子どもの創造力をめきめき伸ばす、造形教室“ビジョンズパレット”三軒茶屋店が10月2日にオープン!
「今日は何を作りたい?」
「次は何をしたい?」
じぶんに出会うアトリエ“ビジョンズパレット”は、そんなふうに子どもの「やりたい」という気持ちをどんどん広げていく造形教室。
2016年に学芸大学前にオープンし、下は2歳から上は70代まで、約200人の人たちが、絵画や工作、粘土など、思い思いに制作に取り組んでいます。教室が手狭になったため、10月2日に三軒茶屋に新しく教室をオープン! 9月29日に開催された、プレオープンの様子を取材してきました。
●一番のポリシーは「子どもが主体」
“ビジョンズパレット”での1日は、「今日は〇〇をします」ではなく、「今日は何をしたい?」と子どもに問うことから始まります。そう、主体はあくまで子どもなんです。
絵を描く子もいれば、粘土をこね始める子、立体工作に取り組む子、各自がてんでばらばらに制作にとりかかります。ずらりと並んだ画材や工具は、どれを使おうと自由。使い方がわからなければスタッフが教えてくれます。
●本物のアーティストが指導
指導にあたるのは、東京藝術大学をはじめとする、芸術大学・美術大学の現役生やOB・OGの人たち。現役のアーティストとして活躍している人たちも。
指導のポイントは、「手を出しすぎない」こと。指導者はあくまでもコーチとして、子どものやりたい気持ちを引き出します。
「制作をするということにおいては先生も子どもも同じ。子どもであっても、同じ制作者である、というスタンスで接しています」と、“ビジョンズパレット”アトリエマネージャーの井元紗奈恵さん。
井元さんご自身も、東京藝術大学のOBであり現役のアーティストです。
●上手さよりも自分らしさ
先生たちは「これをしたらダメ」とか「これは間違い」といった、発想を否定する言葉を使いません。
「上手さ」よりも「自分らしさ」を伸ばすことを大切にする“ビジョンズパレット”では、こんな声がけも。
「好きなようにやっていいよ」
「もっと下手くそに描いてごらん」
「ここでは間違いなんかないんだよ」
……
「100人いれば100通りの正解がある。その子しかもっていない個性を引き出したい。その子にしか描けない線、色使いが絶対あるので、それを見つけて『すごいね!』と言葉がけするようにしています」(井元さん)
「その線いいね」「○○さんらしいね」という声かけで、子どもたちはどんどん自信をつけていきます。最初は「うまく描けない」としり込みしていた子も、「ここでは何をやってもいいんだ」とわかると、自分の描きたいように描くことの面白さに目覚めていくといいます。
今年はコロナのために中止となりましたが、毎年1回、美術館を借りて展覧会を開催。子どもの大きな成長を見ることができる一大イベントです。
展覧会という目標を決めて制作をすることで、「やりとげる力」を育み、作品を仕上げた達成感が、次の「もっとがんばろう」につながっていくそうです。
学芸大前店に通っているお子さんの保護者からの声を聴きました。
――“ビジョンズパレット”に通うようになった動機は?
「手先を使うことは知育にいいですし、自由な発想ができる子に育ってほしくて通うように。スマホやiPadに触れる時間を減らしたいとも思いました」
――子どもたちにどんな変化が?
「子どもがドはまりして、他のどの習い事よりも生き生きと通っています」
「欲しいおもちゃとかがあると、まず家で段ボールを使って、自分で似たものを作るようになりました」(す、すごい!)
「障害があり、一つのことに集中するのが難しい子でした。でも、ここに来るとあっさり『バイバイ』と離れて制作モードに。1時間でも2時間でも集中していて驚きました」
何よりお子さん本人が喜ぶので通わせていると、皆さん口をそろえます。「自分らしさ」を一番大切にする“ビジョンズパレット”ならでは、と感じたこんなエピソードも。
「初日に、黒、白、灰色だけの絵を描いたんです。何か心に問題があるのかと不安に思っていたら先生が『僕が親ならスマホの待ち受け画面にしたいくらいカッコいい絵ですね』と言ってくれて。ああ、これでいいんだと安心しました」
「ここならいくら汚れても気にしなくていいし、いろいろな材料がそろっています。家ではここまではできません」というお母さんも。
子どもが思い切り遊べる場所が少なくなっている昨今、デジタルで簡単に絵が描けてしまう時代だからこそ、手指を使って実際にモノを作ったり、自己表現できる機会は貴重。
教育の場でも、与えられた課題に対して正解を出すことよりも、自分で考えたり表現したりする力が今後求められると言われています。まさに“ビジョンズパレット”での造形体験に通じるものがあると感じました。
何より、子どもたちの作品がスゴイ! 小学校低学年でこんな芸術作品が作れてしまうんです! これがすべてを物語っていますね。
「へたくそ、と言われようが気にせず自分を表現してほしい。人がどう言おうと自分はこれがいい、と言える自分の物差しをここで培ってくれたら」という井元さんの言葉が心に残りました。
“ビジョンズパレット”について詳しくはこちらまで!