいんだよ! なんて言われても、大して気にはならない。でも同じように子育てに追われながら、いつも小綺麗だったり優雅だったりする人と付き合えば、どうしても競争心や嫉妬心を煽られるはず。なんで私だけ、こんなに髪を振り乱して家事や育児に追われているの? と夫にも八つ当たりしそう。嫌な自分になりたくないから付き合わない」(アマンディーヌ・39歳)

「ママ友」はトラブルの元凶!?

「校門前のママ達は、2タイプに分かれる。友達を作りたがっている人と全く興味がない人。私は後者だから前者の人がいると極力、離れた位置に立つようにして、目が合ってもボンジュールだけ。元気? すら言わないようにしている。その後の会話で入り込んでこられると厄介だから、その意思表示&態度表明ははっきりするようにしている。オープン(社交的)な人こそ要注意。交友範囲を必要以上に広くしたり重くして、結局は負担になったり煩わしくなるのもあっという間だからね」(ソフィー・40歳)

「初等教育の子どもの親同士の交際の1番のネックは、同じ地域に住んでいること。近所同士だと朝夕の付き合いだけではなく、時には週末まで付き合うハメになる。それに、気まずいことがあったり、子どもが中学生になって交流を解消してからも、パン屋や郵便局で不意に遭遇。苦痛が続いて不便」(セシル・42歳)

「子どもが喧嘩をすると、どうしても親はそれぞれ自分の子どもを守ろうとしがちだから、親同士が友達の場合、その関係にまで影響する。しかも子どもより親の方が後腐れなくできなくて、子どもにも悪影響を与える。些細な問題だったはずが親のせいで発展したりも。私は1度体験して、もうコリゴリ」(エレーヌ・35歳)

「『mères (メール・フランス語でママ)』は『Commères (コメール・フランス語でゴシップ)』と響きが似てる。絶対ヤバいと思うから、私は付き合わない(笑)」(アリックス・31歳)

友達づくりの適齢期は23歳!?

学生時代や若い頃から長年付き合っている仲間を持っている女性が多く、それを最優先。「だからママ同士や仕事の同僚と交流するまでの時間は、子育て中にはない」という人も多い。

アメリカで発表されたデータによれば
・友達になるには50時間
・本当の友達になるには90時間
・親友になるには200時間
を共に過ごす必要があるという(2018年Jounal of Social and Personal Relationship)。


フランスの女性誌各社でも取り上げ「これだけの時間を多忙な子育て中には費やせない」と描かれていた。
そして、だからこそ「すでに昔からの仲間がいるから、新しい友達をわざわざ作る必要性は感じない」という意見をよく聴く。
ではその昔からの仲間とは、いつ頃、出会っているのだろうか?

女性が心を許せ、将来的にも長く付き合える「友達」をつくるのにも「適齢期」があり、フランス人の場合、それは学業を終えた頃や働き始めた頃である23歳前後だという。(2019年 L’ADN France)
もちろん個人差はあるし、歳をとってからの出会いもある。でも
「23歳というのは各自の性格や個性への自覚が確立し、生き方や考え方も明白になっている時期。その頃、選んだ友達との関係には間違いが少なく継続しやすい」
という分析には、自分や娘達の過去を振り返ると納得がいく部分がある。

子育てに悩んだら誰に相談?

心理学雑誌の愛読者も多い。この「Psychologies/プシコロジー」も、サッカーの元フランス選手 ジダン氏の妻、ヴェロニック・ジダンも毎月愛読しているという人気長寿雑誌

では、情報収集や習い事の送り迎えの助け合いなどに、ママ友は必要ではないのだろうか?
試しに近所の8人のママに訊いてみたところ、8人とも「それは立ち話で事足りる」「そのために交流する必要まではない」との答え。
確かに私も必要な時だけ近寄って行って知りたいことを尋ねたり、柔道やホッケーの送り迎え分担に加わったりした記憶がある。

そして子育てについて悩んだ時に相談するのは、
1位「パートナー」

2位「自分の親や兄弟」

3位「友達」

深刻度が増したり、誰も相談相手を見出せない場合は「専門の精神科医を頼る」という。(2018年Psycho)

「パートナーとの信頼関係が強い」ように聴こえるが、そうとは限らない。
カップル間の対話量については、確かに日本より圧倒的に多い。でもその分、意見の食い違いによる言い合いやトラブル、いわゆる夫婦喧嘩も日常茶飯事。
だからこそ「家庭内の揉め事だけで精一杯。職場や近所の人とは当たり障りのない関係や距離を保ちたい」となるらしい。

もちろん仲良く交流しているママ達もいる。ただ割合的にはかなり少なく、それは「ママ友」苦手派の私には有り難いことだった。

また、よく見渡してみると、なにか問題があって憂鬱だったり、人と喋りたくない気分の時だったり、体調が悪い時などは「近寄るなオーラ」を発するママも結構いて、皆、すぐに察して近づかない。
そしてそういう態度をとっても誰も嫌悪することなく、むしろ「それぞれ色々あるよね」という暗黙の了解ムードが微かに漂う。
そんな距離感や大人力ある環境のおかげで、私も苦手な送迎時期を難なく切り抜けられた気がしている。

祐天寺りえ

祐天寺りえライター

1994年フランスのスキー場(メリベル)に移住。小学校勤務(給食、教室清掃、スクールバス添乗など)、執筆業、鍼灸&指圧&アロママッサージなどを生業とする3子(20&21&26歳)のシングルマザー。著書「フランスの田舎暮らしとおいしい子育て(小学館)」「食いしん坊の旅(パラダイム出版)」「フランスだったら産めると思った(原書房)」facebook.com/rie.yutenjiosaki

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