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藤田あみいの「懺悔日記」・28育児ノイローゼというやつなのか? 本当に屈辱的で誰にも話したくない【懺悔日記・28】

2017.05.09

妊娠出産を経て、深刻な産後うつに。
三年の月日をかけてようやく母親になった、わたしの懺悔の日記。

この連載は……

出産後、ある時期から深刻な産後うつ状態になったイラストレーター・藤田あみいさんが、娘のてーたんを育てながら3年間にわたる気持ちの揺れを克明に綴った日々の記録「懺悔日記」。その内容を、少しずつ公開していきます。


第28回 東京へ

28

2015年2月27日 

なんでかよくわからないのだが、毎日ミスドでこってりした甘いドーナツを食べてから出社している。それも、1日に2個くらい食べている。なんの反動なのか。

なにか、気にしなくても良いことを気にしている…けどそれをあえて気にしないという気持ちでいるせいか、ビョーンと飛び跳ねたり、母にセクハラをしたりしている。

もうまったくもって自分のテンションがよくわからない。てーたんを寝かした後にヤクザゲームで敵をタコ殴りにしたりしてすごしている。

今自分の置かれている状況を整理しようと思う。

娘→病院で発達障害の心配をするのはまだ早いし、その兆候は特に見られないと言われる。クレーン現象に類似した行動や、逆さバイバイ(三日で普通のバイバイになった)をしていて、母は不安に感じている。一方で、すでに歩けるようになり、「えんめい(ママ)」と私のことを呼んだりしている。あとお母さんと一緒をみていて、「ちょうちょ」と言うようになった。

私→鬱状態なのだろうか?一つの考えが頭から離れずに苦心している。てーたんを愛しい気持ちは変わらないが、娘の行動によって心配が募ってしまうため、娘と距離を置きたいと感じる時もある。基本的にブルーな気持ちが24時間付きまとっているが、投薬にて安静を保っている。

夫→まったく娘の発達に関しては心配していない。むしろ私のことを心配している。ちょっと厄介者扱いされている気がする。釧路に良心的に帰してくれる。仕事が忙しい。

父母→私の心配に同調して娘を心配したりしているが、医療機関の説明をはなすと「ほらやっぱり」「考えすぎ」と、娘の発達については心配しておらず、むしろ私の症状を心配している。薬を飲むことにはイマイチ良いことだと思っていないよう。

まとめるとこんなにもわかりやすい。

要するに周囲の意見としては、娘の問題ではなく私の心の問題だということだ。

しかし医療機関にかかっても「何病」と特に言われないまますごしているので、改善方法がわからない。

いわゆる産後鬱というやつなのか? 育児ノイローゼというやつなのか? 本当に屈辱的で誰にも話したくない。

2015年3月26日 

ついに東京に帰る日がやってきた。

アルバイト先には、私が抜けてしまうとシフトがさらにキツキツになってしまうという心配があったので、友人のちあきを紹介した。ちあきが今度はあそこで働くようだ。

てーたんの保育園は三ヶ月と短い間だったが、卒園のアルバムをもらうことができ、そこには私が見たことのないてーたんの写真がいっぱい載せられていた。

こんなの短期間なのに、このように親切にしてくれた保育園には感謝でいっぱいだ。

だが実際のところ、風邪が蔓延し、ひと月に3日しか登園しなかった月もあった。

はじめての大勢の子どもたちのいる環境で、てーたんも本当に本当によく頑張ったと思う。

いきなり知らないところに置いてけぼりにされて、どんな思いだったか。大きくなったら覚えているかどうか聞いてみたい。

言葉も保育園生活の中で少しずつ出てきたように思う。

とにかく風邪を引きすぎてもう当分風邪はひかないのではないかと思うくらい、貰ってきた。

頑張ったね。本当によく頑張ったね。ごめんね、ママのせいで辛かったね。と思う。

(次号に続く)

これまでの連載
第1回「私は生命を生み出してしまったのだと。ことの重大さに気づいた」
第15回「知らないおばさんに「子どもは希望」と言われて、泣きそうになる」
第16回「自閉症。発達障害。検索結果が頭の中から消えてくれない」
第17回「ごめんね、ごめんね、どうしてこんな母親なんだろう」
第18回「障害や病気は医者が見つけるから、お母さんはこの子を可愛がってあげて」
第19回「強いお母さんになりたい。不安で震えが止まらない」
第20回「インターネットから得た余計な知識。どれも燃やして捨てたい」
第21回「これは母親の勘なのか、それとも私が異常なのか」
第22回「悲しいことにわたしは、娘を色々と試すようになっていた」
第23回「ただひたすらに「助けて助けて」と頭が悲鳴をあげていた」
第24回「この子に何か問題があってもいいじゃないか」
第25回「断乳した翌日、信じられないことが起きた」
第26回「寒い寒い氷の町の丘の上にてーたんの保育園はあった」
第27回「昔は一人でいるのが大好きだったのに、今はとても不安でやりきれない」
第28回「育児ノイローゼというやつなのか? 本当に屈辱的で誰にも話したくない」
第29回「治療が必要なのは娘ではなく、100%お母さんの方だということになった」
第30回「私はこんなにめちゃくちゃな人間なのです、と泣けたらどんなに楽だろうか」
第31回「破壊へと道を進めているのは私そのもの。私だけが狂っている」
「懺悔日記」連載一覧

藤田あみい

イラストレーター・デザイナー・エッセイスト。
「無印良品の家」のウェブサイトで「ぜんぶ無印良品で暮らしています~三鷹の家大使の住まいレポート~」を執筆中。
2016年に同タイトルの本を出版。現在韓国語・台湾語に訳され、幅広い層の人へ向けて発信を行っている。
趣味はショッピング。夫と娘が生き甲斐。

「懺悔日記」読者へのメッセージ

妊娠・出産を得て、わたしは強迫性障害という病気になってしまいました。
強迫性障害を簡単に言うと「潔癖性」というようなものがわかりやすいと思います。
私の場合は潔癖ではなく、「『娘に障害があるのでは』という強迫観念が浮かんでくる。」というのが症状です。
愛する子どもを育てていて、一瞬でも「この子に何かあったら」と不安を感じる人は少なくないと思います。
このブログはそんな気持ちのドツボにはまってしまった私の懺悔の日記です。
「ありのままを受け入れる」そこに至ることが難しい人に向けて、少しでも気が軽くなればいいなと思い書き連ねています。
藤田あみい

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