
【フランスからの報告】日仏習慣の違い〜マスク VS サングラス〜
フランスといってもパリから660km以上離れたスイスとイタリアの国境近く、フレンチアルプスのスキー場暮らし。そんな田舎&山から、華やかさはないけれど、ごく普通で一般的なフランスの日常や教育について、毎月2回リポートします!
マスクにはいつまでたっても慣れない! でもサングラスはベビーから当たり前

夏になると、フランスでは乳幼児との外出グッズに欠かせないのが「帽子」「日焼け止めクリーム」「水」そして「サングラス」。
というのも12歳までは眼球システム(光のフィルター)が未発達。瞳が膨張していて紫外線をそのまま取り入れてしまうので、本当は大人以上にサングラスが必要なのだそう。
例えばUVAの吸収率は、大人が60%なのに対し12歳以下は90%。特に青や灰色など薄い色の瞳は、メラニンが少ないため紫外線に弱く、角膜にダメージを与えやすい。
そして意外と知られていないのが「皮膚がんの10%がマブタから」であること。マブタの皮膚は薄く肌の中でもとりわけ敏感。しかも目の周りには日焼け止めを塗れない。だから眼科医達は「目だけではなくマブタの保護のため」にも乳幼児からのサングラス使用を推奨。そのためフランスでは薬局でもオシャブリと並んでベビー用サングラスが売られている。

乳幼児のサングラス選び
慣れているとはいえフランス人といえどもベビーの頃はまだ鼻柱が低く、しっかりホールドできるサングラス選びは難しい。しかもベビーはすぐに外して放り投げたりもする。
小さな鼻にフィットする柔らかい素材で、投げても壊れにくい丈夫なもの。また気づかぬうちに落とされ失くすリスクも高いので出来るだけ低コストなもの。ただしUVを99%カットできるUV400明示も確認・・・などなど。乳幼児用サングラスを選ぶのに親達も四苦八苦している。





教室や学食で頭にしていても咎められることはなく、それが生まれも育ちも日本の著者にはいまだについ目に止めてしまう不慣れな光景。

たいしてオシャレではない著者でも3種を所持するサングラス必須のフランス生活。手前から自転車やスキー用。ビーチ用。タウン用。
一方、マスク事情は・・・
つい数カ月前までは、飛行場などでも「マスクしているから日本人だね」などと判別され、例えばスキー選手の間などでは「日本選手と交流したいけれど、マスクしているから話しかけづらい」「女子選手にはせっかく可愛い子が多いのに、ビズ(挨拶のキス)できなくて残念」などと言われていた。
ところがコロナで一気にフランス人にとっても必需品となったマスク。
それでも無縁だったものに慣れるのは難しい。「息苦しい」と嫌悪する人も多く、さらに気温の上昇に伴い、すぐに外してしまう人が急増している。

ベビーからサングラス着用 VS 小学生から給食当番でマスク着用
そのマスクもフランスでは11歳以下は免除。あちこちに放置しそうで逆に不衛生だから、という理由から。
でも幼児は無理でも小学生には習慣化させたら、もしかしたらサングラス同様、将来、マスクになんら抵抗のない大人になれるのかも? 日本人も給食当番からが「マスクとの長い付き合い感」だったりしますものね♪

最初の頃はフランスでも使い捨てマスク販売の不足が問題になったが、今では落ち着き、日本と同様、手作りやオシャレなマスクをもつ人が増えている。写真はスクールバスに乗る子ども達のマスク達。
学校再開後の休み時間・ソーシャルディスタンス状況
6月22日から夏休みまでの2週間、全国的に学校が再開され、その様子がコレ。


ビズ(頬キス)や握手などを我慢するだけでも精一杯。スキンシップ必須の国だから、これ以上の制御は無理と思うのか、教師達も見て見ぬフリ。もはやマスクどころの話ではない?!
フランスでも秋以降の第二波は懸念されている。でも「言っても仕方ない」感も強く、むしろ「それならば、せめて今のうちにできる限り楽しんでおこう!」的ムード。「備えあれば憂いなし」ではなく「気の毒は身の毒」のお国柄? 9月からの新年度をどのように迎え、どのような規則や方策を作っていくのか、それを今から論じても仕方ない・・・と、教師達も7月4日から始まった夏休みに「ボン・バカンス♬(良いバカンスを過ごそうね)」と大喜びで立ち去っていった。