かぼちゃは栄養の宝庫!離乳食や幼児食にかぼちゃをおすすめしたい理由
緑黄色野菜の代表であるかぼちゃ。旬の季節は秋から冬にかけてですが、ハウス栽培や輸入かぼちゃも多く、保存性も高いので、1年中スーパーで見かけます。甘くてホクホク、うまみがたっぷりのかぼちゃ、実は乳幼児期の小さなお子さんに、ぜひおすすめしたい食材。かぼちゃの魅力について、たっぷりとお伝えします。
かぼちゃが小さなお子さんにおすすめの理由
使いやすい!
何よりまずかぼちゃの良いところは、食材の特性が離乳食や幼児食に向いている、ということです。野菜の甘みがあるので、甘味を本能的に受け入れやすい赤ちゃんも食べやすく、苦手食材などと組み合わせてもうまくバランスを取ってくれる優秀食材。
また、柔らかくしやすいというのもポイント。大人と同じように噛むことが難しい赤ちゃんにとってはかぼちゃは食べやすく、ママも柔らかくしやすいので調理がしやすいですよね。
栄養がスゴイ!
かぼちゃは一言でいうと栄養の宝庫。炭水化物を基本とする食材ですが、それ以外のいろんな栄養素がたっぷりで、成長期のお子さんが積極的に摂取したい栄養素がふんだんに含まれています。
ここでは、離乳食・幼児食期のお子さんの視点で必要な栄養素がどのように含まれているかを紹介します。
1.βカロテン
体内でビタミンAに変わるβカロテンを豊富に含み、疲労回復効果や皮膚や粘膜の免疫力を強化してくれる働きがあります。かぼちゃを食べれば風邪をひかない!というのはこのβカロテンによるものです。
2.食物繊維
腸内環境を整えるには欠かせない食物繊維が多く含まれています。どちらかというと、便のカサを増やしたり、腸の蠕動運動を促してくれる働きのある不溶性食物繊維を多く含むかぼちゃ。お子さんの便秘解消にも役立ってくれます。
3.ビタミンC
抗酸化作用が働き免疫力を強化してくれるビタミンCも多く含みます。更にビタミンCの良いところは、植物性鉄分(非ヘム鉄)の吸収を促進してくれるということ。鉄分の摂取がとても大事と言われる離乳食~幼児食期には、ぜひかぼちゃを取り入れてみてください。単体だと吸収率が低い非ヘム鉄の鉄分→大豆(豆腐、納豆、きなこなど)・ほうれん草や小松菜・卵といった食材と一緒に食べると効果を発揮してくれます。
4.カリウム
かぼちゃはウリ科に属するのですが、ウリ科の食材の特徴であるカリウムが豊富にあり、含有量は100gあたり430mgと野菜・果物類の中ではトップクラスです。カリウムは体内のナトリウム(塩分)の排泄を促進してくれるもので、薄味が大切な乳幼児期のお子さんにはぴったり。お子さんに少し塩分多めの食事を食べさせてしまったかな?と感じた日にはぜひかぼちゃを取り入れてみて下さいね。
その他にもたんぱく質や鉄分、カルシウム、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEなども含まれており、栄養の宝庫と言われるだけのことはあります。
栄養を効果的に摂るには?
実はかぼちゃの栄養は、実はもちろんですが皮やわた、種の部分に多く含まれています。
例えば皮やわたの部分にはβカロテンや食物繊維が豊富。βカロテンでいうと、皮は実の2倍以上、わたは5倍以上とも言われています!わたはカボチャの中でも甘みが強く残っている部分なのでお子さんにも嬉しいですね。皮は離乳食期の初めの頃は固くて食べられないかもしれないですが、徐々に皮つきのまま食べられるようになるのがベスト。わたも、取り除く時にほんの少し残してあげると良いかもしれません。
また、調理方法としておすすめなのは「油と一緒に」。βカロテンは油と一緒に調理をすると体内での吸収率がアップします。また、よくビタミンCは加熱すると壊れると言われますが、かぼちゃのビタミンCは壊れにくいというのが嬉しいポイントです。
以上のことを踏まえて、離乳食~幼児食期におすすめしたい食べ方は
離乳食初期・中期…実の部分をペースト状や柔らかくして食べさせる
後期以降…少しずつ皮も一緒に調理を。いろんな調理方法があるが、油と一緒に加熱するレシピも取り入れて。非ヘム鉄の鉄分と一緒に摂取するのが望ましい
では、かぼちゃを使ったおすすめ離乳食・幼児食レシピを紹介します。
かぼちゃのパンロール
かぼちゃはペースト状にすることで様々な使い方ができるので便利。こちらはパンにぬって食べる朝食向きのレシピです。
材料:(1食分)
・茹でた(蒸した)かぼちゃ 適量
・食パン 薄切り1枚
作り方:
① 食パンの耳をカットし、伸ばし棒などで薄くのばす
② 加熱してペースト状にしたかぼちゃを食パンに薄くぬる(きな粉などを加えてもおいしい)
③ 食パンの下にラップをしき、ラップごと押しつけるように巻いていく。最後にもう一度ぎゅっと巻き付けて、パンとかぼちゃがなじむまで待つ。食べやすいサイズにカットする
かぼちゃの焼きおにぎり
鉄分を含むほうれん草を、ビタミンC豊富なかぼちゃと一緒に食べることで鉄分吸収率がアップ!離乳食後期から幼児食におすすめ。
材料:(1食分)
・ごはん 80~90g
・茹でた(蒸した)かぼちゃ 20g
・加熱済ほうれん草 10g
・きなこ お好みで
作り方:
① ボウルにごはん、1cm角に切ったかぼちゃ、みじん切りにしたほうれん草、きなこを入れて混ぜ、おにぎり状にする
② 表面を乾かす程度にトースターで焼く(こぼれにくくなります)
写真のおにぎりはツナも入れています。たんぱく質も加えるとこれ1品で栄養バランスがとれた食事になります。
かぼちゃと豆腐のチーズお焼き
こちらもかぼちゃと鉄分を含む豆腐やほうれん草を合わせることで鉄分吸収率アップが期待できるレシピです。
チーズ入りでこんがり加熱。離乳食期の手づかみ食べにも、幼児食期のちょっとしたおやつや一品に。
材料:(約8~10個分)
・かぼちゃ 100g
・木綿豆腐 80g
・カッテージチーズ 20~25g
・加熱済ほうれん草 10g
・片栗粉 大さじ1
作り方:
① かぼちゃは種を取り、皮ごとラップに包み電子レンジで約1分加熱し、裏返して更に1分加熱する。熱いうちにつぶす。加熱済のほうれん草はみじん切りにして水気を絞る
② ボウルに①と水気を切った豆腐、チーズ、片栗粉を入れ混ぜ合わせる。約4cmの円型にまとめる
③ 油少々をしいたフライパンに落とし入れ、中弱火で両面に焼き色がつくまで焼く
かぼちゃとにんじんのきんぴら
油で加熱し効果的にかぼちゃの栄養を摂取するレシピです。しっかりと噛めるようになる幼児食以降がおすすめ。
材料:(大人2人+子ども1人分)
・かぼちゃ 100g
・にんじん 1/2本
・ごま油 小さじ2
・塩 ふたつまみ
・すりごま 大さじ1
作り方:
① かぼちゃとにんじんは3~4cm幅の細切りにする
② フライパンにごま油を入れ、①を加えて中火で炒める。先にかぼちゃが柔らかくなるので、少し火を弱めてにんじんが好みの固さになるまで炒める
③ 塩を加え、最後にすりごまを全体に和えるように混ぜ合わせる
いかがでしたか?ぜひ日々の食事に栄養たっぷりのかぼちゃを取り入れてみて下さいね!