
子どもと読む絵本 赤ちゃんが家に来る日。おねえちゃんのとった行動は?
こんにちは、ハナコママのmama’s STORY 担当の宮本です。こちらのページでは、自分が読んでみて気になった絵本や、読み聞かせて子どもに好評だった作品をご紹介していきますね。

今回は、松田奈那子さんの『みつけてくれる?』。女の子の家に赤ちゃんがやってくる。その日のことを描いた絵本です。
待ちに待った赤ちゃんとの生活。でも、かくれたくなった理由は?
赤ちゃんがくる。うれしい、久しぶりにママにも会える! でも、わたしはまだおねえちゃんじゃない、という戸惑いが急に大きくなって、女の子は家を飛び出し、かくれることにします。
赤ちゃんがきても、みんなわたしのこと抱っこしてくれるだろうか? かわいいって言ってくれるだろうか? 自分はちゃんとおねえちゃんになれるだろうか?
そんな問いかけに、いつも一緒に遊んでいる動物たちや虫や花たちが「大丈夫だよ、大丈夫だよ」と声をかけてくれます。
そうして彼女は、心を決めるのです。
どんなに小さくても、下の子がうまれた瞬間から「上の子」になる。おかあさんが、赤ちゃんを抱っこしてあやしている横で、おかあさんの服の裾を黙って引っ張っている子どもを、保育園や街中でときどき見かけます。そこには、きっと本人にもうまく説明がつかないような複雑な思いがあるんだろうなあと思います。
作者の松田奈那子さんは、四姉妹の長女で、ご自身の経験からこの絵本を描かれたのだそう。かくれたくなったのは、逃げたいわけじゃなくて、ちゃんと見つけてほしいから。女の子の強い気持ちを感じました。
「上の子」をひざのうえに抱っこして、いっしょに読んであげたくなるような作品です。
明るい色彩とのびのびとしたタッチもすごく素敵。花の中に女の子が隠れている絵は壁に飾ってずっと見ていたくなりました。
『みつけてくれる?』
作・松田奈那子
あかね書房 1400円
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