編集部の取材エピソード 意外な場面で役に立つ。子どもがプログラミングを学ぶメリット
プログラミングって本当に必要なの?の疑問に、なるほど納得!な答えをいただきました!
今回の3・4・5歳向けの記事ではプログラミングを取り上げました。
2020年から小学校でプログラミングの履修が必須化されるというニュースをお聞きの方も多いと思います。
が、私のように、理数系が全くダメダメな人は世の中に半分くらいはいるはず。それなのに、全員がプログラミングを学ばなければならないなんて、これからの子どもは大変だな、というのが取材前の気持ちでした。
しかし、そんな心配は無用。子どもは私が思っているよりもずっと柔軟でした。
無料でプログラミングのワークショップを開催している、ギャラクシティー(西新井文化ホール:足立区栗原1丁目3−1)を訪ねると、時間前から会場前で待っている子どもたちが。
予想に反して、3歳くらいの小さな子や、女の子たちも「やってみたい!」と集まってきました。
ワークショップで使用したのは、無料アプリの「Scratch Jr」。
ジグソーパズルのような形のアイコンを並べていくだけで、キャラクターを前進させたり回転させたりジャンプさせたり、自由に動かすことができるプログラミングソフトです。
子どもたちは、インストラクターのお姉さんから簡単な使い方を聞くと、あとは直感的に、どんどんキャラクターのネコを画面の中で動かして、1時間くらいで動画を作ってしまいました!
すべての人に必要なスキルになりつつある「プログラミング」
ワークショップを主宰しているのはNPO法人CANVAS。代表の石戸奈々子さんにお話を聞きました。
石戸さんは、10年以上前から、子どものうちからプログラミングやITスキルを身につけることの大切さを唱え、さまざまなワークショップを開催してきました。
「今や、仕事、買い物など日常生活の多くがコンピュータで制御されています。プログラミングは、読み書き能力と同じように、すべての人に必要なスキルになりつつあるのです」と石戸さん。
でも小学校で必須化する必要があるのでしょうか。
「必須化するからといって、みんながみんなプログラマーにならないといけないわけではありません。国語を習うからといって全員が作家になるわけではなく、音楽を習うからといってみんなが作曲家になるわけでないのと同じ」
なるほど、そう言われればそうですね。将来その道を選ぶかどうかは別として、知らなければ選択することもできません。
「ITやAI(人工知能)など、新しい技術が話題になるたびに不安を語る人は多いですが、たとえば移動手段が馬車から自動車になったことで、私たちの生活はあきらかに便利になりました。自動車だって間違った使い方をすれば凶器になりますが、正しく使う限りは恩恵のほうが多い。ITやAIも同じです」
プログラムに必要な論理的思考は、さまざまな場面で必要とされる力
プログラミングを学ぶメリットはほかにもあります。
「プログラムとは、“コンピュータを動かすための命令”のこと。料理と同じで手順を考え、過不足なく、順序立てて伝えなければ、コンピュータは正しく動きません。そのため、プログラムを試行錯誤しながら組み立てる過程で論理的に思考します。これは、プログラミングを行うときに限らず、さまざまな場面で必要とされる能力です」
でも、大切なのは、楽しむこと。
「プログラミンを勉強しなければ、とプレッシャーに思うのではなく、新しいテクノロジーを使えばこんなことができるんだ、楽しい!と思えるならそれが一番」と石戸さん。
本誌では、プログラミングを学べる教室を紹介しましたが、無料のアプリもあります。まずは、体験させてみてもいいかも。
石戸さんのおススメは、Scratch(スクラッチ)とViscuit(ビスケット)。スクラッチがすごいのは、インターネットを介して、世界中の人と「こんなの作ったよ」とコミュニケーションできること。
「世界中の人とコラボレーションしてアイデアを形にできるって楽しい。ネットで知り合った人と起業をするケースもあります」。
確かにそんなことができたら楽しそうですね。
取材をしてみて、プログラミングに対する考え方、変わりました!
CANVASでは、プログラミングを体験できるワークショップを多数開催しています。詳しくはhttp://canvas.wsをご覧ください。
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