子供の行動からどんな障害かわかるの?障害別の症状と行動について
子供の行動から、もしかしたらほかの子供と違うかもしれないと感じることもあるでしょう。今回は、それぞれの障害別の症状と行動について紹介します。
障害別の子供の症状と行動
それぞれの障害別の特徴や症状、行動パターンについてみていきましょう。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
ADHA(注意欠陥・多動性障害)とは、落ち着きがない、ミスが多い、集中力がない、じっとしていることができない、待つことができないなどの症状がみられます。 また、ADHDの子供には以下の行動がよくみられます。
- 授業中に集中できずに歩きまる
- すぐにものを失くす
- 忘れ物が多い
- ほかのことに気を取られて、集中することができない
- 思うとおりに行動してしまうので、待つことができない
落ち着きがないことや忘れ物が多いことなどが本人の不注意と捉えられ、よく叱られることが多くなると自分に自信が持てなくなり、ストレスから悪化する場合があるので理解し、認めてあげることが大切です。
自閉症スペクトラム障害
相手との距離感やコミュニケーションをとるなどの対人関係が苦手で、また強いこだわりや特定のものに関心が強いなどが特徴です。 自閉スペクトラムの子供に診られる行動とは、以下のとおりです。
- 1人で遊ぶことを好む
- 名前を呼んでも振り返らない
- 毎回同じやり方を好み、違うことや変わることを嫌がる
- 他人に興味を示さない
- 光や音などの刺激に過敏に反応する感覚過敏の症状がある
子供の症状や行動が特徴的です。原因はハッキリとは分かっていませんが、生まれつきの脳機能の障害だといわれています。
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群とは、現在では自閉スペクトラム症として、自閉症、広汎性発達障害とあわせてまとめられています。 他人とのコミュニケーションが苦手だったり、強いこだわりがあったりする特性はありますが、知的や言語の発達に遅れがないことが特徴です。
そのため、子供のころは少し変わっている子として見逃され、大人になって生きづらさを感じて診断されるケースもあります。
学習障害
学習障害とは、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」などの特定の学習が困難となる障害です。全般的に、知的発達には遅れはありません。 学習障害は、以下の3つに分けられます。
読字障害
- ひらがなや漢字などの単語が理解できない
- 単語や行を飛ばして読んでしまう
- 文章の意味が理解しづらい
書字障害
- 正しく文字が書けない
- 助詞などが上手く使えず、文法を使って文章が書けない
- 板書が苦手、または遅い
算数障害
- 九九は暗記できても使えない
- 計算が苦手
- 時計が読めない
- 文章問題が苦手
ほかの教科は問題がないのに、文章が読めない、計算ができないなど特定のことができないため、サボっている、努力不足と思われてしまいます。子供が自信をなくてしまうことにもなりかねないので、早めに気付き、サポートすることが大切です。
知的障害
知的障害とは発達期に起こる、知的発達に遅れがあり、日常生活に支障がみられるためサポートを必要とする障害のことです。 知的障害にもさまざまな状態があり、状態によって、軽度・中等度・重度・最重度の4段階に分けられます。
年齢にあった学習や行動が難しい場合もあれば、分かりやすく話せば理解ができる、理解はできているが言葉にできない・話せない、コミュニケーション自体が難しいなど、さまざまな場合があるのです。
親としての子どもへの関わり方とは
我が子をほかの子供と比べてちょっと違うような気がすると感じた場合、わがままをいっているだけ、ダメな子なんだと決めつけないようにしましょう。
頭ごなしに子供叱れば、できないことへのイラ立ちやストレスから子供は自信をなくしてしまいます。できないことを責めるのではなく、できることを見付けて褒め、子供に自信を持たせるようにしましょう。
また、早めに専門機関に相談することで、療育をとおして本人ができることを増やし、今後の生活の困難を取り除くことができます。
子供の行動を普段からよく観察しよう
障害別の症状や行動に当てはまるから、必ず障害があるとは限りません。しかし、これからの子供のために普段からよく観察し、少しでも気がかりなことがあれば、1人で抱え込まず、専門機関などの相談窓口に相談してみましょう。
監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得