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【入学準備特集】そうだったんだ! 知らなかった、ランドセルのいろいろ

【入学準備特集】そうだったんだ! 知らなかった、ランドセルのいろいろ

日本の小学校に通ったことがある人なら、ほとんどの人が使用したことがあるのがランドセル。前回、ランドセルメーカーにお勤めの林 州代さんに購入のポイントをうかがいましたが、ほかにも「へぇ~」となるあれこれを教えていただきました。

ランドセルは単なる風習!?

ランドセルの歴史はなんと134年にもなるそう。兵隊の背負う布製の「背嚢」がモデルになっていて、両手をあけ、重さの負担を軽減することを目的にデザインされています。これを学校指定の通学鞄として取り入れたのが学習院。明治10(1877)年のことでした。現代の箱型になったのはその10年後、大正天皇が学習院初等科に途中入学された際に伊藤博文から献上されたものが元祖。よほど使いやすかったのでしょうか、この形が定着して現代にいたるというわけです。背嚢を意味するオランダ語「ランセル」が日本語風になって「ランドセル」と呼ばれるようになったそう。

そしてそれが公立の小学校でも導入された……のかと思いきや、実は「ランドセルを使わなくてはならない」という規則はないのだそうです。当然のことながら色にも規定や指定もないので、「小学校にあがる=ランドセルを購入」「女子は赤、男子は黒」というのは日本独自の風習だったというわけ。なるほど、カラーやデザインにバリエーションが増えるなど自由な感じになっているのはそのためだったのですね。

モノづくり・日本の誇る逸品

しかしながら、これだけ長く愛され使い続けられるのには理由がある、と林さん。「ランドセルほど強度のある鞄は世界でも類を見ない」といいます。それだけ日本製のランドセルは頑丈にできているからで、型崩れもせず壊れもせずに6年間毎日使い続けられる鞄は、日本の誇りといってもいいのでは。時代に合わせ需要に応じて進化してきましたが、中でも注目すべきは「背カン」と呼ばれるパーツでしょう。

右の写真の赤丸で示したところが「背カン」。背カンのタイプの違いで肩ベルトの立ち上がりも変わる。今のランドセルは立ち上がりタイプが多い(写真提供:株式会社村瀬鞄行)

これはランドセルの本体と肩ベルトをつなぐものですが、背負いごこちの良し悪しもここで決まる! といっても過言ではないかもしれない重要なパーツです。なぜなら、ここで肩ベルトの立ち上がりや可動域が調節されているから。また、背カンが壊れるとランドセルを背負うことができなくなるため、最も重要視されている部分でもあります。各メーカーが研究を重ね、現在数種類がありますが、国産メーカーのものはとにかくこれが頑丈なわけです。

紙製も!? 世相を映すランドセル

ほかにもさまざまな工夫がされているランドセル。1つのランドセルに使われているパーツはなんと200にものぼるといい、それらすべてが機能性と快適性を追求した結果なのだといいます。まさに日本の技術の集大成といったところ。近年、空港でも売られているのを見かけるくらい、外国の人にも注目されるようになっていったのもよくわかります。

布製の背嚢から始まり、約130年前に革製で箱型のランドセルが誕生して以来、ずっと進化を続けてきましたが、形はほとんど同じ。とはいえ、戦時中はブリキ製のランドセルが出てきたり、紙製のランドセルがあった時代もあるそうで、時代を映しているのも長い歴史あるものだからにほかなりません。そして、たくさんの色やデザインが勢ぞろいの現代のランドセルは、平和になった証、そして多様性の時代を表しているのかと思うと、感慨深いものがありますね。

ランドセル工業会ではそうしたランドセルの軌跡をたどる『ランドセルの軌跡展』を名古屋と東京で開催(名古屋での開催は3月。東京は6月に開催予定)。ランドセルの歴史をたどり、ランドセルにまつわるあれこれを知る機会になりそうです。ご興味があれば、ぜひ足を運んでみてください。入場無料です。

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お話を聞いた人:林 州代さん
岩佐史絵

岩佐史絵トラベルライター

東京都出身のトラベルライター。妊娠中も子育て中も闘病中も西へ東へ、旅・旅・旅! 旅のおかげでQOL(Quality Of Life=人生の質)が爆上がり! と思えるような、素敵な旅スタイルをご提案します。コロナ禍の今は旅ができずにしょんぼり……するわけもなく、身近に素敵♡を見つけてはご紹介。一児をもつシングルマザーでもあります。

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