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たんぽぽ染めと春の一日【親子ではじめるエシカル暮らし・30】

たんぽぽ染めと春の一日【親子ではじめるエシカル暮らし・30】

日差しがぐんと強くなって、季節がすすんでいくのを感じます。花が終わってしまう前に、と先日、息子とたんぽぽ摘みをしました。たんぽぽを使って、草木染めをしたかったのです。

どこでも咲いてくれる、なんとも身近なたんぽぽ。でも改めてみると、花も葉っぱもなんとも可愛いたんぽぽ。

たくさん集めました。

集めたたんぽぽを鍋にいれ水で煮出すと、優しい黄色の液体になります。たんぽぽをざるで濾して、染液だけにして、また鍋にもどして、綿や麻などの布をいれて(ナイロン素材などの布は色が入りません)、弱火でことこと煮出す。ちょっとほろ苦いような、甘いたんぽぽの香りと湯気に包まれるのが気持ちよいです。(ですが暑いので、夕方、野外でやりました)「みょうばん」をいれて色止めをしたら、染まった布を干して、草木染め終了!

散歩して季節の植物を集めること、身近な植物から色をもらえると驚くこと、その優しい色合い…などなど子どもと一緒にする草木染めは、その時間そのものがとても楽しいです。

染めたのはサラシや綿の白い布のハギレを、たった数枚。

(たくさんの布を染めるには、たくさんの植物が必要だし、大きな鍋でたくさんの水で煮出さなきゃいけないし、となかなか大変)

そして染めた布は、以前この連載でも紹介した、食事時や外出時に使っている「マイお手ふき」にしました。随分使い込んでだいぶボロボロになっていたお手拭きたちは掃除用に回し、新調されたマイお手拭きたち。

わざわざたんぽぽ摘んで、お手拭き作るって……と思われてしまうかもしれないのですが、裁縫が苦手なわたしが、小さな子どもと一緒に「楽しむ」ことを第一に考えると、これくらいが(わたしにとっては)ちょうど良い。子どもと一緒になにかをちょっと作ってみる。毎日使うものを自分たちの手で作ってみる。そして、そこにほんのちょっとした、喜びが宿っていったらいいな、と思います。

息子とたんぽぽを摘んでいた時、ミツバチがブンブンとやってきて、たんぽぽにとまりました。それを見て息子が「たんぽぽぜんぶとっちゃだめだよ。ほかの子達(ミツバチ)の分も残しておかなきゃ」と言いました。目の前にあるものを、とりすぎない。独占しない。

教えられなくても、本能のようにそんな感情は4歳の小さな胸にもわきあがるものなんだな、とハッとした言葉でした。

わたしたちの社会は、多くのものを乱獲して、適正をはるかに上回る量を生産しては、破棄し続けている。それってほんとうにおかしすぎることだよな、と改めて思います。たんぽぽを摘んで、草木染めをして。そんな小さな出来事を通して、わたしたちが自然の中の一部であること、一部でしかないこと。そんなことを改めて感じられた春の1日でした。

中村 暁野

中村 暁野編集者、エッセイスト。

一年をかけてひとつの家族を取材する、家族と一年誌「家族」編集長。家族にまつわるエッセイやコラムの執筆も手がける。夫と9歳女子、2歳男子、たれ耳うさぎのバターと一緒に、2017年から、山梨と神奈川の県境にある藤野へ移住。古い一軒家を少しずつ自分たちで改装しながら暮らしている。kazoku-magazine.com

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