子どもと読む絵本 「ち、ち、ち、ち、」。ちいさな子どもに響く、オノマトペ絵本
こんにちは、ハナコママのmama’s STORY 担当の宮本です。こちらのページでは、自分が読んでみて気になった絵本や、読み聞かせて子どもに好評だった作品をご紹介していきます。
『おおきい ちいさい』は、息子が1歳になるころ、よく読んだ絵本です。
見開きで「おおきい ちいさい」という文字と絵がワンセットになっていて、それが延々続きます。「お、お、き、い ち、い、さ、い」になったり「おーきい、ちいさい」になったりして、ちょっとずつ絵もテキストも変わります。読むときには、「おおきい」を大声で「ちいさい」をささやきごえで、など「大きい小さいの概念が伝わるといいなあ」なんて思いもあって、いろいろ工夫しました。
息子はいつも黙って聞いていましたが、中盤の「ちいさい」が「ち、ち、ち、ち、ちっ、ちゃい」となって、6つの小さな絵がちらばっているページに来ると、「ち、ち、ち、ち、」と言いながら絵を指をさして大喜び。
おそらくほかのページにはそんなに興味がなく、「ち、ち、ち、ち、」がやりたくていつも待っていたんだと思います。たいてい、そのページで「ち、ち、ち、ち、」をやりつくすと、それ以降は聞いてくれず、読み聞かせは終了。「大きい小さい」の概念がこの絵本から伝わったかどうかはかなり疑問ですが、「ち、ち、ち、ち、」であれだけ遊べたのはよかったと思います。何がそんなに楽しかったのかは、よくわかりませんでしたが。
『もこ もこ もこ』も同じころ、保育園でよく読み聞かせをしてもらっていた絵本です。お迎えで、ちょうど読み聞かせをしている場面に遭遇したことがありますが、息子も含め、1歳児、2歳児がそろって爆笑していたのが衝撃的でした。「ぱく」で笑い、「ぱちん」で手をたたく。何がそんなにおかしいのか、大人には「?」ですが、音とカタチが響くんでしょうね。
『おおきい ちいさい』も『もこ もこ もこ』もそうですが、「カンカン」「ブーブー」などの擬音語などをつかった、音の響きを楽しむ「オノマトペ」絵本は、2歳くらいまでは本当によく読みましたが、あるときから、子どもが急に興味を示さなくなりました。音から意味のほうに関心が移るからでしょうか。
5歳になったいま、『おおきい ちいさい』の絵本を私が手に取るだけで「赤ちゃんじゃない!」と強く拒否されます。「ち、ち、ち」と言っても、まったく覚えていない。潔いほどの変わり身。親のほうはまだ「あれ楽しかったなぁ」と未練タラタラなんですけどね。
『おおきい ちいさい』
作・元永定正
福音館書店 800円
『もこ もこ もこ』
作・谷川俊太郎 絵・元永定正
文研出版 1300円
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